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第36話 もう一つの綻び 2
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合宿直後から「合宿の夜の話は無しにしてほしい」と正気に戻ってしまった天音を、泣き落としで引き延ばしたのが二学期の話。
そして幼なじみは昔から、ちょっとした恫喝をされると、めっぽう弱いのを知っている健だ。
「中学生くらいの時に気がついたんだよなぁ。オレが強く出ると大抵はあいつが折れてくる。しかも、どんなに一方的なコトを言っても『約束』のカタチにしてしまえば言い分を認めてくれちゃうんだから、笑えるぜ」
天井に向かって「ケケケ」と妖怪のような笑い声が響かせながら、健は自分の取った最高の手口を思い起こしている。
頃合いを見計らい、最初に使ったのは、部室で隠し撮りした動画だった。
それを使って「ハーフ&ハーフ」を完全に飲み込ませた。
次に、少しずつ侵食しておいて「ウソをついたら、罰としてハーフ&ハーフを延長する」という約束を呑ませた。おかげで「今のゴール」は7月半ば。もちろん、まだまだ伸ばす予定だ。
そして、ことあるごとに「それだとヤツと半分にならないじゃん」「また、ウソをついた」「ヤツにだけかよ」と自分側の「半分」を押し込んでいく。
そうやってジリジリと追い込んできた。その分だけ大竹の取り分が少なくなると言うことだ。
「けけけ、傑作だよな。ハーフ&ハーフ。こんな約束を押しつけられるんだから、オレってマジ天才」
難クセつけて「大竹と同じこと」を要求してなんでも通してきた。唯一、セックスだけは例外だった。欲望の処理までは受け入れたが、どうしても最後までやらせなかった。
『合宿の時以来、素直にやらせなくなったもんなぁ』
しかたなく、押さえつけて無理やりしたこともあった。冬のことだ。なんだかんだで、入れてしまえば大人しくなる。ちゃんと感じさせもした。
だが、その後がいけなかった。なぜか自分を「パパ」呼びをして子どものように甘えてきた。
最初は演技かと思ったのだが、どうにもおかしい。他のしゃべり方まで子どもになってしまう。
おまけに、ヤッた翌日、わざと知らんぷりまでし始める始末だ。どうやら「なかったこと」にしろということなんだろう。
結局、嫌がることは変わらないので、天音の部屋に行って最後までできたのは2回だけだった。健の家だと、なんだかんだで、母親の目があって、二人っきりになるのも難しい。
特に、身体の関係ができて以来、微妙に気配を察したのか、母親の疑惑の目がウルサく感じる。
だから、欲望の処理も含めて、天音の部屋でしかできなくなっている。しかし、それは、まだ良い。
「1番の目標はヤツから生きる気力を奪うことだからな、まあ、仕方ない。だが、オレとのことをガードするために目一杯ヤツに冷たくなっている。オレがそうし向けたんだ。笑顔をヤツに1回見せたらオレにキス1回ってのもなかなかにアリだったな」
とてもではないが「ハーフ」とは言えない。全てを奪うために徐々に押し込んできた。要求が高くなる分だけ天音のガードが上がる。それはイコールで瞬への冷たい仕打ちとして跳ね返ることになるシステムだ。
「だが、もっとだぞ。もっとだ。奴の心を折るにはどうしたら良い? ……そうだ、インターハイが終わったあたりで、初めて天音の部屋でヤッた時の動画でも見せてやるか」
泣き叫んで嫌がる所を押さえつけて犯した。「処理」させているだけの方がよほど気持ち良いが、泣き叫ぶ様子は嗜虐心が満たされた。そして、次第に大人しくなって、最後は、ちゃんとイクとまで声を上げた。
「隠し撮りしておいたのをヤツに見せてやらないとだよな。ヤツがどれほど絶望した顔をするのか楽しみだぜ」
健は最高に嬉しくなった。どんな風に瞬に見せれば1番ダメージになるか。瞬が苦しむことだけが生きがいになっているのだから。
そして幼なじみは昔から、ちょっとした恫喝をされると、めっぽう弱いのを知っている健だ。
「中学生くらいの時に気がついたんだよなぁ。オレが強く出ると大抵はあいつが折れてくる。しかも、どんなに一方的なコトを言っても『約束』のカタチにしてしまえば言い分を認めてくれちゃうんだから、笑えるぜ」
天井に向かって「ケケケ」と妖怪のような笑い声が響かせながら、健は自分の取った最高の手口を思い起こしている。
頃合いを見計らい、最初に使ったのは、部室で隠し撮りした動画だった。
それを使って「ハーフ&ハーフ」を完全に飲み込ませた。
次に、少しずつ侵食しておいて「ウソをついたら、罰としてハーフ&ハーフを延長する」という約束を呑ませた。おかげで「今のゴール」は7月半ば。もちろん、まだまだ伸ばす予定だ。
そして、ことあるごとに「それだとヤツと半分にならないじゃん」「また、ウソをついた」「ヤツにだけかよ」と自分側の「半分」を押し込んでいく。
そうやってジリジリと追い込んできた。その分だけ大竹の取り分が少なくなると言うことだ。
「けけけ、傑作だよな。ハーフ&ハーフ。こんな約束を押しつけられるんだから、オレってマジ天才」
難クセつけて「大竹と同じこと」を要求してなんでも通してきた。唯一、セックスだけは例外だった。欲望の処理までは受け入れたが、どうしても最後までやらせなかった。
『合宿の時以来、素直にやらせなくなったもんなぁ』
しかたなく、押さえつけて無理やりしたこともあった。冬のことだ。なんだかんだで、入れてしまえば大人しくなる。ちゃんと感じさせもした。
だが、その後がいけなかった。なぜか自分を「パパ」呼びをして子どものように甘えてきた。
最初は演技かと思ったのだが、どうにもおかしい。他のしゃべり方まで子どもになってしまう。
おまけに、ヤッた翌日、わざと知らんぷりまでし始める始末だ。どうやら「なかったこと」にしろということなんだろう。
結局、嫌がることは変わらないので、天音の部屋に行って最後までできたのは2回だけだった。健の家だと、なんだかんだで、母親の目があって、二人っきりになるのも難しい。
特に、身体の関係ができて以来、微妙に気配を察したのか、母親の疑惑の目がウルサく感じる。
だから、欲望の処理も含めて、天音の部屋でしかできなくなっている。しかし、それは、まだ良い。
「1番の目標はヤツから生きる気力を奪うことだからな、まあ、仕方ない。だが、オレとのことをガードするために目一杯ヤツに冷たくなっている。オレがそうし向けたんだ。笑顔をヤツに1回見せたらオレにキス1回ってのもなかなかにアリだったな」
とてもではないが「ハーフ」とは言えない。全てを奪うために徐々に押し込んできた。要求が高くなる分だけ天音のガードが上がる。それはイコールで瞬への冷たい仕打ちとして跳ね返ることになるシステムだ。
「だが、もっとだぞ。もっとだ。奴の心を折るにはどうしたら良い? ……そうだ、インターハイが終わったあたりで、初めて天音の部屋でヤッた時の動画でも見せてやるか」
泣き叫んで嫌がる所を押さえつけて犯した。「処理」させているだけの方がよほど気持ち良いが、泣き叫ぶ様子は嗜虐心が満たされた。そして、次第に大人しくなって、最後は、ちゃんとイクとまで声を上げた。
「隠し撮りしておいたのをヤツに見せてやらないとだよな。ヤツがどれほど絶望した顔をするのか楽しみだぜ」
健は最高に嬉しくなった。どんな風に瞬に見せれば1番ダメージになるか。瞬が苦しむことだけが生きがいになっているのだから。
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