辛かったけど真の彼女ができました

新川 さとし

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第35話 綻び 4 【R-18】

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  律儀に、手帳に線を足して「下」の字が完成した。
  
「よし、これで3回目っと。ここからは、戻れなくなるぞ」
「いやぁああ!」

 背中がしなやかにブリッジを作るのは送り込まれた快感が鋭すぎるからだが、それ以上に、子宮が記憶させられた言葉のせいだ。

 男が「ここからは」と言いだすと、止めてもらえないのだ。

 子どもの頃から、こうして、何度も何度も連続イキを教え込まれている天音にとって、この宣言は「甘やかな死」そのものだ。

 パパの指が疲れ果てるまでイカされる。

 それが天音とパパのお約束のようなもの。

 まだ初潮も始まらない頃ですら、2回や3回では終わらせてくれなかった。まして「初めて」を捧げてから、急速に大人になった身体になってからは、意識を半ば無くすまで、続けてイカされてしまう。

 そして、少女の甘やかな記憶には、同時に、鮮烈なまでのどす黒い記憶がこびりついていた。

 あの日も、こうして連続イキをさせられた。

 激しくイキ続けた天音は、物音に注意を払うことなど不可能。

 一方で、少女を己の支配下に置くことで痛烈なまでの快感を味わう男が部屋の外の物音など気になるはずもない。

 それが、あの時の地獄を作り出した。

 客観的に言えば、あの日は帰ってくるなり、家中に響き渡っていた、娘の「あの声」に母親は驚いたのだろう。

 その声を正確に「娘のエッチの時の声」だと読み取った母親は、大方隣の男の子と「早すぎる性」に挑戦しているところだろうと考えた。

 レイプされているなら、ここまで甘やかな快楽の声など出すはずがない。

 驚きながらも、そう考えれば、母親は心を少しだけ穏やかにしたのだ。

 母親は出版関係の仕事をしている分だけ、性には理解があるつもりだ。中学生のエッチを頭ごなしに叱りつけるものだとも思えない母親は「せめてコンドームは付けているのかな?」と気になって、こっそりと娘の部屋の前へ行ったのだ。

 そこで、ありえない言葉を聞いてしまった。

 夫の声がした。

「さ、今度はパパの番だ。いつものように、まず、お口でしてくれるね?」

 イキ果てさせて、素直になった娘に怒張を咥えさせた瞬間、母親は、扉を壊す勢いで、中に入った。

 夫と、ついさっきまでの激しいエッチで動けないほどになった娘。  

 二人の裸を前に、母親は我を喪って、口汚く罵ることしかできなかった。その時の言葉を母親は、ずっと思い出せなかったが、ちょっと冷静になれば「悪いのは父親」に決まっていた。

 ただ、母親は思い出すべきだった。

 怒りのあまり、娘に対しても、どれほど口汚く罵ってしまったのかを。

 もしも、あの時、娘を抱きしめていれば、その後の運命は大きく変わっていたかもしれない。

 ともかく、娘が記憶しているのは、父親に刻み込まれた性感と、母親に「汚い」と罵られたこと。

 だからこそ、連続イキをさせられると、天音は、自らの心を守るために、狂わずにいられないのである。

 父親は、その心を正確に読み取って、利用していたのである。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
作者よりご案内
今話は、あまりにもディープすぎるため
夏休みの終わりに削除の予定です。
ご了承ください。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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