辛かったけど真の彼女ができました

新川 さとし

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第35話 綻び 1 【R-18】

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 時は遡る。

 二月《きさらぎ》最後の日曜日。河川敷の裏にあるラブホの一室。

 ラブホ特有の薄手のバスローブをまとった少女は、ベットに腰掛けている。

 後ろから抱きついている男の手を、心から疎ましそうだ。しかし、逃げることも、力で抵抗することもしない。少女の表情にあるのは、嫌悪と諦めなのである。

 だからなのか、まるで「反応したら負けだ」と自分に言い聞かせているかように身体を硬くしている。しかし、後ろから抱きかかえている中年の男は、そんなことは気にならないらしい。

 いや、むしろ、それを楽しんでいた。

 自分を無視しようとしているが、この後のコトを全て諦めて受け入れる姿勢になったのは、男にとってはありがたい。

 年末に温泉宿でコトに及んだときは、抵抗を封じるために縛らざるを得なかったのだから。

『まあ、あれはあれで楽しかった。縛ってから、無理やりイカせて、5回目でやっと諦めたもんなぁ。でも、こうやって、気持ち良いのを思い出しちゃうと、心は嫌がっていても、すぐに良くなるさ。なんといっても、子どもの頃から教え込んできたんだからな』

 感じまいとする少女を、インモラルな快楽の淵に沈める楽しさは、男にとっては格別なのである。

 動きを邪魔されないことを良いことに、悠々と胸に大きな手を入れ、弾力のある乳房をゆっくりと楽しむ。

 二人の表情の温度差は大きい。しかし、頑なな表情で男を無視しようとする姿とは裏腹に、乳首がキュンと立ってしまっているのが、二人の関係の濃さを現していた。

 実際、少女の感覚は、この男によって育てられてきたためか、いくら身体を硬くしようとしても、男の手が触れるところ全てから快感が沸き出してくるのを止めようがないのだ。

 それが悔しかったのだろう、唇を噛みしめている。

 一方で男はニヤつくのを抑えきれない。少女が身体を硬くし、快感を拒否する姿勢を取るところすら、支配欲を満たす「楽しみ」の一つであるらしい。

 実際、男は、射精すること自体よりも、幼い体型から徐々に女そのものになっていく様子を見ている方が好きなのだ。時間をかけて愛撫し、何度もイカせ、最後の最後で「印」を残す意味で少女の中で射精する。

 必ずゴム越しではあるが、あの瞬間の、少女に刻印する感覚が忘れられなかったのだ。男にとって、他のどんな美女とのセックスよりも、この瞬間は、かけがえのない快感をもたらすのだ。

 このためにこそ、人生がある。全てを引き換えにしても惜しくないと思える。

 その意味で、少女との関係の異常さを考えないとしても、この営み自体が「セックス」としては歪なのだった。

 セックスそのものよりも、少女を支配し、刻印することに脳が焼けるような快感をもたらすのだ。

『絶対に手放さない。この身体も心も、全部、オレのために存在するのだから』

 そんなモノローグを、少女が知ることはないだろう。

 ただ、男が「じゃ、そろそろ脱いでもらうぞ」とゆっくりとバスローブを脱がしにかかる。

 少女は抵抗しなかった。

「よし。天音は言うことを聞いてくれて、とっても良い子だね」

 唇を噛みしめる顔を見ながら、父はニヤニヤが止まらなかった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
作者よりご案内
今話は、あまりにもディープすぎるため
夏休みの終わりに削除の予定です。
ご了承ください。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

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