辛かったけど真の彼女ができました

新川 さとし

文字の大きさ
上 下
85 / 141

第27話 嘲笑 ~男と女~ 3

しおりを挟む

 女は瞬時に思い当たった。

 それなら、急に金が必要になるようになった理由にもつながる。

「まさかと思うけど、他の女でもできた?」

 どんな女とつるもうが一切の感情はない。100パーセント、どうでも良い。誰とでも寝ろ。猿でも犬でも、クソでも、いい。しかし、別の女に使うカネがあるなら娘に全て吐き出せと女は思っている。

「え? オレに別の女? まさか! ないない。他のオンナだけは絶対ない。何度も言ってきたけど、オレの愛情は家族にだけしか向いてない。今でもそうだ。そのカタチが世間に受け入れられないとしても、オレの愛情は家族にだけしか行かないから」
「やめて。気持ち悪い。娘に何をしたのか反省はないの?」
「反省はしてるよ、もちろん」

 ウソではない。男は『見つかってしまったのは反省してる。やったことに後悔はしてないよ』と言うセリフを飲み込んで答えているだけだ。

「とにかく、約束は守りなさいよ。これ以上、約束違反が続くなら考えがあるわ。お金なんかよりも、お前に惨めな思いをさせて復讐する方が優先だってことをお忘れなく」
「わかった。わかったって」
「このまま、知らんぷりするなら、警察よ。時効になんてさせないから」
「オレとしても、そんなことは御免だ。ただ、会社の方がヤバいのは本当なんだ。もう少しだけ待ってくれ」
「いつまでも甘い顔をしているとは思わないでね」
「いや、わかってるって。ただ、しばらくの間は送れる金が少なくなる。会社の業績が立て直せたら戻せるから」
「ホントに会社のせいなのかしら?」
「信じてくれよ。愛する娘のために頑張ってるんだからな」
「口では何とでも言えますけどね。でも『愛する娘』だとかいうのはやめてくれない? 気持ち悪いわ」
「スマン、スマン。逆に、もし何かあったらいつでも相談してくれ。できる限りのことはするからな」
「そんなことより、まずは約束を守りなさいよ」

 女は「ケダモノ」と吐き捨てて、店を出て行った。

 残されたのは「嘲笑」だけだった。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

パパのお嫁さん

詩織
恋愛
幼い時に両親は離婚し、新しいお父さんは私の13歳上。 決して嫌いではないが、父として思えなくって。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

一夏の性体験

風のように
恋愛
性に興味を持ち始めた頃に訪れた憧れの年上の女性との一夜の経験

マッサージ

えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。 背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。 僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。

処理中です...