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第21話 受諾 〜天音〜 1【R-18】
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どうしてこうなってしまったんだろう。
天音の頭の中はパニックだ。
瞬を裏切りたくない。健を傷付けたくない。
こんなことをしてちゃダメ。でも、ここで暴れるわけにもいかない。
天音の頭の奥で、あの声が囁いている。
「誰かに知られたら、みんなを傷付けることになっちゃうよ。大丈夫、黙っていればいいんだ。それが一番上手くいく方法だから」
その声が聞こえてくると、いつも天音は身動きできなくなってしまうのだ。どこか、自分が自分で無くなる気がする。とにかく、今、我慢しておけば、きっと上手くいく。だから……
今この瞬間、困った状態にいる自分が、どこか他人事のような気がしてきて、途端に身体に力が入らなくなってしまった。
健は、そんな天音の様子を「もう一押しだ、いける」と判断して、ここぞとばかりにはげしく抱きしめ、顔を下ろして、天音の唇を求めてくる。
「お前が嫌なことはしないよ。今までも、そしてこれからも」
「だけど、キスはだめっんっ~」
避けようとした。しかし、抱きしめられたままでは避けきれない。
あっと言う間に、再び唇が重ねられてしまった。
背中を撫で下ろす手が別の動きをした。
前に回り込んで、乳房を包み込んできたのだ。
「んっ~ んっ、んっ」
ダメと言いかけた瞬間、舌がチロッと入って来た。キュッと抱きしめる力が強くなったせいか、思わず舌を迎えてしまった。
重なり合う舌と舌。直接乳房がゆっくりと揉み上げられ、乳首がコリコリと撫で回される。
「んっ、んめっ、んめぇ」
懸命にダメだというとするが、力が敵うはずがない。いや、力で抗うことを諦めているからか、ガッチリとした身体は、優しく抱きしめつつ、乳房を揉む動きは優しい。
それはハッキリとした愛撫の形を取っていた。
たとえ望まない愛撫でも、天音の身体は、ジンジンとした快感を汲み出してしまう。
チュル
やっと唇が離れた。
乳房を包む手を掴むが、無理やり剥ぎ取れなかった。力だけの問題ではないのだと、天音自身がよく知っている。
「イヤだったら、突き飛ばして良いよ」
「ズルイよ、そんな言い方」
ダメだけど、だからと言って健を突き飛ばすなんてできない。
「大丈夫。誰にも言わない。ほら、誰も知らなければ、大竹を裏切ったことにならないだろ」
「そんなこと!」
コリコリコリ
「あんっ、んっん~」
敏感な先端を摘ままれて、思わず上げてしまう「声」を、唇を囓るようにして押さえ込む。その分、手が疎かになって、胸の弾力を楽しむように揉まれていた。
どこかしら、そのやり方が、あの人を連想させて、一気に、抵抗ができなくなってしまう。そんな自分を天音は、心のどこかで、他人の姿を見ているように見ている。
なんて弱い女 なんてイヤらしい女 なんてダメな女
「大丈夫だよ。だって、オレは半分だけ優しさをもらえばいいから。それとも、オレと天音の仲って、それっぽっちもダメなことか?」
「だけど……」
頭の中が混乱している。健とキスしてしまった。胸を愛撫されている。おそらく、下は、もう濡れてしまっている。心の動きとは裏腹に、愛撫されるとすぐに濡れてしまうのが天音の身体なのだ。
『そんなぁ、イヤなんだよ? 嫌なはずなのに。嫌だって思わなきゃいけないのに』
正直に言えば、健に抱きしめられて、キスされて舌を重ねても嫌な気持ちが湧いてこないのだ。いや、こうやって愛撫されてしまえば、涌き起こるのは邪《よこしまな》な快美感だけ。
自分は健を受け入れてしまったのだろうか?
『だけど瞬を裏切っちゃうのはダメだよ』
申し訳なさは、もちろんある。それなのに「それと、これとは別」だから困ってる。
葛藤を見抜いたように健は「天音を奪うわけじゃないんだ。半分こにするだけだからね」と囁いてきた。
天音の頭の中はパニックだ。
瞬を裏切りたくない。健を傷付けたくない。
こんなことをしてちゃダメ。でも、ここで暴れるわけにもいかない。
天音の頭の奥で、あの声が囁いている。
「誰かに知られたら、みんなを傷付けることになっちゃうよ。大丈夫、黙っていればいいんだ。それが一番上手くいく方法だから」
その声が聞こえてくると、いつも天音は身動きできなくなってしまうのだ。どこか、自分が自分で無くなる気がする。とにかく、今、我慢しておけば、きっと上手くいく。だから……
今この瞬間、困った状態にいる自分が、どこか他人事のような気がしてきて、途端に身体に力が入らなくなってしまった。
健は、そんな天音の様子を「もう一押しだ、いける」と判断して、ここぞとばかりにはげしく抱きしめ、顔を下ろして、天音の唇を求めてくる。
「お前が嫌なことはしないよ。今までも、そしてこれからも」
「だけど、キスはだめっんっ~」
避けようとした。しかし、抱きしめられたままでは避けきれない。
あっと言う間に、再び唇が重ねられてしまった。
背中を撫で下ろす手が別の動きをした。
前に回り込んで、乳房を包み込んできたのだ。
「んっ~ んっ、んっ」
ダメと言いかけた瞬間、舌がチロッと入って来た。キュッと抱きしめる力が強くなったせいか、思わず舌を迎えてしまった。
重なり合う舌と舌。直接乳房がゆっくりと揉み上げられ、乳首がコリコリと撫で回される。
「んっ、んめっ、んめぇ」
懸命にダメだというとするが、力が敵うはずがない。いや、力で抗うことを諦めているからか、ガッチリとした身体は、優しく抱きしめつつ、乳房を揉む動きは優しい。
それはハッキリとした愛撫の形を取っていた。
たとえ望まない愛撫でも、天音の身体は、ジンジンとした快感を汲み出してしまう。
チュル
やっと唇が離れた。
乳房を包む手を掴むが、無理やり剥ぎ取れなかった。力だけの問題ではないのだと、天音自身がよく知っている。
「イヤだったら、突き飛ばして良いよ」
「ズルイよ、そんな言い方」
ダメだけど、だからと言って健を突き飛ばすなんてできない。
「大丈夫。誰にも言わない。ほら、誰も知らなければ、大竹を裏切ったことにならないだろ」
「そんなこと!」
コリコリコリ
「あんっ、んっん~」
敏感な先端を摘ままれて、思わず上げてしまう「声」を、唇を囓るようにして押さえ込む。その分、手が疎かになって、胸の弾力を楽しむように揉まれていた。
どこかしら、そのやり方が、あの人を連想させて、一気に、抵抗ができなくなってしまう。そんな自分を天音は、心のどこかで、他人の姿を見ているように見ている。
なんて弱い女 なんてイヤらしい女 なんてダメな女
「大丈夫だよ。だって、オレは半分だけ優しさをもらえばいいから。それとも、オレと天音の仲って、それっぽっちもダメなことか?」
「だけど……」
頭の中が混乱している。健とキスしてしまった。胸を愛撫されている。おそらく、下は、もう濡れてしまっている。心の動きとは裏腹に、愛撫されるとすぐに濡れてしまうのが天音の身体なのだ。
『そんなぁ、イヤなんだよ? 嫌なはずなのに。嫌だって思わなきゃいけないのに』
正直に言えば、健に抱きしめられて、キスされて舌を重ねても嫌な気持ちが湧いてこないのだ。いや、こうやって愛撫されてしまえば、涌き起こるのは邪《よこしまな》な快美感だけ。
自分は健を受け入れてしまったのだろうか?
『だけど瞬を裏切っちゃうのはダメだよ』
申し訳なさは、もちろんある。それなのに「それと、これとは別」だから困ってる。
葛藤を見抜いたように健は「天音を奪うわけじゃないんだ。半分こにするだけだからね」と囁いてきた。
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