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第11話 策略 ~健~ 2
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まあ、何があったのかとか、どっちが悪いとか。そんなことはどうでも良い。
とにかく、その頃の天音は親の顔を見たくなかったし、オレは一人で居ると渉のことばっかり考えちゃってたってこと。天音だって、母親と会いたくないって言ってた。
だから天音はオレの部屋に入り浸り、家に誰もいないときはオレが天音の部屋に入り浸った。
ヤルことはただ一つ。
勉強は苦手だったけど、とにかくひたすら二人で勉強しまくった。
ちょっと不思議だったのは、オバさんの態度だ。その頃は、お互いの部屋に一日中籠もっていて、ついつい一緒のベッドで寝てしまったことだって何度もあった。
「もう、子どもじゃないんだから、気を付けなさい!」
ウチの母親からはかなり厳しく釘を刺されたのに、オバさんからは何も言われたことがなかった。普通は女の子の親が厳しくなりそうだけどな。
それだけではない。偶然、天音の机の引き出しを開けて仰天した。「アレ」が置いてあったんだ。
あまりの驚きで、さすがに固まってたら、慌ててオレの目から隠した天音は「違うんだからね」と動転したように言ったんだ。
「これは親が持ってなさいって言ったからだからなの! 私、こんなのを他で使うつもりはないから!」
「いや、別に何も言ってないけど」
アレを持っていろとオバんさんが言うってことは、使いそうな相手が天音にいるってことになる。
オレの顔には、きっと「誰が彼氏なんだよ」って書いてあったと思う。いや、実際「彼氏いたっけ?」と言葉に出していたみたいだ。
「彼氏なんていたことないのは知ってるでしょ!」
真っ赤な顔で早口でそれだけ言うと、その日は口をきいてくれなかった。
もちろん天音に彼氏がいなかったのはオレが一番よく知ってる。あえて言うなら「彼氏」のポジションに近いのはオレだ。何より、ちょくちょくオレが泊まっていることをオバさんもわかってるはずだ。
ってことは、オバさんがアレを天音の部屋に置かせたのは、オレと使うことを考えてのことだった可能性が高い。
オバさんの仕事は雑誌の編集らしい。だからか? 娘に避妊具を渡しておいて、男と二人っきりで家にいるのを認めていたってのは。
ススンでるってことなんだろう。
とはいえ、いったい何を考えているのか想像するのも怖くて、確かめる術はなかったんだ。
とにかく、その頃の天音は親の顔を見たくなかったし、オレは一人で居ると渉のことばっかり考えちゃってたってこと。天音だって、母親と会いたくないって言ってた。
だから天音はオレの部屋に入り浸り、家に誰もいないときはオレが天音の部屋に入り浸った。
ヤルことはただ一つ。
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ちょっと不思議だったのは、オバさんの態度だ。その頃は、お互いの部屋に一日中籠もっていて、ついつい一緒のベッドで寝てしまったことだって何度もあった。
「もう、子どもじゃないんだから、気を付けなさい!」
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それだけではない。偶然、天音の机の引き出しを開けて仰天した。「アレ」が置いてあったんだ。
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「いや、別に何も言ってないけど」
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ってことは、オバさんがアレを天音の部屋に置かせたのは、オレと使うことを考えてのことだった可能性が高い。
オバさんの仕事は雑誌の編集らしい。だからか? 娘に避妊具を渡しておいて、男と二人っきりで家にいるのを認めていたってのは。
ススンでるってことなんだろう。
とはいえ、いったい何を考えているのか想像するのも怖くて、確かめる術はなかったんだ。
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