辛かったけど真の彼女ができました

新川 さとし

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第7話  甘美な時 4【R18】

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 好きな男性の視線を受け止め、その愛しい指で触れられる時、女は母性を感じられる胸よりも秘部に羞恥を強く覚えるものらしい。

 天音の緊張が伝わってくる。しかし、手を止めようなんて思わない。天音だって、ここで止めて欲しいなんて思ってないと信じられる。

『天音の全部を知るんだ』

 指先が未知の部分に触れた。ヘアの感触を受け止めながら、指先はさらに下に。

 止められない。

 柔らかく、思った以上にふにゃっとした場所。

「んっ!」
 
 瞬間、しなやかな足が閉じ、そして、天音の意志の力で、さっきよりも大きく広がった。瞬の動きを自由にしようとしてくれているのだろう。

 ニュルリ

 胸を触ったときとは違って、瞬の動きも慎重だ。

「あぁん!」

 そこは驚くほど濡れていた。知識として「女が濡れる」というのは知っていたし、AVだって見たことがある。しかし、本当に、女性がこんなに濡れるなんて、とビックリしてしまう。

 瞬の手を邪魔するまいと、大きく広げているしなやかな足の間。

 オンナの子の秘密の部分は本当にピンク色だった。

 瞬は上半身を起こして、見つめながら触っていた。

 慎重な動きの指先に反応して、しなやかな下半身がうねる姿に強烈な官能を感じてしまう。

『感じてるんだ! オレの指で、天音が気持ち良くなっているんだ』

 嬉しかった。

 指先で、その部分を探るように動かしている。下の部分にはニュルリと入り込めそうな場所。そこに指を入れて、痛みを与えるのが怖かった。だからそっと上に辿ると、クリッとした出っ張り。

「ああああん!」

 好きな女の子の敏感な場所を探り当ててしまった。初めてであっても、瞬の優しさが発揮されて指先が優しくクリトリスを撫で回す。

「あっ! ダメ! そこぉ!」

 ダメと言っているくせに、腰が軽く持ち上がって「もっと」と言わんばかりに身体が震えている。もちろん、そのメッセージを勘違いしたりしない。

 もっとだ、もっと気持ち良くしてあげないと。

 優しく、しかし、素早く指を使うのは男の子としての頑張りだった。

「あぁん! あっ、あっ、そ、そこぉ」
 
 声が一気に切迫した。

『イクのか?』

 AVで何度も見た、女の子の頂点。オーガズム、アクメ、イクという瞬間だ。

「しゅん!」

 小さく叫んだ天音がビクンと震えた。

 経験はなくても、知識くらいはある。今、天音の細い身体を通り抜けたものくらい見当がつく。

「イッた?」
 
 そんな風に聞いてしまうのは、女慣れしてないせいだが、天音は、甘えたように「違うモン、違うモン」と声を上げつつ、コクンと頷いて見せたのは、愛する人への想いのせいだ。

 どれだけ恥ずかしくても、ウソをつくのは嫌だったのだ。

「気持ち良かった?」
「そんなに聞いたら、恥ずかしいよぉ」

 顔を隠したまま、可愛らしい抗議をする天音の顔が何度も何度もコクリと頷いて、小さな声で「気持ちぃ、良かったょ」と聞こえてきた。

 何かを達成したような、そんな満足感。しかし、瞬の股間では「これからだ!」と猛々しい姿になったモノが叫んでいた。

 しかし、瞬は、自分の欲望だけで、相手を傷付けることを恐れたから、動けない。天音が拒否することなんて考えもしてない。逆に、天音は拒否できないと思っているからこそ、ここで求めることを恐れたのだ。

 天音はおそらく、そんな瞬の気持ちが伝わったのだろう。

「ね? 私を、瞬の好きなようにして?」

 
 相変わらず、顔を隠しながらも、瞬に全てを委ねている天音だ。

 既に好きなようにしている。天音の言葉をどう受け止めれば良いのか迷う。 

「ね、恥ずかしいから、来て」

 真っ赤になったまま、しかし、全てをみられているのを承知で、顔を覆った手を瞬の方に伸ばしてきたのだ。さすがに、初めてのことでも意味が分かった。

 伸ばした手と手とを結ぶと、引き寄せてくる動きに、そのまま従った。細い身体に、身体を重ねる。体重を掛けないようにするのがやっと。

「あんっ!」

 グッと広げた足の間にはまり込むように身体を重ねると、ヌルッとした場所にそこが触れたのだ。グッとしがみついてきたのは、濡れた場所に旬のものが当たったからだ。

 その甘やかな声を聞いてしまった瞬間、優しさを忘れてしまった瞬だ。 

 束の間、我を忘れて、奥深くへと突き入れてしまった。

「ああああん!」

 甘やかな声とともに、ギュッとしたから抱きついてきたのは、覚えている。

 気が付けば、深く、深く迎え入れられていた。


「しゅん、スキぃい!」
「天音! 愛してる!」
「愛してる、愛してるのぉ!」

 あっという間に限界だった。何もする余裕はなかった。ただひたすらに、腰を打ち振り、ヌルヌルでキュッと締め付けている中で動くことしかできなかった。

 束の間の後悔、そして、破裂……

 ドビュルビュルビュル


 愛する人と結ばれた、そんな美しい言葉なんて出なかった。ただ、ひたすら、愛する人に自分の快感を注ぎ込んで、一体となる。

 この女を独占する! という原初的な快感が全てだったのだ。

「わっ」
「んっ」

 あまりにも甘美な時間だった。

 瞬は、身体の奥底から全てを愛する人の体内に注ぎ込んでいた。

 その間、ずっと優しい腕が自分の背中をさするようにして抱きついていた幸せをいつまでも覚えていた。

 
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