辛かったけど真の彼女ができました

新川 さとし

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第7話  甘美な時 3【R18】

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 夢中で、白い膨らみを手のひらで包む。

「あっ」

 初めて触れる胸は、柔らかさと弾力が見事なまでに同居している。その感触に溺れるのは男のサガ。しかし、天音の発した声で、手を引いてしまったのは優しさだった。

「ゴメン、痛かった?」

 痛烈な後悔。自分の欲望のせいで、好きな人に痛みを与えるなんて。

「ううん。好きなようにして。瞬に触られるのって、すごき気持ちいいから」

 健気に答える天音の言葉に甘えて、再び手を伸ばしてしまう。

 今度は気を付けながら、それでも手に余る大きさの弾力を楽しみ、先端を唇で挟み込む。好きな人が全てを委ねてくれている。

 男として、根源的な魅惑に耐えられるわけがない。それでも、痛くないようにとは思っていた。唇で挟み込み、柔らかく吸いつくす。

「強く吸っても、良いよ。痛くないから」

 瞬の欲望に気付いたかのように、優しい天音だ。甘い囁きに耐えられず、唇をズラして、膨らみのすそ野を強く吸い上げる。

「あぁあん!」

 たどたどしい瞬の動きにも天音は甘やかに反応する。痛みがないわけがない。しかし、その甘やかな声には、確実に、天音の官能が混ざっているのを男の本能で感じ取っている。

 チュッ、チュッ、チュッ

「あんっ、あんっ、も、もっと、もっとだよ、瞬」

 いくつもの赤い印。その度に甘やかな声。

「しゅん! 私、瞬のものにして」

 一人の女の子を「自分のものにする」などという時代がかった言葉。理屈の上でなら瞬は明らかに拒否する言葉だ。しかし、甘やかな言葉と、愛しい人の裸身を手にしている今なら、それは自然な感情の発露になる。

「天音! オレのものだ! おまえはオレのものだ!」
「あぁああん、瞬! 嬉しい!」
  
 好きな人が、自分の行為で甘やかな声を上げている。男の子特有のものなのか。こんな時は全能感で満ちあふれ、好きな人を自分の思うままに、感じさせることだけでいっぱいだ。

 もっとだ、もっと、甘い声を出させたい。

 本能が瞬をせき立てていた。


「あん。しゅん、あっ、はずか、しいぃ」

 初めて聞く女の子の切なくも甘い声は、男の欲望をかき立てずにはいられない。

 身体を半ば起こして、未知の陰りに向かって手を伸ばしていた。

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