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第4話 転機 1
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瞬のかじったサンドイッチを躊躇無く食べる天音である。
周りの目もそうだが、瞬自身が驚いてしまう。
「あの、さ、えっと」
「なあに?」
キョトンとした表情で見つめてくる目があどけなさすら漂わせる。
「あ、えっと、あの、ひょっとして、こう言うのって普通?」
間接キスとか、あ~んとか、女の子は気にしないものなのだろうかと瞬は思う。
「こういうのって?」
「あ、いや、なんでもない。ところで、大切は話って?」
とにかく天音は気にしてないらしい。それをわざわざ言葉にするのも、なんだか自分がちっちゃく感じて封印する。
『それにしちゃ顔が赤いもんなぁ。全く気にしてないわけではないと思うんだけど』
とにかく天音の本心がどうあれ、こんなのが続いたら瞬のメンタルが持ちそうにない。
『先に大切な話とかいうのを聞いちゃった方が良さそうだ』
さて、なんの話だろうかと思ったら正面から視線を合わせてきた。
「ヘンなことを聞くけど、瞬は男バスの居心地って良いの?」
ドキンとした。
「聞いたわ。瞬はバスケの天才だって。高校でも、きっと名前の残るプレイヤーになったはずだって」
「いや、ほら、オレ、背があんまりないから限界があったさ」
男バスの世界で175の瞬は「チビ」ではある。
「あっちこっちの高校からスカウトされてたんでしょ? 私、バスケットボールのことは知らないけど、ウチのバスケ部が、ぜ~んぜんダメなことくらい知ってるよ?」
天音の言おうとしていることはわかる。もしも、と言う言葉を使うのは空しいが、あの事故さえなければ、強豪私立にスポ選での特待生が約束されていた。学校はよりどりみどり。三年間の学費だけでなく寮費も遠征費も学校が出すと言ってきた学校まである。
インターハイ出場を夢見るどころか、本気で「インターハイ優勝」を目標にした練習をしていたはずだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
作者より
まだまだ、長い物語です
できればお気に入りに入れて
じっくりとお読みください。
ハートマークも押していただけると嬉しいです。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
周りの目もそうだが、瞬自身が驚いてしまう。
「あの、さ、えっと」
「なあに?」
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間接キスとか、あ~んとか、女の子は気にしないものなのだろうかと瞬は思う。
「こういうのって?」
「あ、いや、なんでもない。ところで、大切は話って?」
とにかく天音は気にしてないらしい。それをわざわざ言葉にするのも、なんだか自分がちっちゃく感じて封印する。
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とにかく天音の本心がどうあれ、こんなのが続いたら瞬のメンタルが持ちそうにない。
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さて、なんの話だろうかと思ったら正面から視線を合わせてきた。
「ヘンなことを聞くけど、瞬は男バスの居心地って良いの?」
ドキンとした。
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「いや、ほら、オレ、背があんまりないから限界があったさ」
男バスの世界で175の瞬は「チビ」ではある。
「あっちこっちの高校からスカウトされてたんでしょ? 私、バスケットボールのことは知らないけど、ウチのバスケ部が、ぜ~んぜんダメなことくらい知ってるよ?」
天音の言おうとしていることはわかる。もしも、と言う言葉を使うのは空しいが、あの事故さえなければ、強豪私立にスポ選での特待生が約束されていた。学校はよりどりみどり。三年間の学費だけでなく寮費も遠征費も学校が出すと言ってきた学校まである。
インターハイ出場を夢見るどころか、本気で「インターハイ優勝」を目標にした練習をしていたはずだった。
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作者より
まだまだ、長い物語です
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