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青の宝

仲良くなれたと思いたい

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ァ…敵…ガ…イル

殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺


ロメリア…イガイ…テキ…敵ハ

首を飛ばして、切り刻んで、撃ち抜いて、茹でて、漬けて、炙って、埋めて、溶かして、潰して、削いで、打ち付けて…

グチャグチャ   ニ     シテヤルヨ





















「「………………………」」

シルビアとアレックスは血に染まりながら、無表情で敵を倒していく2人を見ていた。
ロメリアはレイピアで敵を滅多刺しにし、蹴り飛ばし、踏み潰し……
オズワルドは敵を毒で溶かし、炙り、魔法で潰し、切り裂き、撃ち抜き……

「オェェ…」
「ウグッ」

シルビアとアレックスは吐いた。

2人は《青の宝ベニトアイト》の戦闘専門である。その2人が吐いてしまうほどの惨劇を生み出す彼らの心は狂っていた。2人は震えながらロメリアとオズワルドを止める算段を考えていた。

「あ…あと数分で完了よ…ヴッ…」
「やっと…ここの制御を奪え…ウッ……ウグッ……音声は切っても…だ…断末魔が頭に…こべりついて…ァァァ」
「…で…出来た………【転移】!」


その瞬間4人は光に包まれダンジョンから姿を消した。


「はぁはぁ……出られうぁぁぁぁぁぁ!?」
「(殺気)」
「(殺気)」

地上に出て喜んだアレックスにロメリアとオズワルドは虚ろな目で攻撃した。そのスピードは戦闘を専門とするアレックスでも服の端を斬られるレベルで、シルビアは2人を止めるため声をかけた。

「ちょっと2人とも落ち着いて!!私達よ、シルビアとアレックスよ!」

ロメリアとオズワルドは虚ろな目をシルビアに向けた。シルビアはマリルには劣るが精神安定を促すよう、声に魔力を乗せ歌った。
すると、ロメリアとオズワルドの目に光が戻り殺意を消した。アレックスは息を吐いて安心した。それほどまでに2人の殺気は濃厚で、静かな狂気を孕んでいたのだ。

「あれ?なんで…2人が…」
「ここ…外だ……シルビーが転移してくれたってこと?」
「そ…そうよ。【邪】は私とアレクがすぐに倒したんだけど、ダンジョンの主導権を握らないと出れなかったのよ。だから時間がかかったわ、ごめんなさい。」
「いや、シルビーは悪くないよ」
「ねぇ…2人はどうして………あんな闇堕ち?したの…」

ロメリアとオズワルドは顔を見合せ、ニヤリと笑った。

「【邪】はわざわざ私たちをダンジョンから出さずに攻略させようとしてたの。なら何処かでその様子を見たいと思うでしょ?」
「だったら思いっ切りスプラッタ的な光景にして、見たくないって思わせちゃえばいっかーっね!上手く行けばすぐに最下層まで行けるかな~って思ったんだ」
「その割には役に入り切ってたと思うのだけど…」

ロメリアとオズワルドは薄暗く微笑むと

「実は所々記憶ないんだ」
「やっぱ完全に闇堕ちしてたんだ!」
「仕方ないじゃない!無にならないとやってられなかったのよ!」

3人は文句を言いながらシルビアの【転移】で、《隠れ家》に戻った。









ーーーーーーーーー

「あっ!お疲れ様ー!随分時間かかったね?そんな厄介な相手だったの?」

《隠れ家》の食堂に何人かのメンバーが集まっていた。
【聖王】ルキア、【賢聖】シリウス、【聖器】マウロ、【聖獣】カイルは帰ってきた4人を見た。そして4人は今回の事を報告した。

「「ぶっ…あはははははは!!」」

ルキアとカイルは腹を押え笑い転げた。4人は怒る気力もなくぐったりと椅子にもたれかかっていた。

「はー笑った笑った!言ったでしょ?いくら仲良くっても本質はわかんないんだから、一緒に任務に行くことは大切なのよ!まぁ私もロメリアとオズが闇堕ちするなんて知らなかったけどね!」
「ロメリア大丈夫?すっごい疲れてるみたいだけど」
「ありがとうカイル…これは精神的に疲れただけよ。歌を歌ってくれる?」
「いいぜ!」

カイルは【変化】でマリルになると、【癒しの歌】を歌った。すると4人に光の粒が降り注ぎ、目に生気が戻り始めた。

「はぁぁぁ…ありがとうカイル。助かったよ」

アレックスは涙目でカイルにお礼を言った。シルビアも大きく頷きカイルの手を握っていた。2人はロメリアとオズワルドをなんの心構えもなく、高画質音声付きのモニターで見ていた為に、心労が大きかった。
他のメンバーもそんなアレックスとシルビアの姿を見て、からかうのをやめて心配し始めた。


「と…とりあえずお疲れ様!今居ないメンバーが帰ってくるまでお休みをあげるから、次の任務に備えてね!」

「はぁい…。で?次は何処に誰と?」
「それは皆が集まってから説明するよ。……次の戦いは大規模になるだろうからね。」

ロメリアの問にルキアは真剣な顔顔で答えた。

「…全員参加するレベルって事?」
「いや…そういう訳にも行かない。今ティファが探っているが、世界各地で【邪】による異変が起きている。それ故に数人で各件に当たらなくては行けなくなっているんだ。」

ルキアの真剣な顔を見てオズワルドは質問をした。そしてそれをルキアの隣で聞いていたシリウスが答えた。他の3人も真剣な顔で話を聞き、事の深刻さに眉をひそめた。

「なんで【邪】が活発に動いているのかしら?まさか……【邪神】の封印が解けかかっているとか…」
「いや、それはないと思う。封印が溶けたら空が赤く染るはず…【邪神】は太陽を司っていたから、夜は来ないし、赤色が好きだったから空を赤く染めるんだ。」

シルビアの疑問にルキアが答えた。ルキアは苦しそうな顔をして説明した。

「確か…ルキアは神話の時代から生きてるんだよね?【神】だった頃の邪神を知ってるの?」
「うん…あの頃は人と神の住む世界が…近くて…。邪神に堕ちる時に空が赤く染ったんだ。彼女が好きだった赤色に…」

ルキアは今にも泣きそうな顔をして俯いた。他のメンバーはそんなルキアを気遣うように、任務での面白い話などを聞かせ、場を盛り上げたのだった。





ーーーーーーーーー

数日後、任務に出ていた他のメンバーが帰還し、休憩をとった。その後次の任務の説明をするべく、食堂に集まっていた。


「では次の任務の説明を始める。まずはティファ現状報告を頼む」
「はい。今回私達が当たるのは2箇所、アモーロ王国とペディ公国です。
アモーロ王国は国土の大半が砂漠で、深刻な水不足に陥っています。また多数の死者が出ていて……夜になると【死霊アンデッド】が生者を襲っています。
ペディ公国は小国で巨大な魔物の森を有しています。最近その魔物の森に異常な数の魔物が集まっているのです。それにより周辺の民は逃げだし始め、小国ゆえに難民を受け入れる余裕はありません。周辺国家も余力はなく… 
国も対応する力がなく、我々《青の宝ベニトアイト》に秘密裏に援助要請がありました。以上が早急な解決が必要な案件です。」

シリウスから説明を任されたティファーナは資料を片手に、地図を用いって話した。他のメンバーは大きなテーブルを囲み聞いていた。

「ありがとうティファ。それではメンバーを発表する。
まずはアモーロ王国
【聖剣】ダレル、【魔聖】シルビア、【聖者】グラン、【聖女】ロメリア
次にペディ公国
【聖槍】アレックス、【聖樹】オズワルド、【聖歌】マリル、【聖獣】カイル
以上8名が今回の任務を担当するメンバーだ。」
「また…また砂漠地獄…」
「ロメリアどんまい☆」

ロメリアは担当国が砂漠地帯である事に落ち込み、オズワルドは肩を叩いて笑った。2人はダンジョンで砂漠の恐ろしさを知っているため、アモーロ王国は絶対嫌だと思っていたのだ。

「シリウス…私とオズをチェンジ出来ません?「なっ!?」」
「2人は砂漠が苦手だったな…済まないロメリア。オズは木を操ることが出来る、それなら森のあるペディ公国の方が有利だ。」
「おぐぅ……分かりました…」

シリウスのまともな回答にロメリアはうなだれ、オズワルドはニヤリと笑った。

「え…えーとそれじゃあ皆頑張ろう!」

ルキアの一声でメンバーは立ち上がり各自任務の準備に入った。

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