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第二章 破滅の赤

初めての平民街2

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「僕の名前はツヴァイ、君はリーリヤ。商家の子供で幼なじみと社会見学中。姿勢と言葉遣い…は問題ないか。足運びから手の動き表情まで気を付けて。あと会話は出来るだけ避けて、僕が受け答えするから君は人見知りの少女って事で」

「あら、やけに凝ってるわね。まぁ用心するに越したことは無いでしょうし大人しく貴方に従いましょう」

「それは助かりますねオジョーサマ。それじゃあ、はい」

「何よ?」


少女はぶっきらぼうに差し出された手を見て首を傾げた。横に並ぶ少年の手のひらには何かあるわけでもなく少女は不思議そうにその視線を上げ目を瞬かせた。いつもの飄々とした王子様の彼は頬を少し赤らめ目線を逸らしたまま僅かに唇を噛み締め、まるで少年のような表情で地面を睨んでいた。そんな彼の様子を察したのか少女は再び差し出された手の平を見つめ、何とも言えぬ気恥ずかしさで目を逸らしスカートを握った。時間にして僅かな沈黙は当事者にとって永遠といえるほどの間隔であったのか、彼女の様子に羞恥から耐えきれなくなった少年は強引にその手を取り街へと歩みを進めた。


「はっ、ぐれるとダメ…だからさっ」


少女は少年の普段とは違う子供っぽい言い方に驚きその赤く染まっている耳と体温に思わず口元を緩めた。

そうして茶色の髪と瞳の少女と少年は賑やかな街へ吸い込まれたのだった。













私たちがいるこの国はイデアーレ王国という列島国家であり小国だがその歴史は700年を超える島国だ。大小さまざまな島々が集まっており、海を挟んだ隣国との間にはいくつもの小さな島が浮かび交流を持っている。そして年間を通し温暖な気候で豊かな自然と鉱山資源が特徴だ。というのも隣国と呼べる国が一つしかなくその大きさと国力が比べ物にならないためこれと言って誇れるものが少ない。強いて言えば食料自給率とかかしら。

我が国の東側に位置する大国インヴェスティガル帝国は大陸の西側に強大な勢力を保持する軍事国家であり、魔法やその力を誰でも使えるようにした魔法具などその技術力は我が国の何百年も先を言っているとも言われている。そんなお隣さんが何故資源に富んだイデアーレ王国を手に入れないのかといえば建国神話にまで遡る。



昔々イデアーレ王国が国家として機能し始めた頃、当時はまだ各島々に住んでいた先住民族との諍いが目立ち国内が不安定だった。現在も王都がある本土シャロン島は列島の中でも一番大きく人口が多い。そのため次々と近隣の島々を取り込み、各部族から妃を娶り国家を平定させていた。そしてそんな王家に生まれた一人の幼い王子がある日忽然と姿を消した。

王子クルシャエルクは各ある島の中でも一際小さく争いのない平和な島の生まれの母とその母親の一族を惨殺した民族の王の間に生まれた王子の一人だった。王のもとには何人もの妃が侍り王子王女がいたが、その序列は明確に決まっておりクルシャエルクとその母は形見の狭い思いをしていた。特に体が小さく気弱であった彼は他の異母兄弟にいつもイジメられ、日々弱っていく母に心を痛めていた。国家安定を旗印に戦争や略奪ばかりの国王、後宮でいかに自分の地位を絶対なものにするかと争う妃たち、そんな大人たちを見て育った意地悪な異母兄弟。クルシャエルクは常に寂しさとどうしようもない世界に疲れ切っていた。

そんなある日異母兄弟から逃げた先の森、そこで彼は【 神 】に出会った。












コーラルツヴァイイングリッドリーリヤは色鮮やかなタイルが散りばめられ模様を形成している石畳の上を歩いていた。どの家の屋根も貴族の屋敷や王城と変わらぬ赤やオレンジで、外壁は真っ白なキャンパスに色鮮やかな花々が街を華やかに魅せている。歩くとやや汗ばんでしまう日差しが白壁に反射し、その白さをより一層際立たせ彼らの肌を心地よい潮風が撫でていた。


「私生まれて初めて街に降りたけれど…綺麗だわ」

「あー王都かなり気を使っているね。各家庭で魔法具は富裕層くらいじゃないと持てないけど、インフラ整備にはかなり予算を設けてるよ」

「いやそれもそうだけれど街全体が芸術品のように輝いているわ」

「ふーん。僕には海の方が何倍も綺麗だと思うけどね」

「海!貴族街からはよく見えないからワクワクするわね!」

この時リーリヤは初めて見る景色に夢中でツヴァイの表情や繋がっている手が微かに強く握られたことに気が付かなかった。

彼の水色に変えた瞳が暗く闇に蝕まれていたことに







リーリヤとツヴァイは入り組んだ住宅地を抜け比較的開けた広場へと続くメインストリートを歩いていた。露店や屋台が立ち並ぶメインストリートは、城郭都市である王都ラナスティアを南北に隔てる河に沿って両岸に奔っている。王都は人工的に作られた湾に位置し、海とは真逆の位置に山脈が連なりその麓に貴族街・中腹に王城が聳え立ち街を見守っている。平民街との間には木々が茂りそこを切り拓いた道と山から伸びた河が貴族街を繋げいた。またその山脈を利用し湾を囲むように作られた城壁と、大昔の戦争の影響で民家は一部を除き迷路のように入り組んだ通路が特徴である。


「市場ってとても賑やかなのね!コー…ツヴァイ様?は買い物した事あるの?」

「ふはっ!もーさっきから興奮しすぎだって、勿論あるよ。ていうか幼馴染なんだしツヴァイ様は止めてよ。リーリヤのこともリリーって呼ぶし僕のことはツヴァイって呼び捨てにして?初対面から生意気な君がそんな殊勝な態度とられたら寒気と吐き気、頭痛に幻覚、あー高熱も出てきたかもぉ」

「あーもうはいはい分かった分かりました。私がツヴァイを敬うだけで生死を彷徨う程の風邪ひくなんて失礼過ぎないかしら!?ていうか初対面は比較的まともだったわよ、倒れたけど。って!話が脱線しちゃったわ」

「リリーしっかりしてよ~。僕は市場で買い物はしたことあるけどそもそも君は貨幣見たことあるの?」


役に嵌り商家の幼馴染同士というノリで話を続けるツヴァイにリーリヤも同様に接するよう気を引き締めた。



「そりゃもちろんあるわ。家庭教師の先生が計算の問題をするときに見せてくださったの。と言ってもそれ以降硬貨を使う機会がないからってお金は持たせてもらえないわね。でもどうしてツヴァイは買い物をしたことがあるの?」

「いずれ家業を継ぐんだから社会勉強はしとかなきゃだからね。お金は工面しようとすれば出来るんだよ」

「へー。それっておじ様に怒られないバレないの?」


ツヴァイはリーリヤの視線を正確に受け取り彼女だけが理解できる少し悪い笑顔を浮かべ頷いた。リーリヤは困ったように苦笑し「気を付けてね」とだけ伝え、また輝くような笑顔で市場へと目を向けた。笑顔溢れる賑やかな広場へとたどり着きリーリヤはふと感じた疑問を口にした。


「ツヴァイはどうしてこの国が帝国に支配されていないと思う?歴史書で帝国は一度もイデアーレ王国を攻めていないようだけれど」

「この間先生に教わった話だね。たしか『我が国は太陽神に守護されている。故に神の怒りを恐れ帝国は危害を加えられないのだ』だったかな?」

「そうそう。でもそれって資源と豊かな土地を諦める程の根拠がある理由なのかしら?建国神話のクルシャエルクは太陽神と出会ったそうだけれど…それだって荒れていた国内を安定させるための方便だって可能性もあるじゃない。数百年前は帝国の他にも隣国と呼べる国があったようだけれどどれも吸収しる。魔法も技術も時代遅れのこの国を植民地や属国にするわけでもなく、まるで孤立させ唯一の隣国として独占しているみたいなのがとても不思議だわ。まぁこんなこと先生に言えないけど」


リーリヤは市場に並ぶ新鮮な海産物や豊富な種類の野菜や果物に目を向けつつ、足を進めるツヴァイについて回った。ツヴァイもその視線から何が言いたいのか理解したような顔で頷くと、まるで子供が市場を楽しんでいるかのような無邪気な顔をして会話を続けた。


「そりゃまぁ愛し子僕たちがそんなこと言ったら即時お仕置部屋教会洗脳修行のし直しだろうね、怖い怖い。まぁ確かに僕も授業中疑問に思うところもあったけれど…正直帝国がどんなことを考えているのかは僕にも分からないよ。リリーがそう思うくらいには市場を見ていても品揃えの良さや市民の肌艶、衣服や建物の質もいい。でも広大な土地を持つ帝国は資源も土地も豊かだしそんな大国がこの国に魅力を感じるところなんて遠方への中継地点くらいかな?まぁ僕らがいる国が世界の端っこだって言われてるから、この海の先がどうなっているかなんて知らないけど。現時点で国力差が大きいのもあって我が国が帝国には向くこともないし、余程無茶を言われない限り友好的な交流を継続した方が両国とも有益だと考えたんじゃないかな?」

「…事実上属国となっているけれど表向きは対等な交流相手としているってことかしら?大した牙を持っていないから自治を認めてる?でも帝国は周辺の国を吸収してきたのに何故イデアーレにしなかったのかしら。その方がずっと楽でしょう対外的にも。でもそのお陰で王国は自由に自治を続けられる…何を…しても」

「父さんたちの政治商いがやりやすいから帝国にはだね。だからどんな思惑があるのかは分からないけど…イデアーレはあくまでなんだ。大好きな大好きな神様に守られた…ね」


リーリヤは自身の手をひく少年の後姿と遠くに見える海を無感情にただ見つめた。区画を隔てる森に五年遮られた海は雲一つない空の下で、彼女の魔法で空色に変えた瞳に反射する。志を共にした主人は見慣れた赤ではなく光のもとで透け微かに輝いているように感じる茶髪を後ろで三つ編みにし揺らしている。ただリーリヤはその光景が額縁に囲まれた絵画のような、どこか自分から隔絶されたような雰囲気を感じた。

その瞬間リーリヤは繋がっていた手を手を握り絞め振り向いたツヴァイの瞳を勝気なで射抜いた。


「なら私たちもこの国で一番の立派なになれるよう全力を尽くしましょう。目標は大きいけれど私は最後まで貴方の右腕で見方であり続ける。例えどうしようもない理不尽を前にしても傍にいられなくなったとしても、私は貴方を一人では戦わせない」

「………」


ツヴァイは深い赤色に確固たる信念と決意を前に息も忘れ固まった。国を歴史を情勢を知るたびに感じる漠然とした不安と、自身の中で燻る義憤と猜疑心がいつもツヴァイの心の中でせめぎ合い、気付かぬうちに幼い心を凍てつかせていたのだ。常に完璧を求められ王家に抱いた疑問との冷たく孤独な戦いで見つけた光。しかし惹かれる一方でどこまでも捻くれた心が人を信じることを躊躇わせ一人を強要する。

時間にしてほんの僅か。しかしツヴァイにはリーリヤの瞳が放つ熱に浮かされ、その言葉を噛み締めるようにゆっくりと理解した時間は周りの音を全て消し去り時が止まったかのような永遠を思わせた。やがて冷静になったのかリーリヤの魔法が解けかけていた瞳が穏やかな空の色に戻りツヴァイは現実に引き戻される。


「………一人では戦わせない…か」


ツヴァイはそう呟くと繋がっていた手を自らの方へ強くひき、よろめいたリーリヤを抱き締めた。やや自身より背の高い彼女の肩に額をのせ張り詰めた息を吐く。今まで無意識に入っていた余計な力が抜け、暗く重たく感じていた思考が前向きな気分で受け止められるような気がしてくるものだから笑えてしまう。気が抜け余裕が生まれると、路上でいきなり抱き締められた事に慌てている婚約者がどうしても愛おしく感じてしまい、気が付くと彼女の頬に口付けをし自然と笑みを浮かべていた。


「ならのことちゃんと見とけよ、婚約者様?」


どこまでも自分が欲しい言葉を真っ直ぐな瞳で言い放つ唯一無二の少女は、口付けされた頬を繋いでいない方の手で押さえ真っ赤な顔で口をパクパクし放心していた。【認識阻害】の魔法具は最初から認識しているリーリヤには効果はなく、普段と色合いは異なるとはいえ顔面偏差値が飛びぬけているツヴァイからの口付けと屈託のない極上の笑みは確実に幼い少女の心を撃ち抜いていた。境遇から精神年齢が同世代より格段に高いとはいえ恋愛など接することのない生活で育たからか、どこか幼い面を持っていた心にクリティカルヒットした思いは彼女の処理能力のキャパシティーを超えたのだろう。

その後の街歩きは終始熱に浮かされたリーリヤとご機嫌なツヴァイの姿が街に付け込んでいたのだった。
































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主人公より先に恋愛要素担ぎ込んできました。

次回 少年の独白
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