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アヴェントゥリーニス竜王国
ただいま
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その日ロゼリアとクリストファーは国王グラン=アウルム=アヴェントゥリーニスとその側近である【始祖の竜人】らと非公式で謁見した。
「やぁロゼリアとクリストファーだね。君達が無事で本当によかった。特にロゼリア、君のおかげでジルバートの心も救うことができた。あれは私の甥でね、色々と気にかけていたんだ。ありがとう、あの子に笑顔を取り戻してくれて。」
「いえ、私は何も。ジルバートは私と初めて顔を合わせた時から笑顔…蕩けるような笑顔でしたわ。私はあたふたするだけで何も…。」
「私もロゼリアといる時のジルバート殿しか知らないのですが…普段はあの様ではないのですか?」
「まぁな…それについては今後知っていくことになるだろうから、今はいいか。それじゃあここに居るメンバーの紹介といこうか。」
「知っての通り《国王》をやってる【金竜】グラン=アウルム=アヴェントゥリーニスだ。グラン叔父さんって言ってくれると嬉しいな」
「《宰相》を務めている【青竜】ランドルフ=カエルレウスだ。
2人に会えて嬉しい。俺たちはラーヴェ、お前たちの父親の幼馴染だ。何かあったら力になる。気軽に話しかけてくれると嬉しい。」
「《外務大臣》を務めてる【白竜】リラ=アルブムよ。
この中では唯一の女公爵ね。会えて嬉しいわロゼリア、クリストファー。本当にラシェルとラーヴェの子供!って感じね。私達皆貴方たちと歳の近い子供が居るから仲良くしてくれると嬉しいわ。勿論私達のことは親戚だと思ってくれて構わないわよ!ラーヴェは私達の弟なんだから」
「そうですね。僕は《財務大臣》を務めている【緑竜】エルドリック=ウィリディスです。辛い事も多かったと思いますが、これからは自分達の幸せを見つけてください。ここに居る全員が貴方たちの味方ですからね。」
「最後は俺だな!《法務大臣》を務めている【赤竜】ダン=ルーフスだ!言いたい事言われちまったが、要は俺達はお前らの事を家族と思ってる!【始祖の竜人】は皆、家族同様仲良いからな!だから遠慮せず頼ってくれ!」
「「はい。ありがとうございます」」
そうして2人は部屋を後にした。
「…やっぱラシェル姫とラーヴェの子供たちだな…。一瞬俺の執務室が天国に見えた。何あの笑顔ラシェル姫以上なんじゃねぇか…?あの破壊力は…」
「そうね…ラーヴェの色がまた神秘的にして引き立てるから…余計に破壊力をあげるのよね。」
「これはあのジルバート君が心奪われても納得してしまいますね…」
「あぁ。俺この前見ちゃったんだよね。ジルがめっちゃ蕩けるような笑顔でロゼリアにあーんしてるとこ」
「何それもっと詳しく」
執務室では国王とその側近達が楽しそうに談笑していた。
ーーーーーーーーーーーーー
「緊張したね~!あーやっと私達はこの国でお父様と暮らすんだね!楽しみ」
「そうだね。今日からお父様の…僕達の家で暮らすんだね。」
「ふふふ!嬉しいなぁ嬉しいなぁ!」
ロゼリアはクルクルとクリストファーの手を取り回りながら、共に宮中を散歩していた。その様子はまるで花の妖精達が踊っているようで、近くにいたもの達を魅了していく。
ロゼリアはシンプルな紫色のグラデーションをしたワンピースを着ていた。シンプルなデザインでも彼女の魅力を引き出し、ふわりと舞うスカートと綺麗な銀髪が彼女を輝かせる。
「ロゼ嬉しいのは分かるけどお淑やかになるんじゃなかったの?」
「はっ!そうだったわ。」
髪や服を整え、穏やかな笑顔を浮かべたロゼリアはクリストファーと共に父の待つ部屋へと向かった。後に残るのは、顔を赤くした宮中で働く男女数人だった。
そしてそのもの達により、ロゼリアとクリストファーの美しさは国中に広がった。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「さぁ私達の家に帰ろう。」
城から屋敷へは馬車で移動した。城は正六角形の巨大な堀で囲まれ、湖に浮かぶ城の様にも見える。その正六角形の辺の部分に各公爵家の屋敷が、城を囲むように建っている。各公爵家から城へは専用の通路があり、その道を馬車は進んで行った。
「ねぇクリス。王城の近くって言ってたよね?…かれこれ15分は馬車に揺られてる気がするんだけど…。」
「王城って大きいんだね…。あっ堀が見えたよ。」
「お父様毎日この距離を行き来していらっしゃるの?効率悪過ぎませんか…」
「いやいつもは【転移】で城に行くな。側近にはその権利があってこの道を使うのは社交などの公式の時くらいだ。流石に毎日はキツいからな」
「安心しましたわ…。お堀を通り過ぎたはずなのにまた道が続いている気がするのですけど…公爵邸はもう入ってますの?」
「あぁ。堀を通ったすぐそこからが公爵家の敷地だ。あと10分くらいで屋敷に着くな。」
「10分……ロゼ…庭で迷子にならないでね。僕伊達に塔ぐらししてないからさ。精霊は壁をすり抜けられたから何とかなったけど…。」
「クリス…まずこんな大きな庭を有する屋敷が小さいわけないわ。そんな所で迷子にならないわけない。屋敷で迷子確定よ。絶対に離れないで、私…白骨死体で見つかっちゃうわ…。」
「大丈夫だ。ラシェルもよく迷子になっていたからな、2人が屋敷内で【転移】出来るよう登録してある。」
「「流石お父様(父上)!」」
3人が盛り上がっている間に馬車は屋敷に辿り着いた。
2人が囚われていた帝国貴族の屋敷とは規模の違う、城のような屋敷が3人を迎えた。
「おかえりなさいませ。旦那様。お嬢様。若様。」
屋敷中の使用人が3人を出迎える。そのうちの周りより少し歳を重ねた男性と女性が前に出てきた。
「お嬢様、若様。良くぞお戻りになられました。我々一堂心よりお慶び申し上げます。私はこの家の《執事長》トーマ=アネモスでございます。」
「私は《メイド長》カミラ=ヴロンディでございます。旦那様、本当に…おめでとうございます。」
「あぁ。今まで苦労をかけた。さぁ2人とも我が家へ入ろう。」
中に入るとまず巨大なエントランスホールが2人を迎える。天井からはキラキラと輝くシャンデリア。壁には色とりどりの花々が品よく飾られている。ホールの奥、玄関の対角上には巨大な銀竜が座っていて、その両端に階段が伸びホールに降りることが出来るようだ。
「……公爵邸だよね」
「帝国の王城並なんだけど…竜王国凄いね」
ロゼリアとクリストファーは城の塔に幽閉されていた。ロゼリアは戦地へ向かうために塔を出た事があり、帝国の建物の規模位は分かる。クリストファーは精霊を通して自由に行動できたため内装まで把握していた。
2人は圧倒されながら着いて言った。
辿り着いた先はサロンだった。窓から見える中庭には綺麗な花々が咲き乱れていた。ロゼリアとクリストファーがお茶を飲みながら眺めていると、ドアがノックされた。
「入れ」
「失礼します。」
「2人の専属使用人だ。これからは彼らが常に君達の身の回りの世話をする。挨拶を。」
「この度ロゼリア様の侍女となりましたメリル=イスキオスと申します。誠心誠意ロゼリア様に仕えさせて頂きます。」
「同じくクリストファー様の侍従となりましたエリオット=フォティーゾと申します。誠心誠意クリストファー様に仕えさせて頂きます。」
メリルは肩で揃えたオレンジ色髪に空色の瞳。エリオットは茶色の瞳に、長い若草色の髪を後ろでひとつにまとめていた。
「それでは彼らに部屋へ案内してもらいなさい。じっくり見てみたいだろうから夕食の時間まで自由に過ごすといいよ。」
そう言ってラヴェリオは部屋を後にした。
ロゼリアとクリストファーの部屋は隣りで、日当たりが良く、窓からは上級帰属街向きの門がある庭園が見える。庭が広く遠目ではあるが街が見え、ロゼリアは喜んだ。
ロゼリアの部屋は白を基調とした可愛らしく品のある部屋で、家具などに彫られてある薄紫の小さな花をロゼリアは一目見て気に入った。
「お嬢様、お部屋はいかがでしょうか?旦那様から私がお部屋の模様替えを任されたのですが…何か至らないところがあれば、直ぐに取り替えます。」
「まぁ貴方が!不満なんてないわ、私このお部屋すっごく気に入っているもの!とっても可愛いわ、ありがとうメリル。これからもよろしくね。」
ロゼリアは微笑んでメリルの手を両手で包んだ。
メリルは顔を赤らめ頷くばかりだった。
「クリスのお部屋も見てみましょ!」
クリストファーの部屋は家具の木目が美しく精巧な模様が彫られ目をひいた。クリストファーの雰囲気のように落ち着いた印象があり、クリストファーも気に入っていた。
「やぁロゼ。丁度今から呼びに行こうと思っていたんだ。夕食までかなり時間があるし、2人に屋敷を案内して貰いに行かない?」
「いいわね!2人が居るなら迷子にならずに探検出来るわ。」
「やぁロゼリアとクリストファーだね。君達が無事で本当によかった。特にロゼリア、君のおかげでジルバートの心も救うことができた。あれは私の甥でね、色々と気にかけていたんだ。ありがとう、あの子に笑顔を取り戻してくれて。」
「いえ、私は何も。ジルバートは私と初めて顔を合わせた時から笑顔…蕩けるような笑顔でしたわ。私はあたふたするだけで何も…。」
「私もロゼリアといる時のジルバート殿しか知らないのですが…普段はあの様ではないのですか?」
「まぁな…それについては今後知っていくことになるだろうから、今はいいか。それじゃあここに居るメンバーの紹介といこうか。」
「知っての通り《国王》をやってる【金竜】グラン=アウルム=アヴェントゥリーニスだ。グラン叔父さんって言ってくれると嬉しいな」
「《宰相》を務めている【青竜】ランドルフ=カエルレウスだ。
2人に会えて嬉しい。俺たちはラーヴェ、お前たちの父親の幼馴染だ。何かあったら力になる。気軽に話しかけてくれると嬉しい。」
「《外務大臣》を務めてる【白竜】リラ=アルブムよ。
この中では唯一の女公爵ね。会えて嬉しいわロゼリア、クリストファー。本当にラシェルとラーヴェの子供!って感じね。私達皆貴方たちと歳の近い子供が居るから仲良くしてくれると嬉しいわ。勿論私達のことは親戚だと思ってくれて構わないわよ!ラーヴェは私達の弟なんだから」
「そうですね。僕は《財務大臣》を務めている【緑竜】エルドリック=ウィリディスです。辛い事も多かったと思いますが、これからは自分達の幸せを見つけてください。ここに居る全員が貴方たちの味方ですからね。」
「最後は俺だな!《法務大臣》を務めている【赤竜】ダン=ルーフスだ!言いたい事言われちまったが、要は俺達はお前らの事を家族と思ってる!【始祖の竜人】は皆、家族同様仲良いからな!だから遠慮せず頼ってくれ!」
「「はい。ありがとうございます」」
そうして2人は部屋を後にした。
「…やっぱラシェル姫とラーヴェの子供たちだな…。一瞬俺の執務室が天国に見えた。何あの笑顔ラシェル姫以上なんじゃねぇか…?あの破壊力は…」
「そうね…ラーヴェの色がまた神秘的にして引き立てるから…余計に破壊力をあげるのよね。」
「これはあのジルバート君が心奪われても納得してしまいますね…」
「あぁ。俺この前見ちゃったんだよね。ジルがめっちゃ蕩けるような笑顔でロゼリアにあーんしてるとこ」
「何それもっと詳しく」
執務室では国王とその側近達が楽しそうに談笑していた。
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「緊張したね~!あーやっと私達はこの国でお父様と暮らすんだね!楽しみ」
「そうだね。今日からお父様の…僕達の家で暮らすんだね。」
「ふふふ!嬉しいなぁ嬉しいなぁ!」
ロゼリアはクルクルとクリストファーの手を取り回りながら、共に宮中を散歩していた。その様子はまるで花の妖精達が踊っているようで、近くにいたもの達を魅了していく。
ロゼリアはシンプルな紫色のグラデーションをしたワンピースを着ていた。シンプルなデザインでも彼女の魅力を引き出し、ふわりと舞うスカートと綺麗な銀髪が彼女を輝かせる。
「ロゼ嬉しいのは分かるけどお淑やかになるんじゃなかったの?」
「はっ!そうだったわ。」
髪や服を整え、穏やかな笑顔を浮かべたロゼリアはクリストファーと共に父の待つ部屋へと向かった。後に残るのは、顔を赤くした宮中で働く男女数人だった。
そしてそのもの達により、ロゼリアとクリストファーの美しさは国中に広がった。
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「さぁ私達の家に帰ろう。」
城から屋敷へは馬車で移動した。城は正六角形の巨大な堀で囲まれ、湖に浮かぶ城の様にも見える。その正六角形の辺の部分に各公爵家の屋敷が、城を囲むように建っている。各公爵家から城へは専用の通路があり、その道を馬車は進んで行った。
「ねぇクリス。王城の近くって言ってたよね?…かれこれ15分は馬車に揺られてる気がするんだけど…。」
「王城って大きいんだね…。あっ堀が見えたよ。」
「お父様毎日この距離を行き来していらっしゃるの?効率悪過ぎませんか…」
「いやいつもは【転移】で城に行くな。側近にはその権利があってこの道を使うのは社交などの公式の時くらいだ。流石に毎日はキツいからな」
「安心しましたわ…。お堀を通り過ぎたはずなのにまた道が続いている気がするのですけど…公爵邸はもう入ってますの?」
「あぁ。堀を通ったすぐそこからが公爵家の敷地だ。あと10分くらいで屋敷に着くな。」
「10分……ロゼ…庭で迷子にならないでね。僕伊達に塔ぐらししてないからさ。精霊は壁をすり抜けられたから何とかなったけど…。」
「クリス…まずこんな大きな庭を有する屋敷が小さいわけないわ。そんな所で迷子にならないわけない。屋敷で迷子確定よ。絶対に離れないで、私…白骨死体で見つかっちゃうわ…。」
「大丈夫だ。ラシェルもよく迷子になっていたからな、2人が屋敷内で【転移】出来るよう登録してある。」
「「流石お父様(父上)!」」
3人が盛り上がっている間に馬車は屋敷に辿り着いた。
2人が囚われていた帝国貴族の屋敷とは規模の違う、城のような屋敷が3人を迎えた。
「おかえりなさいませ。旦那様。お嬢様。若様。」
屋敷中の使用人が3人を出迎える。そのうちの周りより少し歳を重ねた男性と女性が前に出てきた。
「お嬢様、若様。良くぞお戻りになられました。我々一堂心よりお慶び申し上げます。私はこの家の《執事長》トーマ=アネモスでございます。」
「私は《メイド長》カミラ=ヴロンディでございます。旦那様、本当に…おめでとうございます。」
「あぁ。今まで苦労をかけた。さぁ2人とも我が家へ入ろう。」
中に入るとまず巨大なエントランスホールが2人を迎える。天井からはキラキラと輝くシャンデリア。壁には色とりどりの花々が品よく飾られている。ホールの奥、玄関の対角上には巨大な銀竜が座っていて、その両端に階段が伸びホールに降りることが出来るようだ。
「……公爵邸だよね」
「帝国の王城並なんだけど…竜王国凄いね」
ロゼリアとクリストファーは城の塔に幽閉されていた。ロゼリアは戦地へ向かうために塔を出た事があり、帝国の建物の規模位は分かる。クリストファーは精霊を通して自由に行動できたため内装まで把握していた。
2人は圧倒されながら着いて言った。
辿り着いた先はサロンだった。窓から見える中庭には綺麗な花々が咲き乱れていた。ロゼリアとクリストファーがお茶を飲みながら眺めていると、ドアがノックされた。
「入れ」
「失礼します。」
「2人の専属使用人だ。これからは彼らが常に君達の身の回りの世話をする。挨拶を。」
「この度ロゼリア様の侍女となりましたメリル=イスキオスと申します。誠心誠意ロゼリア様に仕えさせて頂きます。」
「同じくクリストファー様の侍従となりましたエリオット=フォティーゾと申します。誠心誠意クリストファー様に仕えさせて頂きます。」
メリルは肩で揃えたオレンジ色髪に空色の瞳。エリオットは茶色の瞳に、長い若草色の髪を後ろでひとつにまとめていた。
「それでは彼らに部屋へ案内してもらいなさい。じっくり見てみたいだろうから夕食の時間まで自由に過ごすといいよ。」
そう言ってラヴェリオは部屋を後にした。
ロゼリアとクリストファーの部屋は隣りで、日当たりが良く、窓からは上級帰属街向きの門がある庭園が見える。庭が広く遠目ではあるが街が見え、ロゼリアは喜んだ。
ロゼリアの部屋は白を基調とした可愛らしく品のある部屋で、家具などに彫られてある薄紫の小さな花をロゼリアは一目見て気に入った。
「お嬢様、お部屋はいかがでしょうか?旦那様から私がお部屋の模様替えを任されたのですが…何か至らないところがあれば、直ぐに取り替えます。」
「まぁ貴方が!不満なんてないわ、私このお部屋すっごく気に入っているもの!とっても可愛いわ、ありがとうメリル。これからもよろしくね。」
ロゼリアは微笑んでメリルの手を両手で包んだ。
メリルは顔を赤らめ頷くばかりだった。
「クリスのお部屋も見てみましょ!」
クリストファーの部屋は家具の木目が美しく精巧な模様が彫られ目をひいた。クリストファーの雰囲気のように落ち着いた印象があり、クリストファーも気に入っていた。
「やぁロゼ。丁度今から呼びに行こうと思っていたんだ。夕食までかなり時間があるし、2人に屋敷を案内して貰いに行かない?」
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