とあるヒロインと悪役令嬢の顛末

ぷっちょ

文字の大きさ
上 下
4 / 5

4

しおりを挟む



ああ、ほら、ハンカチが酷く濡れてしまってますよ。
古いですが清潔なので、こちらのハンカチを使ってください。

泣きすぎると目が溶けるって、私の故郷では言ってましたよ。

美人が台無しですよ、『メグお義姉ねえ様』



そんなに泣かないでください。
わかりました、もう妃殿下とは呼びませんから。


私に大切なお話があるんですね。

分かりました。落ち着いて、ゆっくり話してください。
涙が止まるまで、ちゃんと待ちます。




ご結婚前の話なのですか?

ーーそういえば、結婚式を挙げられたのは、思ったより遅かったですね。
学園を卒業したら、すぐにご成婚と伺っていましたのに。

ああ……お義姉ねえ様としては、皇太子様が私に心変わりされて、さらに私と離れて元に戻ったからといって、確かにすぐに結婚する気にはなれませんわね。

私のせいですわね…
婚約解消された高位貴族の子息も何人もいらっしゃるとか。


こんな能力ギフト、呪いでしかありませんわね。
誰一人幸せにしない……
私自身が望んで異世界転移したわけではないとしても、あまりにも不用意に人の心に干渉し過ぎました……



義姉ねえ様、はっきり仰ってください。
私は、処刑なり追放なりされるべきです。
覚悟は出来ています。


話が逸れていますか?
あ、本当だ。
義姉ねえ様の結婚前のお話を聞くんでした。
はい、思い込みが激しいのは、私の悪いところだと、以前お義姉ねえ様にも言われましたわね……

では、伺います。





ええっ⁉︎
西のダンジョンに⁉︎
なんて無謀なことをなさるの、お義姉ねえ様‼︎

お怪我は?なんともないのですか?
確かに魔力量は帝国有数なお義姉様ですが…
皇太子殿下と側近の皆様、その奥方様達も協力されたのですか?
死ぬ確率の高いダンジョンなのに、あの皇太子殿下が許可されたのですか…
まあ!心変わりを盾に押し通すなんて、さすがお義姉ねえ様……
でも、どうして……




……まさか、そんな。
西のダンジョンに、古代アーティファクトが?
『ギフトブレイカー』と言うのですか?
それって…





しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

だいたい全部、聖女のせい。

荒瀬ヤヒロ
恋愛
「どうして、こんなことに……」 異世界よりやってきた聖女と出会い、王太子は変わってしまった。 いや、王太子の側近の令息達まで、変わってしまったのだ。 すでに彼らには、婚約者である令嬢達の声も届かない。 これはとある王国に降り立った聖女との出会いで見る影もなく変わってしまった男達に苦しめられる少女達の、嘆きの物語。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

愚者による愚行と愚策の結果……《完結》

アーエル
ファンタジー
その愚者は無知だった。 それが転落の始まり……ではなかった。 本当の愚者は誰だったのか。 誰を相手にしていたのか。 後悔は……してもし足りない。 全13話 ‪☆他社でも公開します

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

愛する貴方の心から消えた私は…

矢野りと
恋愛
愛する夫が事故に巻き込まれ隣国で行方不明となったのは一年以上前のこと。 周りが諦めの言葉を口にしても、私は決して諦めなかった。  …彼は絶対に生きている。 そう信じて待ち続けていると、願いが天に通じたのか奇跡的に彼は戻って来た。 だが彼は妻である私のことを忘れてしまっていた。 「すまない、君を愛せない」 そう言った彼の目からは私に対する愛情はなくなっていて…。 *設定はゆるいです。

人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。

松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。 そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。 しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。

俺の娘、チョロインじゃん!

ちゃんこ
ファンタジー
俺、そこそこイケてる男爵(32) 可愛い俺の娘はヒロイン……あれ? 乙女ゲーム? 悪役令嬢? ざまぁ? 何、この情報……? 男爵令嬢が王太子と婚約なんて、あり得なくね?  アホな俺の娘が高位貴族令息たちと仲良しこよしなんて、あり得なくね? ざまぁされること必至じゃね? でも、学園入学は来年だ。まだ間に合う。そうだ、隣国に移住しよう……問題ないな、うん! 「おのれぇぇ! 公爵令嬢たる我が娘を断罪するとは! 許さぬぞーっ!」 余裕ぶっこいてたら、おヒゲが素敵な公爵(41)が突進してきた! え? え? 公爵もゲーム情報キャッチしたの? ぎゃぁぁぁ! 【ヒロインの父親】vs.【悪役令嬢の父親】の戦いが始まる?

ただの新米騎士なのに、竜王陛下から妃として所望されています

柳葉うら
恋愛
北の砦で新米騎士をしているウェンディの相棒は美しい雄の黒竜のオブシディアン。 領主のアデルバートから譲り受けたその竜はウェンディを主人として認めておらず、背中に乗せてくれない。 しかしある日、砦に現れた刺客からオブシディアンを守ったウェンディは、武器に使われていた毒で生死を彷徨う。 幸にも目覚めたウェンディの前に現れたのは――竜王を名乗る美丈夫だった。 「命をかけ、勇気を振り絞って助けてくれたあなたを妃として迎える」 「お、畏れ多いので結構です!」 「それではあなたの忠実なしもべとして仕えよう」 「もっと重い提案がきた?!」 果たしてウェンディは竜王の求婚を断れるだろうか(※断れません。溺愛されて押されます)。 さくっとお読みいただけますと嬉しいです。

処理中です...