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旅立ちのトキ
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憂鬱だ。ひじょーうに憂鬱だ。
せっかくの誕生日だってのに、なぜ私は王宮に向かわねばいけないのだ。
王宮に向かって足を進める馬車の中で私は悶絶していた。
理由は分かっている。分かりきっている。
「私が勇者だからだよッ!」
「急に大声をだしてどうしたんですか。気でも狂いましたか?」
「もうとっくに狂ってるよ。そんなもん!」
自分事じゃないからって余裕ぶりやがって。従事者のくせに。
「そんなことよりアテナ様。ほら、王宮が見えてきましたよ」
「ねぇシャーレナ。今からでも引き換えそうよ」
「何を言ってるんですか、伝説の勇者がそんな弱音を吐いちゃいけません」
なんでこんな私が、勇者になんて選ばれたのだろう。
そもそも私は戦いを好まない。故に魔法なんて使えるわけもないし、剣もろくに振ったことがない。どちらかというと、家で古代魔法の研究とかやっていたい。
「だって、勇者ってアレでしょ? 王様からろくに資金ももらえずに魔王を倒してこいって言われて、魔族領に放り込まれるやつ」
魔王を倒せなんて言われるなんて、たまったもんじゃあない。言われたらそのまま床に倒れて失神してしまう。
「まぁ心配はいらないですよ。王様もそんなに鬼畜ではないでしょうから」
セクハラ野郎ではあるんだけどね。昔あったときに、勇者の紋章を見るために、服を脱がされそうになったし。
「こんなのがあるから……」
私は自分の胸にある勇者の紋章に目を落とす。
真ん中に剣があり、それを囲うように鳥の翼が左右に広がっている。
どうやら私は生まれたときからこの紋章が胸にあったらしく、勇者になるべき存在だと小さいときから言われてきた。この胸の紋章が消えたことは一度を除いて例外はなく、今後も消えないと思う。
紋章がある代償なのか、私の胸はいっこうに育たない。食べたものの栄養はすべてどこに消えているんだろうか。
身長も平均に届いていないし、よく子どもっぽいと言われる。
もう十六なんですけど。
「さあ、着きましたよ」
シャーレナが馬車の外に出て呼んでいる。
「降りたくない」
「馬鹿言ってないでさっさと行きますよ」
シャーレナに引っ張り出された。
プリザンド王国。この大陸で一番の国土を誇る大国。私の生まれ故郷のマラク村があるヴェルデン共和国の隣に位置する。
プリザンド家の世襲が続いていて、人口も一番多い。王都にはさまざまな種族が集まり、大店街を形成している。
そんな王都のはずれにあるのが、私の目の前に建っている王宮だ。
「なにぼーっと立ってるんですか。行きますよ」
シャーレナに引っ張られて、私は王宮の中に足を踏み入れた。
中は五年ほど前に来たときとあまり変わっていなかった。すれ違う兵士たちと挨拶を交わしていると、あっという間に玉座の間に着いていた。
「おぉー。よく来たな。待っておったぞアテナイト」
あのときと変わらない様子で、プリザンド王が出迎えてくれた。
「ご、ご無沙汰してます」
「さぁ、飲み物を用意しておいた。好きなだけ持っていくといい」
王様の側近がジュースビンの入った箱を持ってくる。
って、ラインナップが子供用のジュースじゃねーかぁ!
もう十六なんですけど。
「さて、アテナイト・ファンダルシアよ。お前が勇者であるということはもう知っておるな?」
急に真面目な顔をしてこっちを見てくる。
「はい」
「そして、この大陸の右半分は魔族領であることも知っているな?」
「はい。八百年前、先代勇者が魔王軍討ち滅ぼしたときに、大陸の左半分を人族領、右半分を魔族領としたんですよね?」
この世界にはイロハギルデ大陸という大きな大陸しか存在しない。その大陸をちょうど真ん中で分断し、人族と魔族が戦争をしないようにしたのだ。
これが先代勇者『つるぎ』の大きな功績のひとつ。
「だが最近、魔王を名乗る奴が現れた。魔王とは、勇者と対になる存在。人間が軽々しく『勇者』を名乗ることのできないように、魔族も簡単に『魔王』の称号を名乗ってはいけない」
この世界の原理。と言えばそれでお終いなんだろうけど、魔王と勇者は必ず同じ時代に生まれてくる。それに善も悪もない。
同じ種続間での争いを無くすために、神様によって作られた存在なんだ。
「それで? まさか、私に魔王を倒せとでも仰るおつもりで?」
「おぉ、さすがはアテナイト。そのつもりだ」
「やだ」
嫌に決まってるでしょーがあああああああああああ。
「そういうと思ってな。ジュースにお菓子もつけておいたぞ」
だからもう子どもじゃないんだってば。
「じゃなくてっ、私は絶対行かないから!」
「おぉ、ついにアテナイトが反抗期に」
「アンタは私の親じゃないでしょうが!」
「お前は覚えてないかもしれんがな、これでも余はお前を寝かしつけたことだってあるんだぞ」
もちろん覚えてませんよ。
「そんなこと聞いたからって行かないもんは行かないもん!」
「おむつを替えたことだってあるぞ。あのころはいろいろ可愛かったなぁ」
「なっ、はぁぁああああああああ⁉」
「肌がすべすべで気持ちよかったぞ。胸は、あまり変わってなさそうだけど」
「変態っ、馬鹿っ、うるさいうるさい! 私の一番気にしてるとこをぉー!」
王様の腕を思いっきり殴ってみるけど、力が入らない。
「一緒にお風呂に入ったこともあるんだぞ。もう親と言ってもいいんじゃないか」
追い打ちをかけてくるな! 王様の一言一言が、私の胸にぐさぐさとぶっ刺さり、血しぶきが舞い上がる。
もう駄目。やめてあげて、私のライフはもうゼロよ。
「シャーレナ、た、助けて」
「何も心配することはありませんよ。思春期の娘が父親を嫌うのと、同じ現象ですから」
ちょっと? なんで王様にフォローいれてんのよ!
そんでちょっと楽しそうな顔をするな。
「シャーレナ⁉ 違うからね?」
「ちなみに私もアテナ様とお風呂に入ったことはありますよ」
いらんいらん。そんな補足は。
「王様、何を言っても私は行きませんよ。戦うの怖いんで」
「勇者がそんなこと言っちゃ駄目だろう。さぁ、行くと言うのだ」
「私は別に勇者になりたくて生まれてきたわけじゃないから。それに、魔王討伐させるなら、私なんかよりそこらの冒険者に頼んだほうがよっぽどいいんじゃ」
第一に戦うのが怖い。第二に魔族も怖い。そして、血が苦手。
ギルドなんか行ったこともないし、スライム一匹さえ倒したことがない。
こんな私にどーしろってのよ!
「そうか。でも魔王討伐はお前にしか頼めないんだ」
「なんで? 王様の人望がないから?」
「違う。さっきも言ったように、魔王と勇者は特別なんだ」
特別? 私と魔王が?
「魔王という存在が辿る到達点は、老衰による死亡か、勇者による殺害。逆もまた然り、勇者も老衰か魔王による殺害でしか死ねない」
「はぁ? そんなの初めて聞いたんですけど!」
「言ってないからな」
もーヤダこの人。そんなの言われたら私が行くしかなくなるじゃん。
「行ってくれるな?」
「嫌です」
「行ってくれるな?」
「はい!」
え? 私の声じゃない。
っておい、シャーレナ!! 勝手に返事してんじゃねーよ。
「どうせ行くことになるんですから、さっさと返事した方が良いじゃないですか。こんな抵抗しても無意味なんですから」
「よくぞ言ってくれた。さすがはシャーレナ。今度褒美をとらせよう」
「はっ? まさかアンタ、あっち側なんじゃ」
「さぁ、行きますよ」
シャーレナが私の腕を引っ張る。
「旅の報告を楽しみにしてるぞ。行ってこい!」
「あ、ちょっ待っ、心の準備が。うーそーでーしょー!」
シャーレナに引っ張られて、私はずるずると玉座の間から引きずり出された。
あと腕痛い。
せっかくの誕生日だってのに、なぜ私は王宮に向かわねばいけないのだ。
王宮に向かって足を進める馬車の中で私は悶絶していた。
理由は分かっている。分かりきっている。
「私が勇者だからだよッ!」
「急に大声をだしてどうしたんですか。気でも狂いましたか?」
「もうとっくに狂ってるよ。そんなもん!」
自分事じゃないからって余裕ぶりやがって。従事者のくせに。
「そんなことよりアテナ様。ほら、王宮が見えてきましたよ」
「ねぇシャーレナ。今からでも引き換えそうよ」
「何を言ってるんですか、伝説の勇者がそんな弱音を吐いちゃいけません」
なんでこんな私が、勇者になんて選ばれたのだろう。
そもそも私は戦いを好まない。故に魔法なんて使えるわけもないし、剣もろくに振ったことがない。どちらかというと、家で古代魔法の研究とかやっていたい。
「だって、勇者ってアレでしょ? 王様からろくに資金ももらえずに魔王を倒してこいって言われて、魔族領に放り込まれるやつ」
魔王を倒せなんて言われるなんて、たまったもんじゃあない。言われたらそのまま床に倒れて失神してしまう。
「まぁ心配はいらないですよ。王様もそんなに鬼畜ではないでしょうから」
セクハラ野郎ではあるんだけどね。昔あったときに、勇者の紋章を見るために、服を脱がされそうになったし。
「こんなのがあるから……」
私は自分の胸にある勇者の紋章に目を落とす。
真ん中に剣があり、それを囲うように鳥の翼が左右に広がっている。
どうやら私は生まれたときからこの紋章が胸にあったらしく、勇者になるべき存在だと小さいときから言われてきた。この胸の紋章が消えたことは一度を除いて例外はなく、今後も消えないと思う。
紋章がある代償なのか、私の胸はいっこうに育たない。食べたものの栄養はすべてどこに消えているんだろうか。
身長も平均に届いていないし、よく子どもっぽいと言われる。
もう十六なんですけど。
「さあ、着きましたよ」
シャーレナが馬車の外に出て呼んでいる。
「降りたくない」
「馬鹿言ってないでさっさと行きますよ」
シャーレナに引っ張り出された。
プリザンド王国。この大陸で一番の国土を誇る大国。私の生まれ故郷のマラク村があるヴェルデン共和国の隣に位置する。
プリザンド家の世襲が続いていて、人口も一番多い。王都にはさまざまな種族が集まり、大店街を形成している。
そんな王都のはずれにあるのが、私の目の前に建っている王宮だ。
「なにぼーっと立ってるんですか。行きますよ」
シャーレナに引っ張られて、私は王宮の中に足を踏み入れた。
中は五年ほど前に来たときとあまり変わっていなかった。すれ違う兵士たちと挨拶を交わしていると、あっという間に玉座の間に着いていた。
「おぉー。よく来たな。待っておったぞアテナイト」
あのときと変わらない様子で、プリザンド王が出迎えてくれた。
「ご、ご無沙汰してます」
「さぁ、飲み物を用意しておいた。好きなだけ持っていくといい」
王様の側近がジュースビンの入った箱を持ってくる。
って、ラインナップが子供用のジュースじゃねーかぁ!
もう十六なんですけど。
「さて、アテナイト・ファンダルシアよ。お前が勇者であるということはもう知っておるな?」
急に真面目な顔をしてこっちを見てくる。
「はい」
「そして、この大陸の右半分は魔族領であることも知っているな?」
「はい。八百年前、先代勇者が魔王軍討ち滅ぼしたときに、大陸の左半分を人族領、右半分を魔族領としたんですよね?」
この世界にはイロハギルデ大陸という大きな大陸しか存在しない。その大陸をちょうど真ん中で分断し、人族と魔族が戦争をしないようにしたのだ。
これが先代勇者『つるぎ』の大きな功績のひとつ。
「だが最近、魔王を名乗る奴が現れた。魔王とは、勇者と対になる存在。人間が軽々しく『勇者』を名乗ることのできないように、魔族も簡単に『魔王』の称号を名乗ってはいけない」
この世界の原理。と言えばそれでお終いなんだろうけど、魔王と勇者は必ず同じ時代に生まれてくる。それに善も悪もない。
同じ種続間での争いを無くすために、神様によって作られた存在なんだ。
「それで? まさか、私に魔王を倒せとでも仰るおつもりで?」
「おぉ、さすがはアテナイト。そのつもりだ」
「やだ」
嫌に決まってるでしょーがあああああああああああ。
「そういうと思ってな。ジュースにお菓子もつけておいたぞ」
だからもう子どもじゃないんだってば。
「じゃなくてっ、私は絶対行かないから!」
「おぉ、ついにアテナイトが反抗期に」
「アンタは私の親じゃないでしょうが!」
「お前は覚えてないかもしれんがな、これでも余はお前を寝かしつけたことだってあるんだぞ」
もちろん覚えてませんよ。
「そんなこと聞いたからって行かないもんは行かないもん!」
「おむつを替えたことだってあるぞ。あのころはいろいろ可愛かったなぁ」
「なっ、はぁぁああああああああ⁉」
「肌がすべすべで気持ちよかったぞ。胸は、あまり変わってなさそうだけど」
「変態っ、馬鹿っ、うるさいうるさい! 私の一番気にしてるとこをぉー!」
王様の腕を思いっきり殴ってみるけど、力が入らない。
「一緒にお風呂に入ったこともあるんだぞ。もう親と言ってもいいんじゃないか」
追い打ちをかけてくるな! 王様の一言一言が、私の胸にぐさぐさとぶっ刺さり、血しぶきが舞い上がる。
もう駄目。やめてあげて、私のライフはもうゼロよ。
「シャーレナ、た、助けて」
「何も心配することはありませんよ。思春期の娘が父親を嫌うのと、同じ現象ですから」
ちょっと? なんで王様にフォローいれてんのよ!
そんでちょっと楽しそうな顔をするな。
「シャーレナ⁉ 違うからね?」
「ちなみに私もアテナ様とお風呂に入ったことはありますよ」
いらんいらん。そんな補足は。
「王様、何を言っても私は行きませんよ。戦うの怖いんで」
「勇者がそんなこと言っちゃ駄目だろう。さぁ、行くと言うのだ」
「私は別に勇者になりたくて生まれてきたわけじゃないから。それに、魔王討伐させるなら、私なんかよりそこらの冒険者に頼んだほうがよっぽどいいんじゃ」
第一に戦うのが怖い。第二に魔族も怖い。そして、血が苦手。
ギルドなんか行ったこともないし、スライム一匹さえ倒したことがない。
こんな私にどーしろってのよ!
「そうか。でも魔王討伐はお前にしか頼めないんだ」
「なんで? 王様の人望がないから?」
「違う。さっきも言ったように、魔王と勇者は特別なんだ」
特別? 私と魔王が?
「魔王という存在が辿る到達点は、老衰による死亡か、勇者による殺害。逆もまた然り、勇者も老衰か魔王による殺害でしか死ねない」
「はぁ? そんなの初めて聞いたんですけど!」
「言ってないからな」
もーヤダこの人。そんなの言われたら私が行くしかなくなるじゃん。
「行ってくれるな?」
「嫌です」
「行ってくれるな?」
「はい!」
え? 私の声じゃない。
っておい、シャーレナ!! 勝手に返事してんじゃねーよ。
「どうせ行くことになるんですから、さっさと返事した方が良いじゃないですか。こんな抵抗しても無意味なんですから」
「よくぞ言ってくれた。さすがはシャーレナ。今度褒美をとらせよう」
「はっ? まさかアンタ、あっち側なんじゃ」
「さぁ、行きますよ」
シャーレナが私の腕を引っ張る。
「旅の報告を楽しみにしてるぞ。行ってこい!」
「あ、ちょっ待っ、心の準備が。うーそーでーしょー!」
シャーレナに引っ張られて、私はずるずると玉座の間から引きずり出された。
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