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第一章
新ダンジョン探索-15-
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それにしてもキャシーさんの態度はやはりだいぶ馴れ馴れしい気がする。
お国柄……というよりは本人の性格によるところが大きいのだろう。
クラーク氏も、マスダ氏もこんな感じではなかったしな。
俺が生返事を返すと、キャシーさんは興味をなくしたのか、顔をぷいっと明後日の方向に向けて、今度は別の隊員に話しかけている。
そうこうしている内に、ヘリはあっという間に目的の基地に到着したようで、降下をはじめる。
ヘリから降りると、すぐ近くの滑走路には輸送機が止まっていた。
エンジンは既に起動しているようで、いつでも離陸できる状態に見えた。
綾音さんと隊員たちは、着陸すると、すぐに自身の荷物をヘリから輸送機へと運んでいく。
もとより他の隊員たちは、必要最低限の荷物しか携帯していないようで、彼らの積荷の入れ替え作業はものの10分もしない内に完了した。
作業が完了したことを確認すると、綾音さんの合図とともに、乗り換えた輸送機はすぐに離陸の途に就く。
機内では隊員たちも綾音さんもこれからの任務に備えるためなのか、みな目を閉じて、集中し、無言のままだった。
一方のキャシーさんは、離陸直後は先ほどと同じように誰かれかまわず隊員たちに話しかけていたが、やがてそれもあきたのか……それとも隊員たちの迷惑そうな顔にさすがに気づいたのか……いずれにせよキャシーさんも静かになった。
機内には、機械音だけが鳴っていた。
これからのダンジョン探索のことを考えようと思っていたが、その単調な音のためか妙に眠気が襲ってきた。
これから探索をするのだし、考えるよりも仮眠を取るのも悪くはないかと、俺はそう低きに流れることを選択し、目を閉じることにした。
体が……いや機内が揺れて、はっと目を空ける。
耳には、先ほどの単調な音から小刻みに大きな音が聞こえている。
「着いたぞ」
綾音さんの声がその大きな音に混じって聞こえた。
どうやら小一時間ほど仮眠をしていたようだ。
輸送機が着陸するとすぐに、ハッチが開けられて、100メートルほど先に迷彩色の軍用車が三台ほど止まっていた。
その三台に隊員たちが別れて、それぞれ乗り込む。
俺がどの車に乗り込もうかと思案していると、「こっちだ」と綾音さんに言われて、キャシーさんと一緒に真ん中の車に乗る。
先ほどもそうだったが、綾音さんは特に隊員たちに指示を出している素振りは見えないし、隊員たちも声を掛け合っている様子はない。
もしかしたら、事前に綿密に取り決めていたのかもしれないが、それにしては随分と用意周到というか全く無駄な動きがない。
まるで隊員たち全員が一つの意思で動いているかのようだ。
これが綾音さんが言っていた「つなぐ」能力なのだろうか。
俺は走り出した車両の中で、昔対峙した魔族たちを思い出していた。
そう言えば奴らもそういうスキルを使っていたな。
一人ひとりの力は強大という訳ではなかったが、一人のリーダーの元に連携されて、随分と倒すのに骨が折れた。
もっとも、リーダーの魔族を殺してしまったあとは、その後の残った者たちを倒すのはだいぶ楽だったが……。
俺の脳裏には、先ほど綾音さんと隊員たちが和気あいあいと話している姿が浮かんだ。
あの時は全く考えもしなかった……いや考えることを拒んでいたのか……が、あの魔族たちにもそうした絆があったのだろうか。
俺は脳裏に浮かんだ記憶を消そうと、外の景色に目を向ける。
外の景色を見るとあたりは何もない平原のように見えた。
まだ夏の日差しがわずかに残る季節だからなのか、薄着にもかかわらずだいぶ温かい。
こうして日光に照らされていると、どうにも牧歌的なムードが漂っている。
気分を変えることはできたが、海が近くにあるように思えない。
ここから港まではだいぶ遠いのだろうか。
そんなことを思っていたのだが、車が走り出してから数分も立たない内に、まわりには住居が林立し、潮の香りが鼻をくすぐる。
と、視界には一面の海が広がる。
寝ていたために気づいていなかったが、どうやら俺等が着陸した基地はだいぶ港から近い場所にあったようだ。
お国柄……というよりは本人の性格によるところが大きいのだろう。
クラーク氏も、マスダ氏もこんな感じではなかったしな。
俺が生返事を返すと、キャシーさんは興味をなくしたのか、顔をぷいっと明後日の方向に向けて、今度は別の隊員に話しかけている。
そうこうしている内に、ヘリはあっという間に目的の基地に到着したようで、降下をはじめる。
ヘリから降りると、すぐ近くの滑走路には輸送機が止まっていた。
エンジンは既に起動しているようで、いつでも離陸できる状態に見えた。
綾音さんと隊員たちは、着陸すると、すぐに自身の荷物をヘリから輸送機へと運んでいく。
もとより他の隊員たちは、必要最低限の荷物しか携帯していないようで、彼らの積荷の入れ替え作業はものの10分もしない内に完了した。
作業が完了したことを確認すると、綾音さんの合図とともに、乗り換えた輸送機はすぐに離陸の途に就く。
機内では隊員たちも綾音さんもこれからの任務に備えるためなのか、みな目を閉じて、集中し、無言のままだった。
一方のキャシーさんは、離陸直後は先ほどと同じように誰かれかまわず隊員たちに話しかけていたが、やがてそれもあきたのか……それとも隊員たちの迷惑そうな顔にさすがに気づいたのか……いずれにせよキャシーさんも静かになった。
機内には、機械音だけが鳴っていた。
これからのダンジョン探索のことを考えようと思っていたが、その単調な音のためか妙に眠気が襲ってきた。
これから探索をするのだし、考えるよりも仮眠を取るのも悪くはないかと、俺はそう低きに流れることを選択し、目を閉じることにした。
体が……いや機内が揺れて、はっと目を空ける。
耳には、先ほどの単調な音から小刻みに大きな音が聞こえている。
「着いたぞ」
綾音さんの声がその大きな音に混じって聞こえた。
どうやら小一時間ほど仮眠をしていたようだ。
輸送機が着陸するとすぐに、ハッチが開けられて、100メートルほど先に迷彩色の軍用車が三台ほど止まっていた。
その三台に隊員たちが別れて、それぞれ乗り込む。
俺がどの車に乗り込もうかと思案していると、「こっちだ」と綾音さんに言われて、キャシーさんと一緒に真ん中の車に乗る。
先ほどもそうだったが、綾音さんは特に隊員たちに指示を出している素振りは見えないし、隊員たちも声を掛け合っている様子はない。
もしかしたら、事前に綿密に取り決めていたのかもしれないが、それにしては随分と用意周到というか全く無駄な動きがない。
まるで隊員たち全員が一つの意思で動いているかのようだ。
これが綾音さんが言っていた「つなぐ」能力なのだろうか。
俺は走り出した車両の中で、昔対峙した魔族たちを思い出していた。
そう言えば奴らもそういうスキルを使っていたな。
一人ひとりの力は強大という訳ではなかったが、一人のリーダーの元に連携されて、随分と倒すのに骨が折れた。
もっとも、リーダーの魔族を殺してしまったあとは、その後の残った者たちを倒すのはだいぶ楽だったが……。
俺の脳裏には、先ほど綾音さんと隊員たちが和気あいあいと話している姿が浮かんだ。
あの時は全く考えもしなかった……いや考えることを拒んでいたのか……が、あの魔族たちにもそうした絆があったのだろうか。
俺は脳裏に浮かんだ記憶を消そうと、外の景色に目を向ける。
外の景色を見るとあたりは何もない平原のように見えた。
まだ夏の日差しがわずかに残る季節だからなのか、薄着にもかかわらずだいぶ温かい。
こうして日光に照らされていると、どうにも牧歌的なムードが漂っている。
気分を変えることはできたが、海が近くにあるように思えない。
ここから港まではだいぶ遠いのだろうか。
そんなことを思っていたのだが、車が走り出してから数分も立たない内に、まわりには住居が林立し、潮の香りが鼻をくすぐる。
と、視界には一面の海が広がる。
寝ていたために気づいていなかったが、どうやら俺等が着陸した基地はだいぶ港から近い場所にあったようだ。
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