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第一章
新ダンジョン探索-09-
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何事かと思い、まずメッセージを開くと、それは麻耶さんからのものだった。
『駐屯地にはちゃんと着いたのかしら』
『綾音には会えたのかしら』
『米国の同行者には気を許してはダメよ。あくまで彼女は、他国の人間なのだから』
『食事はしっかりと取りなさい。いくらあなたでも体調が悪ければ足元をすくわれるわよ。ちなみに参考程度にわたしが現役時代に取っていた食事を送るわ——以下略』
そういったとりとめのないメッセージが無数にきていたのだが、だんだんと長文になっていき、最後のメッセージは画面いっぱいを占めるほどの文量になっていた。
『二見、別にわたしとあなたは何の関係もないのだけれど、心配している女からのメッセージには返事くらい返すのが男としての責務じゃないのかしら。だいたい今の男は——以下略。わたしが若かった時は男は——以下略』
内容を一読すると、ようはどうやらいつまでも返信をしない俺への麻耶さんからの説教のようなものであった。
しかし……返信しろと言われても、俺はそもそも麻耶さんと連絡先を交換していないし、あくまで一方的に麻耶さんがメッセージを送り付けているだけではないだろうか。
内容も返信を求めるような内容ではない気がするしな……。
俺はそんなわだかまりを覚えたが、麻耶さんは単に俺のことを心配してくれているだけで悪意がある訳ではない。
それに、せっかく麻耶さんとの関係が改善したのに、また嫌われても色々と困る。
そう思った俺は、とりあえず簡単なメッセージを返すことにした。
『ご心配かけて申し訳ありません』
と、俺がそうタップして、画面を閉じようとした瞬間に、ものすごい速さで麻耶さんからメッセージ……前に匹敵するほどの長文……が返ってきた。
『わかってもらえればいいのよ。ところで、あなた何か食べ物の好き嫌いはあるのかしら。もしよかったら、わたしが食事バランスを考慮した弁当を作ってあげてもいいわよ。もちろんわたしも忙しいから毎日という訳にはいかないけれど、これでもわたしは昔は——以下略』
俺はそのメッセージを一瞬だけ見て、反射的にアプリを閉じる。
麻耶さんには申し訳ないが、なんとなくこのまま続けているといつまで経っても終わらなそうな気配がした。
俺には先立ってまずは新ダンジョン探索の準備のために綾音さんと話しをしないといけない。
いやそれよりもまずはこの着信を確認しないとな。
いずれも登録外の……そもそも登録しているのは麻耶さんだけだが……見知らぬ番号であるが、2つの番号から来ていた。
ほとんど数分置きに連絡があり、わずか半日で大量の着信数が残っている。
その様子に俺は並々ならぬ執念のようなものを感じてしまい、思わず背筋が寒くなってしまった。
と、いつの間にか背後にいた美月さんから突然、
「……二見さん、ですから男としてちゃんと責任を持って、お二人に連絡してくださいよ」
と、ボソリと言われる。
「うわっ! え……じゃあ……この番号は——」
「はい、もちろん花蓮さんと鈴羽さんですよ」
と、美月さんはニッコリと微笑むと、自分のスマホに登録されている二人の電話番号を俺に見せる。
確かにその番号は俺のスマホの着信番号と一致していた。
俺はゴクリと唾を飲み込んで、覚悟を決めて花蓮さんと鈴羽さんに電話をすることにした。
電話はコール音が聞こえる間もなく繋がった。
「敬三様! 新ダンジョンの探索——」、「ご主人様! 美月から聞きましたが——」
と二人とも一緒に行動しているのか、声がほぼ同時に聞こえた。
俺はその瞬間に、二人の話しを遮る形で一方的に新ダンジョンの探索に赴くことと、心配は無用である旨を伝えて、そのまま電話を切った。
お二人には大変申し訳なかったのだが、二人とこのまま話すと色々ととんでもなく疲れそうな確信に近い予感がしたのだ。
『駐屯地にはちゃんと着いたのかしら』
『綾音には会えたのかしら』
『米国の同行者には気を許してはダメよ。あくまで彼女は、他国の人間なのだから』
『食事はしっかりと取りなさい。いくらあなたでも体調が悪ければ足元をすくわれるわよ。ちなみに参考程度にわたしが現役時代に取っていた食事を送るわ——以下略』
そういったとりとめのないメッセージが無数にきていたのだが、だんだんと長文になっていき、最後のメッセージは画面いっぱいを占めるほどの文量になっていた。
『二見、別にわたしとあなたは何の関係もないのだけれど、心配している女からのメッセージには返事くらい返すのが男としての責務じゃないのかしら。だいたい今の男は——以下略。わたしが若かった時は男は——以下略』
内容を一読すると、ようはどうやらいつまでも返信をしない俺への麻耶さんからの説教のようなものであった。
しかし……返信しろと言われても、俺はそもそも麻耶さんと連絡先を交換していないし、あくまで一方的に麻耶さんがメッセージを送り付けているだけではないだろうか。
内容も返信を求めるような内容ではない気がするしな……。
俺はそんなわだかまりを覚えたが、麻耶さんは単に俺のことを心配してくれているだけで悪意がある訳ではない。
それに、せっかく麻耶さんとの関係が改善したのに、また嫌われても色々と困る。
そう思った俺は、とりあえず簡単なメッセージを返すことにした。
『ご心配かけて申し訳ありません』
と、俺がそうタップして、画面を閉じようとした瞬間に、ものすごい速さで麻耶さんからメッセージ……前に匹敵するほどの長文……が返ってきた。
『わかってもらえればいいのよ。ところで、あなた何か食べ物の好き嫌いはあるのかしら。もしよかったら、わたしが食事バランスを考慮した弁当を作ってあげてもいいわよ。もちろんわたしも忙しいから毎日という訳にはいかないけれど、これでもわたしは昔は——以下略』
俺はそのメッセージを一瞬だけ見て、反射的にアプリを閉じる。
麻耶さんには申し訳ないが、なんとなくこのまま続けているといつまで経っても終わらなそうな気配がした。
俺には先立ってまずは新ダンジョン探索の準備のために綾音さんと話しをしないといけない。
いやそれよりもまずはこの着信を確認しないとな。
いずれも登録外の……そもそも登録しているのは麻耶さんだけだが……見知らぬ番号であるが、2つの番号から来ていた。
ほとんど数分置きに連絡があり、わずか半日で大量の着信数が残っている。
その様子に俺は並々ならぬ執念のようなものを感じてしまい、思わず背筋が寒くなってしまった。
と、いつの間にか背後にいた美月さんから突然、
「……二見さん、ですから男としてちゃんと責任を持って、お二人に連絡してくださいよ」
と、ボソリと言われる。
「うわっ! え……じゃあ……この番号は——」
「はい、もちろん花蓮さんと鈴羽さんですよ」
と、美月さんはニッコリと微笑むと、自分のスマホに登録されている二人の電話番号を俺に見せる。
確かにその番号は俺のスマホの着信番号と一致していた。
俺はゴクリと唾を飲み込んで、覚悟を決めて花蓮さんと鈴羽さんに電話をすることにした。
電話はコール音が聞こえる間もなく繋がった。
「敬三様! 新ダンジョンの探索——」、「ご主人様! 美月から聞きましたが——」
と二人とも一緒に行動しているのか、声がほぼ同時に聞こえた。
俺はその瞬間に、二人の話しを遮る形で一方的に新ダンジョンの探索に赴くことと、心配は無用である旨を伝えて、そのまま電話を切った。
お二人には大変申し訳なかったのだが、二人とこのまま話すと色々ととんでもなく疲れそうな確信に近い予感がしたのだ。
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