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観光という名のデートへ
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連れていく方法を考え出したソラ達は、魔物を狩りつつレベル上げをし、別れ際にセシルの家に皆集まる事になり、ソラはギルドへ、他の皆は一度自分の家に帰ることにした。
ギルドについたソラは、手に入れた素材を売るため受付へと足を運んだ。
「あ、ソラ様にウミ様!こんばんは!あの後は大丈夫でしたか?」
マリが受付をしており、ソラのことに気付くと、先日について行ったセガルという貴族様に何かされていないか不安で聞いてくる。
どうやらマリは貴族は怖くて酷い存在と思っているふしがあるようだ。
だが、実際酷いことは一切されておらずむしろ良くして貰った為、マリには微笑んで何もされていないことを伝える。
「何もされてないよ?むしろ一人の生命と、その家族の心を守れて得をした気分だよ♪」
するとホッと息を漏らし、ソラの格好に気が付く。
ソラは今先日までとは違い、学園の制服を着ているため、その事に気付いたのであろう。
「その格好…ソラ様は学園に通われていたのですね?」
「ん?あぁ!今日通い出したんだ♪どう?カッコイイでしょ?」
ソラはくるりと回って見せるが、マリは可愛いとしか感じていない……それに気が付いたソラは悲しい顔をした。
「あぁ!ソラ様はカッコイイですよ!あれほどの強さをお持ちで、その力で人を助けるなんてかっこいい他ありません!」
「そう?」
悲しい顔をしつつマリに聞く……すると
「ん……ソラは可愛い…………」
横から話に参加したウミにトドメを刺されてしまい、がくっと涙を流した。
「そ、それより!本日もドロップ品の売却でしょうか!?」
話題を変えようと、売却用のトレーを取り出しながらいうマリ、今回は前回と同じ様に慌てないように、トレーを三つ用意していた。
「うん、ちょっと待ってて……」
ソラは落ち込みながらトレーに魔物を出していく。
今回はあの時の熊のドロップ品の毛皮と、その他弱い魔物のドロップ品約70個だ。
熊のドロップ品は毛皮だけではなく水色とピンクの結晶も一つずつ落ちていたが、それは武器を作るのに持っておこうと出さない。
「この毛皮って、ラブベアの毛皮じゃないですか!?それに覚醒後の状態が2匹も!?」
マリがピンクと水色の毛皮を見て驚く。
話によると、この熊はラブベアと呼ばれていて恋をすると色が変わるという……男に恋すると水色に、女に恋するとピンクになる魔物らしく、ピンクだから雌ではなくその逆の雄なのである。
そしてこの熊は恋をすると途端に物凄く強くなる。
「へぇ、恋すると強くなるんだぁ……なんかロマンチック的だけど、その相手を攻撃しちゃダメでしょ…」
あの熊は勿論ウミとソラに恋をしていて、その相手を攻撃していたのだ。
「それが…ラブベアは恋した相手をずっとそばにいさせるために殺して近くに置くという本能があるみたいですよ………持っている力がもったいない気がしますよね……」
「ん………確かにもったいない……」
マリが悲しい声でいい、ウミが頷いた。
そこでマリは気が付く。
「あれ?ウミ様こんなに喋りましたっけ?」
「あー、多分成長したんだよ。」
マリとソラが互いにだけ聞こえる声で言う。
するとウミちゃんがこれ以上はあまり増やさないで……という目でこちらを見てくるので、笑いながらウミちゃんを撫でた。
「それでは金額を数えてきますね、少々お待ちください」
マリがトレーを三回行き来して奥に持っていく。
その間他の人たちにジロジロと見られていたが、別に悪いふうに見られている訳でなく、実力に驚いての事だった。
「ねぇねぇ、そこのお二人さん!俺のパーティーに入らないか?」
など、色々さそわれるが、全てに断りを入れる。
しばらくするとマリが名前を呼んでお金を持ってくる。
「こちらが今回のお金のなります!今後ともご利用お願い致しますね!」
頭を下げるマリにあ別れを言ってギルドを出ると、セシル達が待っているであろうと、寄り道をせず急いで向かった。
「お待ちしておりましたソラ様」
執事のセバスが扉を開けて出迎える。
他の皆は全員集まっていて、待っているようだ。
「皆様、ソラ様がいらっしゃいました」
食事場に着いたセバスは、扉をノックして入った。
食事は既に用意され、皆が席に座っている。
「おぉ、待っておったぞソラよ、この度は娘を貰ってくれたそうで嬉しく思う。そなたならセシルを幸せにしてくれるであろう、どうか私の分まで娘を可愛がってくれ」
奥に座っていたセガルが真剣な顔でそう言った。
その隣にいるセシルは父が言った言葉に照れながら怒っている。
「セガルさん、ありがとうございます…セシルは責任を持って愛させてもらいます!ですが……」
ソラはセシルの他にも付き合っている人物を言おうとする。
「いい、既に知っている。ここにいる娘達が全員ソナタの恋仲というのはな、だがそれでもいい……実はな、私も婚約者は一人ではないのだ」
「そうでございますソラ様、この世は一夫多妻制です故、誰も責める事は無いのでございます」
セガルの言葉に付け足すセバスに、ソラは申し訳なさを残しつつ、安心をした。
「ねーねー!早く食べよーよー!」
「ん………お腹空いた……」
待ちきれなくなった二人に微笑んで席に座ると皆がワイングラスを持ってこちらを見てくる。
「…えっと?みんなの幸せを願って、乾杯?!」
(これでいいのかな?)
「乾杯!!!」
と、皆が揃えて上に持ち上げた。
その夜、皆はセシルの家に泊まる事にもなり、ソラとウミはお風呂に入り、部屋でゆっくりとしていた。
「うわぁ、ふかふかだねぇ♪」
「ん……気持ちいい……」
広いベッドに横になり、二人でアイテム作成で作りたい武器などを探している、今日の朝手に入った結晶で作れる武器はどうやらラブベアの性質と同じで、好きな人を思うとその分強くなる武器を作れる様で、色は水色とピンクそのままだ。
「やっぱり短剣が一番かなぁ……でも短剣だと相手が速い時リーチがないと当たらないからなぁ……」
「私は杖がいい…」
「杖かぁ……えっと…」
ラブベアの結晶を使った杖の欄を見ると、全体が結晶になっていて物理も強くなるタイプと木製になっていて一部に結晶が埋め込まれ、魔力を増大するタイプがあるようだ。
「…魔力増大♪」
ウミちゃんは楽しそうに可愛くそう言った。
(僕はどうしよっかなぁ……よっし!今度色々と武器を揃えて使ってみよっと!)
トントン
「あ、はーい!」
部屋の扉がノックされ、反応するとゆっくりと扉が開いた。
「失礼します」
「失礼するわね」
「しっつれーい♪」
と、ソラの恋人三人が入ってくる。
「あ、皆!今日僕の世界に来てみるの?」
「えぇ、だめ?」
口調が違うが、聞いてきたのはアリーだ。
上目遣いで言うアリーに可愛さを感じながらソラは答える。
「ううん、全然大丈夫だよ♪それじゃあ寝る時間まで向こうにいる時の気をつけることを伝えとこっか!」
「はい!お願いします!」
「まず最初に、向こうの移動手段に使われる物に、バス、電車って乗り物があってね、乗る時に乗車券っていう切符を買ってから乗るんだよ」
「わかったよー!」
「それと、道路って道があってね、そこは車って言う、いわゆる機械で走る馬車みたいな乗り物優先な道で、危ないから渡る時は、白い線が引かれてる外側の道を通るんだ、まぁ、これらは実際にやらないとわからないと思うから、分かるまでは勝手に移動しないでね?」
説明していく中、いつの間にか寝てしまっていたサナがいたので他のみんなも寝ることになる。
「それじゃあ寝ましょ、ソラは私の隣でお願いね♪」
そう言って隣に寝転ぶアリー、それに皆が講義して、キャーキャーとみんなで叫び合う。
「皆喧嘩しないでよ!今日は僕が決めるから我慢して!」
すると皆がソラに決めてもらうために今度はソラ講義してくる。
「じゃあ~、いつもウミちゃんとは隣だからウミは除外ね♪てことで!セシルとアリーが隣ってことで!」
「やった♪」
喜ぶ二人に、悲しむ一人、眠る一人を無視してベッドに寝転ぶと、三人も寝転んだ。
横をみてアリーに向かって話をする。
「アリーは普通の口調に戻ってるけど、僕の事だけを考えてるってことだよね~?アリーは僕の、いや僕と何をする事を想像してたの~?」
「し、知らない!!」
「アリー様♪隠さないで言った方がいいんじゃないですか?もしかしたらしてくれるかも知れませんよ?」
セシルがアリーをからかうように言う、すると妄想に入るアリーに面白がって皆がアリーをからかい始めた。
「そーだよー?もしかしたらやって上げちゃうかもよー?」
なるべく言いたくなるようにアリーに言う。
「ん…………言わないなら私がソラとイチャイチャする……どいて……」
そう言ってウミはアリーを力任せにどかそうとする。
するとアリーは、絶対にソラの隣がいいのか大声で分かったわよ!と叫んだ。
「わ、私は!」
「私は?」
アリーの言葉にリピートするように言う。
「ソラと!」
「僕と?」
一言話す毎に顔を赤くするアリーにニヨニヨと微笑む皆、だが目をつぶっていてアリーは見えていない。
「え、えっ………する………考えてました!」
「え?最初ら辺が聞き取れなかったよ?もう1度、みんなに聞こえる声で言ってみよっか♪」
満面な笑みでそう虐めると、アリーは身体をゾクゾクっ!と震わした。
「私は!!!」
その後、アリーの言葉を聞いた後、更にからかって、あまりの恥ずかしさに気絶してしまったアリーに続いて皆は眠った。
「…お兄様ぁ………朝ですよ~……ウミ様もいるんですか~?」
小さな声で扉を開けて入ってくる奏美はのっそりと音を立てずにベッドに近づき、毛布を覗いてソラとウミの顔を見ようとした。
「え?」
その目に移ったものは、女四人に抱きつかれた愛しのお兄様でした。
「うぅん……みんなー起きてー…」
目を擦りながら身体を起きあげるソラは皆の身体を揺らして起こした。
「奏美ちゃんも、なんで固まっているのかは分かるけど起きてねぇ………ふぅわぁぁ……」
身体を伸ばして大きな欠伸をすると、他のみんな(サナ以外)が顔を赤めながらいそいそと髪の毛の手入れをし始める。
「あ、ちょっと待ってて…くし持ってくるよ…」
クシを四つ持ってきて、皆渡す。
「これ凄いですね!すぐに髪が整います!」
「えぇ、そうね!これ貰ってよろしいでしょうかソラ様!」
丁寧口調になったアリーに半寝状態でいいよと答え、水魔法で顔を洗った。
「よーし!おはようみんな!とりあえずここだと僕の家族が驚いちゃうからウミちゃんの家にいこっか!」
と、完全に目を覚ましたソラは皆を連れて昨日作ったウミちゃんの家へと移動した。
「こちらは………お兄様…もしかしてハーレムというものでしょうか…?」
有り得ないものを見る様子でこちらを見てくる奏美。
「ちょっと僕がヘマしちゃってね…皆を幸せにすることになったんだ…」
テヘペロしながら言うと、奏美はため息を吐いて自宅へと帰ってしまった。
「あー、奏美ちゃんには悪いことしちゃったな……まぁ、気を取り直して今日は学校休みだしでかけよっか!」
「デートですね!」
「どこに行くのでしょうか?」
アリーが聞いてくる、するとソラはスマホを取り出して画像を見せた。
「ここ!」
見せた画像には、近くにある遊ぶ所もあるショッピングモールで、みた皆は服や食べ物に歓喜の声を上げる。
「ねーねー、これ美味しそー」
スマホを奪い取ってサナが指を指してそういう、覗き込むように見ると、そこにはケーキなどが映されていた。
「ケーキかぁ!これ甘くて美味しんだよ♪おやつの時間になったら食べに行こーね!」
「ケーキですか?」
楽しげに皆に提案するが、セシルとアリーはケーキを知っているような反応をする、それは美味しいものを食べれるという期待した顔ではなく、その逆の反応だった。
「あれ?皆ケーキ知ってるの?甘くて美味しくない?」
「はい、前に一度お客様に頂いて、見た目は美味しそうでしたが、実際は苦くてジャリジャリとした食感で、美味しいというイメージを持たない食べ物でした………」
どうやら向こうのケーキは見た目は同じだが、味は美味しくないものらしい。
聞く限りだと、夢の世界の人の味覚などが違うわけではなさそうなので自信満々に答えた。
「安心してよ、多分セシル達が食べたケーキとは全く違う味と食感だよ♪美味しくなかったら僕が食べるからさ!ね?」
ケーキの美味しさを知ってもらいたく、必死にケーキの美味しさを説明していくと、二人だけでなく四人全員が唾を飲んで食べたいと言ってくれた。
その後、帰ったと思った奏美が服を持って来てくれた。
今着ているみんなの服はネグリジェという寝巻きに、コートだけなので気をきかせてくれて自分の服を何着か持ってきてくれたらしい。
「ありがとね奏美ちゃん!」
「いえ、お兄様は抜けているところがありますのでこのまま行ってしまわれないか心配になって来ただけです」
拗ねたように言う奏美。
本当は優しさだけで持ってきてくれたのを知っているが、それは言わないでおこうと、胸の中にしまった。
ギルドについたソラは、手に入れた素材を売るため受付へと足を運んだ。
「あ、ソラ様にウミ様!こんばんは!あの後は大丈夫でしたか?」
マリが受付をしており、ソラのことに気付くと、先日について行ったセガルという貴族様に何かされていないか不安で聞いてくる。
どうやらマリは貴族は怖くて酷い存在と思っているふしがあるようだ。
だが、実際酷いことは一切されておらずむしろ良くして貰った為、マリには微笑んで何もされていないことを伝える。
「何もされてないよ?むしろ一人の生命と、その家族の心を守れて得をした気分だよ♪」
するとホッと息を漏らし、ソラの格好に気が付く。
ソラは今先日までとは違い、学園の制服を着ているため、その事に気付いたのであろう。
「その格好…ソラ様は学園に通われていたのですね?」
「ん?あぁ!今日通い出したんだ♪どう?カッコイイでしょ?」
ソラはくるりと回って見せるが、マリは可愛いとしか感じていない……それに気が付いたソラは悲しい顔をした。
「あぁ!ソラ様はカッコイイですよ!あれほどの強さをお持ちで、その力で人を助けるなんてかっこいい他ありません!」
「そう?」
悲しい顔をしつつマリに聞く……すると
「ん……ソラは可愛い…………」
横から話に参加したウミにトドメを刺されてしまい、がくっと涙を流した。
「そ、それより!本日もドロップ品の売却でしょうか!?」
話題を変えようと、売却用のトレーを取り出しながらいうマリ、今回は前回と同じ様に慌てないように、トレーを三つ用意していた。
「うん、ちょっと待ってて……」
ソラは落ち込みながらトレーに魔物を出していく。
今回はあの時の熊のドロップ品の毛皮と、その他弱い魔物のドロップ品約70個だ。
熊のドロップ品は毛皮だけではなく水色とピンクの結晶も一つずつ落ちていたが、それは武器を作るのに持っておこうと出さない。
「この毛皮って、ラブベアの毛皮じゃないですか!?それに覚醒後の状態が2匹も!?」
マリがピンクと水色の毛皮を見て驚く。
話によると、この熊はラブベアと呼ばれていて恋をすると色が変わるという……男に恋すると水色に、女に恋するとピンクになる魔物らしく、ピンクだから雌ではなくその逆の雄なのである。
そしてこの熊は恋をすると途端に物凄く強くなる。
「へぇ、恋すると強くなるんだぁ……なんかロマンチック的だけど、その相手を攻撃しちゃダメでしょ…」
あの熊は勿論ウミとソラに恋をしていて、その相手を攻撃していたのだ。
「それが…ラブベアは恋した相手をずっとそばにいさせるために殺して近くに置くという本能があるみたいですよ………持っている力がもったいない気がしますよね……」
「ん………確かにもったいない……」
マリが悲しい声でいい、ウミが頷いた。
そこでマリは気が付く。
「あれ?ウミ様こんなに喋りましたっけ?」
「あー、多分成長したんだよ。」
マリとソラが互いにだけ聞こえる声で言う。
するとウミちゃんがこれ以上はあまり増やさないで……という目でこちらを見てくるので、笑いながらウミちゃんを撫でた。
「それでは金額を数えてきますね、少々お待ちください」
マリがトレーを三回行き来して奥に持っていく。
その間他の人たちにジロジロと見られていたが、別に悪いふうに見られている訳でなく、実力に驚いての事だった。
「ねぇねぇ、そこのお二人さん!俺のパーティーに入らないか?」
など、色々さそわれるが、全てに断りを入れる。
しばらくするとマリが名前を呼んでお金を持ってくる。
「こちらが今回のお金のなります!今後ともご利用お願い致しますね!」
頭を下げるマリにあ別れを言ってギルドを出ると、セシル達が待っているであろうと、寄り道をせず急いで向かった。
「お待ちしておりましたソラ様」
執事のセバスが扉を開けて出迎える。
他の皆は全員集まっていて、待っているようだ。
「皆様、ソラ様がいらっしゃいました」
食事場に着いたセバスは、扉をノックして入った。
食事は既に用意され、皆が席に座っている。
「おぉ、待っておったぞソラよ、この度は娘を貰ってくれたそうで嬉しく思う。そなたならセシルを幸せにしてくれるであろう、どうか私の分まで娘を可愛がってくれ」
奥に座っていたセガルが真剣な顔でそう言った。
その隣にいるセシルは父が言った言葉に照れながら怒っている。
「セガルさん、ありがとうございます…セシルは責任を持って愛させてもらいます!ですが……」
ソラはセシルの他にも付き合っている人物を言おうとする。
「いい、既に知っている。ここにいる娘達が全員ソナタの恋仲というのはな、だがそれでもいい……実はな、私も婚約者は一人ではないのだ」
「そうでございますソラ様、この世は一夫多妻制です故、誰も責める事は無いのでございます」
セガルの言葉に付け足すセバスに、ソラは申し訳なさを残しつつ、安心をした。
「ねーねー!早く食べよーよー!」
「ん………お腹空いた……」
待ちきれなくなった二人に微笑んで席に座ると皆がワイングラスを持ってこちらを見てくる。
「…えっと?みんなの幸せを願って、乾杯?!」
(これでいいのかな?)
「乾杯!!!」
と、皆が揃えて上に持ち上げた。
その夜、皆はセシルの家に泊まる事にもなり、ソラとウミはお風呂に入り、部屋でゆっくりとしていた。
「うわぁ、ふかふかだねぇ♪」
「ん……気持ちいい……」
広いベッドに横になり、二人でアイテム作成で作りたい武器などを探している、今日の朝手に入った結晶で作れる武器はどうやらラブベアの性質と同じで、好きな人を思うとその分強くなる武器を作れる様で、色は水色とピンクそのままだ。
「やっぱり短剣が一番かなぁ……でも短剣だと相手が速い時リーチがないと当たらないからなぁ……」
「私は杖がいい…」
「杖かぁ……えっと…」
ラブベアの結晶を使った杖の欄を見ると、全体が結晶になっていて物理も強くなるタイプと木製になっていて一部に結晶が埋め込まれ、魔力を増大するタイプがあるようだ。
「…魔力増大♪」
ウミちゃんは楽しそうに可愛くそう言った。
(僕はどうしよっかなぁ……よっし!今度色々と武器を揃えて使ってみよっと!)
トントン
「あ、はーい!」
部屋の扉がノックされ、反応するとゆっくりと扉が開いた。
「失礼します」
「失礼するわね」
「しっつれーい♪」
と、ソラの恋人三人が入ってくる。
「あ、皆!今日僕の世界に来てみるの?」
「えぇ、だめ?」
口調が違うが、聞いてきたのはアリーだ。
上目遣いで言うアリーに可愛さを感じながらソラは答える。
「ううん、全然大丈夫だよ♪それじゃあ寝る時間まで向こうにいる時の気をつけることを伝えとこっか!」
「はい!お願いします!」
「まず最初に、向こうの移動手段に使われる物に、バス、電車って乗り物があってね、乗る時に乗車券っていう切符を買ってから乗るんだよ」
「わかったよー!」
「それと、道路って道があってね、そこは車って言う、いわゆる機械で走る馬車みたいな乗り物優先な道で、危ないから渡る時は、白い線が引かれてる外側の道を通るんだ、まぁ、これらは実際にやらないとわからないと思うから、分かるまでは勝手に移動しないでね?」
説明していく中、いつの間にか寝てしまっていたサナがいたので他のみんなも寝ることになる。
「それじゃあ寝ましょ、ソラは私の隣でお願いね♪」
そう言って隣に寝転ぶアリー、それに皆が講義して、キャーキャーとみんなで叫び合う。
「皆喧嘩しないでよ!今日は僕が決めるから我慢して!」
すると皆がソラに決めてもらうために今度はソラ講義してくる。
「じゃあ~、いつもウミちゃんとは隣だからウミは除外ね♪てことで!セシルとアリーが隣ってことで!」
「やった♪」
喜ぶ二人に、悲しむ一人、眠る一人を無視してベッドに寝転ぶと、三人も寝転んだ。
横をみてアリーに向かって話をする。
「アリーは普通の口調に戻ってるけど、僕の事だけを考えてるってことだよね~?アリーは僕の、いや僕と何をする事を想像してたの~?」
「し、知らない!!」
「アリー様♪隠さないで言った方がいいんじゃないですか?もしかしたらしてくれるかも知れませんよ?」
セシルがアリーをからかうように言う、すると妄想に入るアリーに面白がって皆がアリーをからかい始めた。
「そーだよー?もしかしたらやって上げちゃうかもよー?」
なるべく言いたくなるようにアリーに言う。
「ん…………言わないなら私がソラとイチャイチャする……どいて……」
そう言ってウミはアリーを力任せにどかそうとする。
するとアリーは、絶対にソラの隣がいいのか大声で分かったわよ!と叫んだ。
「わ、私は!」
「私は?」
アリーの言葉にリピートするように言う。
「ソラと!」
「僕と?」
一言話す毎に顔を赤くするアリーにニヨニヨと微笑む皆、だが目をつぶっていてアリーは見えていない。
「え、えっ………する………考えてました!」
「え?最初ら辺が聞き取れなかったよ?もう1度、みんなに聞こえる声で言ってみよっか♪」
満面な笑みでそう虐めると、アリーは身体をゾクゾクっ!と震わした。
「私は!!!」
その後、アリーの言葉を聞いた後、更にからかって、あまりの恥ずかしさに気絶してしまったアリーに続いて皆は眠った。
「…お兄様ぁ………朝ですよ~……ウミ様もいるんですか~?」
小さな声で扉を開けて入ってくる奏美はのっそりと音を立てずにベッドに近づき、毛布を覗いてソラとウミの顔を見ようとした。
「え?」
その目に移ったものは、女四人に抱きつかれた愛しのお兄様でした。
「うぅん……みんなー起きてー…」
目を擦りながら身体を起きあげるソラは皆の身体を揺らして起こした。
「奏美ちゃんも、なんで固まっているのかは分かるけど起きてねぇ………ふぅわぁぁ……」
身体を伸ばして大きな欠伸をすると、他のみんな(サナ以外)が顔を赤めながらいそいそと髪の毛の手入れをし始める。
「あ、ちょっと待ってて…くし持ってくるよ…」
クシを四つ持ってきて、皆渡す。
「これ凄いですね!すぐに髪が整います!」
「えぇ、そうね!これ貰ってよろしいでしょうかソラ様!」
丁寧口調になったアリーに半寝状態でいいよと答え、水魔法で顔を洗った。
「よーし!おはようみんな!とりあえずここだと僕の家族が驚いちゃうからウミちゃんの家にいこっか!」
と、完全に目を覚ましたソラは皆を連れて昨日作ったウミちゃんの家へと移動した。
「こちらは………お兄様…もしかしてハーレムというものでしょうか…?」
有り得ないものを見る様子でこちらを見てくる奏美。
「ちょっと僕がヘマしちゃってね…皆を幸せにすることになったんだ…」
テヘペロしながら言うと、奏美はため息を吐いて自宅へと帰ってしまった。
「あー、奏美ちゃんには悪いことしちゃったな……まぁ、気を取り直して今日は学校休みだしでかけよっか!」
「デートですね!」
「どこに行くのでしょうか?」
アリーが聞いてくる、するとソラはスマホを取り出して画像を見せた。
「ここ!」
見せた画像には、近くにある遊ぶ所もあるショッピングモールで、みた皆は服や食べ物に歓喜の声を上げる。
「ねーねー、これ美味しそー」
スマホを奪い取ってサナが指を指してそういう、覗き込むように見ると、そこにはケーキなどが映されていた。
「ケーキかぁ!これ甘くて美味しんだよ♪おやつの時間になったら食べに行こーね!」
「ケーキですか?」
楽しげに皆に提案するが、セシルとアリーはケーキを知っているような反応をする、それは美味しいものを食べれるという期待した顔ではなく、その逆の反応だった。
「あれ?皆ケーキ知ってるの?甘くて美味しくない?」
「はい、前に一度お客様に頂いて、見た目は美味しそうでしたが、実際は苦くてジャリジャリとした食感で、美味しいというイメージを持たない食べ物でした………」
どうやら向こうのケーキは見た目は同じだが、味は美味しくないものらしい。
聞く限りだと、夢の世界の人の味覚などが違うわけではなさそうなので自信満々に答えた。
「安心してよ、多分セシル達が食べたケーキとは全く違う味と食感だよ♪美味しくなかったら僕が食べるからさ!ね?」
ケーキの美味しさを知ってもらいたく、必死にケーキの美味しさを説明していくと、二人だけでなく四人全員が唾を飲んで食べたいと言ってくれた。
その後、帰ったと思った奏美が服を持って来てくれた。
今着ているみんなの服はネグリジェという寝巻きに、コートだけなので気をきかせてくれて自分の服を何着か持ってきてくれたらしい。
「ありがとね奏美ちゃん!」
「いえ、お兄様は抜けているところがありますのでこのまま行ってしまわれないか心配になって来ただけです」
拗ねたように言う奏美。
本当は優しさだけで持ってきてくれたのを知っているが、それは言わないでおこうと、胸の中にしまった。
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