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入学
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「推薦枠で入学してきましたソラです、皆さんと仲良くしていけたらなと思っているのでこれからよろしくおねがいします!」
なるべく元気に友好的に見えるように自己紹介をする。
目の前には学園のCクラスの生徒達が五人席に座っていて、拍手をする人、ニコニコと笑っている人、無関心な顔の人……と、それぞれ別々な反応が見られる。
「……ウミです………………よろ…」
ぺこりとお辞儀をするウミに先ほどのように反応をする生徒達。
ソラの時よりも反応が多いような気もする。
席に勧められたソラ達は生徒の横を通りながら一人ひとりによろしく、と挨拶をする。
数が少ないクラスの為、早くも顔を覚えられたソラは名前も覚えるために席に座るとすぐさま近くの無関心そうな顔をした黄緑色の髪の女の子に話しかけた。
「さっきも言ったけど僕はソラ、君はなんて名前なの?教えてくれない?」
「………あははー、君面白いねーそれじゃあナンパだよー!」
無関心そうな顔をニパッと笑顔にしながら、棒読みで言った。
「あれ?あ、確かに!てか面白いのは君もだよ?」
「えー?どこがー?」
ニパッとしている顔を動かさずに首だけを傾ける。
「なんか棒読みだし笑顔もちょっと間違ってるところかな?」
「……ふーん?私分かんないなー?」
女の子は真っ直ぐ僕の方を見て話している、その目は少し死んでいるような目をしている。
(なんか、壊したくなる顔だな?)
と、怖いことを考えるソラは表情を変えた。
「………へー、君本当に面白いねー!」
ソラの顔を見て女の子が目を細めながらいう。
すると女の子は考えるような素振りをして頷いた。
「うん!いいよー、君面白いから私の名前教えてあげるー!」
「ほんと?ありがとう!!」
作り笑いを無くし、普通の笑顔に戻すソラ。
「私の名前はサナだよー、よろしくねー!」
「うん、よろしくねサナちゃん!」
握手を交わす二人、そこに一人の金髪の男が入ってきた。
「よー!ソラくん!はっじめましてー!」
背の高い、イケメン顔の金髪男がソラに手を差し出してくる。
するとサナは再び無関心そうな顔をして教室を出ていった。
「あ、また後でねサナちゃん!あ、ごめんね、初めまして!」
サナは反応をせず、仕方なく目の前に挨拶に来た男の人の手を握って言った。
「うん!元気な返事いいね~!俺はダンっていうんでよろしくね!」
いかにもチャラそうな喋り方でいうダンはこれこそ本当の笑顔と言えるような顔をしていた。
「てか、ソラくん!突然だけどさ~!あそこにいるウミちゃん?あの子ってソラくんの知り合いだったりする?」
「え?ウミちゃんがどうかしたの?」
方を組んできて顔を寄せて小さくいうダンにソラも小さな声で答えた。
「おっ!その反応やっぱ知り合い?それなら都合がいい、単刀直入に言うけどあの子の好きなタイプって知ってる?俺一目惚れしちゃってさ~!アタックしよっかな~って思ってるわけよ!」
そうヘラヘラと笑いながらいうダン。
突如ソラから殺気が溢れ出る。
「ごめんねダン君、ウミちゃんは僕のものなんだ………だから手を出したらどうなるか……ネ?」
「お、おう……なんだぁ、ソラくん達は付き合っていたのかぁ……」
と、ダンは少し残念がってどこかに行ってしまう。
(あれ?気絶させるつもりで殺気を出したんだけどな………ダンくんって強いのかな?)
今度鑑定させてもらおうと思いながら、一限目の授業にまだ行っていない人がいたら名前を聞こうと周りをみる。
「ちょっといい?」
見渡すと同時に長い白色の髪で、赤い眼鏡をした女の子が話し掛けてくる。
「あ、うん!」
返事をすると目の前の女の子が片手を腰に当て、眼鏡をクイッと持ち上げた。
「私はユキ、よろしくお願いするわ」
「うん!ユキちゃんね、よろしくね!」
ソラが元気よくいうとユキは少し嫌な顔をする。
そしてユキは冷めたような口調で言葉を発する。
「…その『ちゃん』ていうの辞めてくれないかしら」
そう言われたソラはすぐに『さん』に変えて再度同じ言葉を言って謝った。
「それよりも、先程の様な殺気を出すのは辞めてくれないかしら?私は大丈夫なのだけれども、気の弱い子達もこの学園には居るのよ」
それを言われて、そういえばっ!と気付くソラ。
「そ、そうだった!ここにはほかの人もいるんだった!!ユキさん気付かせてくれてありがとう!」
「いえ、わざとでなければいいのだけれど今後からはわざとでなくても気を付けなさい」
少し微笑みながらユキは言い、教室を出て行った。
なるべく元気に友好的に見えるように自己紹介をする。
目の前には学園のCクラスの生徒達が五人席に座っていて、拍手をする人、ニコニコと笑っている人、無関心な顔の人……と、それぞれ別々な反応が見られる。
「……ウミです………………よろ…」
ぺこりとお辞儀をするウミに先ほどのように反応をする生徒達。
ソラの時よりも反応が多いような気もする。
席に勧められたソラ達は生徒の横を通りながら一人ひとりによろしく、と挨拶をする。
数が少ないクラスの為、早くも顔を覚えられたソラは名前も覚えるために席に座るとすぐさま近くの無関心そうな顔をした黄緑色の髪の女の子に話しかけた。
「さっきも言ったけど僕はソラ、君はなんて名前なの?教えてくれない?」
「………あははー、君面白いねーそれじゃあナンパだよー!」
無関心そうな顔をニパッと笑顔にしながら、棒読みで言った。
「あれ?あ、確かに!てか面白いのは君もだよ?」
「えー?どこがー?」
ニパッとしている顔を動かさずに首だけを傾ける。
「なんか棒読みだし笑顔もちょっと間違ってるところかな?」
「……ふーん?私分かんないなー?」
女の子は真っ直ぐ僕の方を見て話している、その目は少し死んでいるような目をしている。
(なんか、壊したくなる顔だな?)
と、怖いことを考えるソラは表情を変えた。
「………へー、君本当に面白いねー!」
ソラの顔を見て女の子が目を細めながらいう。
すると女の子は考えるような素振りをして頷いた。
「うん!いいよー、君面白いから私の名前教えてあげるー!」
「ほんと?ありがとう!!」
作り笑いを無くし、普通の笑顔に戻すソラ。
「私の名前はサナだよー、よろしくねー!」
「うん、よろしくねサナちゃん!」
握手を交わす二人、そこに一人の金髪の男が入ってきた。
「よー!ソラくん!はっじめましてー!」
背の高い、イケメン顔の金髪男がソラに手を差し出してくる。
するとサナは再び無関心そうな顔をして教室を出ていった。
「あ、また後でねサナちゃん!あ、ごめんね、初めまして!」
サナは反応をせず、仕方なく目の前に挨拶に来た男の人の手を握って言った。
「うん!元気な返事いいね~!俺はダンっていうんでよろしくね!」
いかにもチャラそうな喋り方でいうダンはこれこそ本当の笑顔と言えるような顔をしていた。
「てか、ソラくん!突然だけどさ~!あそこにいるウミちゃん?あの子ってソラくんの知り合いだったりする?」
「え?ウミちゃんがどうかしたの?」
方を組んできて顔を寄せて小さくいうダンにソラも小さな声で答えた。
「おっ!その反応やっぱ知り合い?それなら都合がいい、単刀直入に言うけどあの子の好きなタイプって知ってる?俺一目惚れしちゃってさ~!アタックしよっかな~って思ってるわけよ!」
そうヘラヘラと笑いながらいうダン。
突如ソラから殺気が溢れ出る。
「ごめんねダン君、ウミちゃんは僕のものなんだ………だから手を出したらどうなるか……ネ?」
「お、おう……なんだぁ、ソラくん達は付き合っていたのかぁ……」
と、ダンは少し残念がってどこかに行ってしまう。
(あれ?気絶させるつもりで殺気を出したんだけどな………ダンくんって強いのかな?)
今度鑑定させてもらおうと思いながら、一限目の授業にまだ行っていない人がいたら名前を聞こうと周りをみる。
「ちょっといい?」
見渡すと同時に長い白色の髪で、赤い眼鏡をした女の子が話し掛けてくる。
「あ、うん!」
返事をすると目の前の女の子が片手を腰に当て、眼鏡をクイッと持ち上げた。
「私はユキ、よろしくお願いするわ」
「うん!ユキちゃんね、よろしくね!」
ソラが元気よくいうとユキは少し嫌な顔をする。
そしてユキは冷めたような口調で言葉を発する。
「…その『ちゃん』ていうの辞めてくれないかしら」
そう言われたソラはすぐに『さん』に変えて再度同じ言葉を言って謝った。
「それよりも、先程の様な殺気を出すのは辞めてくれないかしら?私は大丈夫なのだけれども、気の弱い子達もこの学園には居るのよ」
それを言われて、そういえばっ!と気付くソラ。
「そ、そうだった!ここにはほかの人もいるんだった!!ユキさん気付かせてくれてありがとう!」
「いえ、わざとでなければいいのだけれど今後からはわざとでなくても気を付けなさい」
少し微笑みながらユキは言い、教室を出て行った。
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