上 下
27 / 41

現実世界へ戻る

しおりを挟む
あの後、結局外が暗くなってきたので制服を試しに着ることはなく宿へと帰ることにしたソラは、現実世界へ戻る前にやっておかないといけないことを思い出し、生成魔法の準備を始めるのだった。

「今回ははっきり言って確率で作れるものだから成功しないかもだけど……」
「ん………手伝う……」

「えっと、まずはオーブ(大)を入れて……そして…ウミちゃん、女の子だから大切なものだと思うけど、一本だけ髪の毛をくれないかな?」
「……………………ん……」
ウミは髪の毛を抜く………ではなく、他のところよりも少し長くなっていた髪の毛の余計な部分をナイフで1センチほどを切ってソラに渡した。

「ありがとうウミちゃん。」
「……………ん………ソラになら何でもあげる///……」
「あははは、じゃあ…………ウミちゃんの身体を貰おうかなぁ……」
「ん///…………どうぞ///…………」
ウミは地面に仰向けになり両手を胸元に持っていく。

「うん、それはまた今度にして今は作っちゃおうか」
「……………ん……」
ウミはのっそりと立ち上がってソラが用意していた箱を覗き込んだ。

「それじゃあ始めるね。今回作るものはかなり危険な匂いがするから一応覚悟を決めとかないとね…」
ソラはウミの髪を箱に入れ、トンカチを手に取る。

今回作るものは、世界全体の認識を変える為のものだ。なぜ、そんなものを作るかというと………現実世界でウミちゃんを学校などに行かせるには身分証明が必須になるためである。
その為に、ウミちゃんを元々世界にいたことにするしかないのだ。

ソラはトンカチを箱に振り下ろす……



























「………うぅん…」
ソラは自宅のベッドで目を覚ます……外ではチュンチュンと可愛く鳴く小鳥達の声、そして学生達が登校をしているのか子供たちの声も聞こえる。

「ふぁ~あぁ……………おはようウミちゃん………………あれ?」
現実世界に今回も来ているであろうウミの姿は見当たらない。
「ウミちゃ~ん?」
今までのが全部夢であったのかを確認するためにステータスを見れるか試すと、きちんとソラの目には写っていた。

「ん~?………あっ!そっか!」
ソラはあることを思い出し、ステータスを活かした速度で着替えをする。この時妹の奏美の事を見なかったのは先に学校へと行ったからであろう。
そして外に出たソラは少し離れた所にあった空き家の元へ走った。

「ふぅ…………良かったぁ……あった……」
空き家であったはずの家が生活感溢れる家に変わっていることを確認して安心で胸をいっぱいにして溜息を吐く。
そしてソラは朝起きた時から首にかかっていた謎の鍵を手に取り、家の扉を開けた。







「………ん…おかえりなさいませ…………あなた……」
そして、ソラは愛する女生…ウミの姿をこの目でハッキリと確認することが出来たのだった。



しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

赤ずきんちゃんと狼獣人の甘々な初夜

真木
ファンタジー
純真な赤ずきんちゃんが狼獣人にみつかって、ぱくっと食べられちゃう、そんな甘々な初夜の物語。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

転生墓守は伝説騎士団の後継者

深田くれと
ファンタジー
 歴代最高の墓守のロアが圧倒的な力で無双する物語。

実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは

竹井ゴールド
ライト文芸
 日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。  その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。  青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。  その後がよろしくない。  青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。  妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。  長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。  次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。  三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。  四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。  この5人とも青夜は家族となり、  ・・・何これ? 少し想定外なんだけど。  【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】 【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】 【2023/6/5、お気に入り数2130突破】 【アルファポリスのみの投稿です】 【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】 【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】 【未完】

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

ガーデン【加筆修正版】

いとくめ
ファンタジー
幼い頃母を亡くした杏には、庭での不思議な記憶がある。 鳥や虫、植物たちの言葉を理解し自在に操ることができた母。 あれは夢だったのだと思っていた杏だが、自分にもその能力があることに気づいてしまう。 再び生き物たちのささやく声が聞こえてきたとき、悪しきものたちと彼女の戦いが始まった。 この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件などには一切関係ありません。 ※旧作を加筆修正しながら投稿していく予定です。

処理中です...