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変態的

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「ふぅ……ここでいいかな?…………………よいしょっと…」

リザードンから逃げ、ソラは自身が泊まっている宿の部屋にこの子…アリーという女の子を下ろした。

「HPも少ないし、安静にさせないとね」

状態を確認するために鑑定を行った際に、名前はその時に確認した。

「回復魔法、あとでウミちゃんに教えてもらおっかな……あー、それとこの部屋に結界貼っといた方がいっか……………確か材料は足りたはず…っと」

部屋にあるタンスを開け、中から小さいオーブとトンカチと箱を取り出し、いつも通りにアイテムを作成する……
出来たものは、使ったオーブそのものの色をした四角いキューブの形をしたものだ。

「ん………………ま…り……」

ソラが結界の範囲と部屋の大きさを調節して設置場所を決めていると、アリーという少女が目を覚ました。

「あ、ごめん起こしちゃったかな?突然なんだけど、今の状況や自分のこと分かる?」

「…っ!………え、えぇ…私はアリー……そして、確か街に攻めてきた魔物を……っ!!!!マリ!!!」

「あっ!落ち着かないとダメだよ!!」

リザードンの事を思い出したアリーは勢いよく身体を起こし、ベッドから降りようとするが、身体に痛みが残っているのか体制を崩して倒れそうになるのをソラが支える。

「マリさんは大丈夫だよ、後でここに連れてくる、リザードンは僕の仲間が注意を引き付けてるよ、僕も心配だからすぐに行くけどね、それとアリーさんはここで待ってて、はっきり言って君の倒せる相手じゃないから」
レベル的に倍くらいだしね……あ、そうだ結界貼らないとだね。

「今から結界を貼るから、眩しいから目を瞑っていた方がいいよ」
場所は…………ここで丁度かな?

「結界起動!」

「きゃっ!!!」

ソラの声とともに、手に持っていたキューブから光が出て、時間が経つと光は収まっていった。

「んー、成功かな。ちょっと部屋の一部がはみ出てるけど、ベッドの周りまでなら大丈夫だからね」

アリーは目を瞑るのを忘れ、光に目をやられ、眩しそうに細めでソラを見た。
「…………あ、貴方は一体…」

「え?あぁ、ごめんね?僕はソラ。冒険者をやってて、マリさんとは知り合いかな?あ、でも知り合ったばかりだけどね」

「……ソラ……………」

「あ、じゃ!僕はもう行くね!それと真面目にここから出ないでね!怪我を負ってるんだからね!」


そう言って部屋を出ると、急いでウミちゃんのいる方向へ向かう。
かなり遠くで砂が大きく舞ってるからそっちらへんだろう。とにかく急がないと!ウミちゃん待ってて!





















ソラが去った後、アリーは部屋のベッドに座り込み両手を頬に当て唸っていた

「きゃぁ~、なにあの人!凄く可愛くて私を助けてくれて!さらに私を助けることが出来るほど実力があるってことでしょ!?か細い身体だったし私と同じ魔法使いよね!!もしかしたら学園の学生かしら!!魔法を教えてくれたりしてくれるかしら!!そしてしまいには……/////あぁ~ん///そらさまぁ~///」

と、しまいにはソラのベッドの枕に顔を埋めはじめるしまいだった…























「ウミちゃん!!」

「…はぁ……………はぁ……ソラ…遅い…待ってた……疲れた…」

「ごめんね!僕が相手するからウミちゃんはマリさんを僕達が泊まってる所に連れていって!そこにさっきの子もいるから!」

「…………私達の部屋……納得いかない…………けど……わかった……」

頬を膨らませて怒り、それでも頷くとウミはマリを隠しているであろう方向に方向転換する。
当然リザードンもそちらに身体を向けると棍棒をウミに振り下ろした。

「させないよ!結界起動!」

僕はウミちゃんとリザードンの間に入り込むと、結界を起動する。結界は先ほど予備で作っておいたものだ。
リザードンの棍棒は結界に弾き返され遠くへと放り出された。

「ぐぎゃぁぁあ!!!!」
リザードンは突然現れた赤紫色の透明な壁に驚くも、今度は素手で結界を殴りつけてくる。

「うぉ~…素手で来るかぁ………棍棒よりすばやくて僕としては棍棒で来てくれた方がいいんだけどなぁ。」
(さてと………結界内から攻撃するから安全なんだけど、攻撃の際に僕の剣を掴まれちゃったら厄介だし、慎重に行かないとね。)

ソラは体制を低くし、剣を手に取る。その後はリザードンが結界を殴りつけてくる時と同時に剣で拳を切りつける作業だ。

「はいはいっ!ここっ!!もういっちょ!!」

ソラは言葉でリズムを取りながら剣を休むこと無く繰り出していく。
単にリズムをとって切りつけているわけでもなく。リザードンが剣を掴もうとする時は少し起動を変えて、手の甲を切りつけたりしている。


「ぐ、ぎゃぁあ…」

しばらく同じ作業をしていると、リザードンは手を止め、痛そうに腹元で抱える。
見ると手は原型を留めてなく、右手は手首からぷらーんと取れそうになっていた。

「あ、あそこまで酷くなるまで殴ってくるって………リザードンくん根性あるね…………この場合根性って言うのかな……?」

「ぎゃ、ぐぎゃぁぁぁああ!!!!」

リザードンは痛みを耐えている様な顔で今度は脚で結界を蹴ってくる。

「今度は脚ね………あ…」

ピキッ…………………音が鳴る。
その音のなり所は、今までリザードンが殴っていた結界だった。

「あ~……結界こわれそう……………てか結界って壊れたんだ……いやまぁ壊れなかったらせこいけどね……初めて壊れたの見たよ……リザードンくん腕力凄いんだね」

そんな呑気なことを言っているうちに、結界はヒビが入っただけではなく、小さな穴が空き、それがどんどん広がっていった。

「んー……アリーさん起きてきて良かったね…もし他に魔物が来てたら結界壊されてたかも………………それにしてもどうしよう、結界はもう無いし……本気の戦闘と行こっかな!」


完全に壊れる前にソラは結界の外に自ら飛び出て、リザードンの背後を取りに行く。
が、レベルが高いだけあってリザードンは難なくソラの攻撃を避けてこちらに向き直った。

そしてソラはリザードンと充分な距離をとると、あることに気づく。

あれ!?リザードンくん!手が治ってるよ!?

そう、リザードンの手は完全とは行かないが、取れかけていた手はくっついており。流れ出ていた血も止まっていた。

「……うわぁ…再生するんだ魔物って……」

これは本当に気合いを引き締めないと……前から思ってたけど…やっぱりこっち側で死んだら現実でも死んじゃいそうだしね…………

「よし!」
ソラは一気にリザードンと距離を詰めて剣を振り下ろすと、リザードンはそれを避けながら殴りつけてくる。

「うっ!」

ソラはそれを剣で受ける、少し後ろに押されたが気にせずに次の一撃一撃を次々と繰り出していく。

「ぐぎゃああああ!!!」

リザードンも負けじと剣を避けては拳を繰り出してくる。

ど、どうやって倒そう!?このままだと僕の体力が持たないよ!!?なにか、なにかないの!?

必死に、頭の中で勝つ方法を考えるが、逆にリザードンの拳を防げなくなり負けそうになってしまう。

「あぁ!もう!これならもう1個作っとけば良かった!」

えぇっと!ボクのスキルは


アイテム作成
アイテムボックス
刃術(極)
気配察知
隠蔽
鑑定
魔力操作

だから!えぇっと…えぇっと………んん~…!!!
ま!魔力操作って何ができたっけ!?た、確か魔力を操って武器とかの性能を上げたりできたよね!!
あぁ!でも当たんないんだから意味無いよ!!僕自身の性能を上げたりできないの!!一か八かやってみよっかな!?!!

「う、うりやぁぁあ!!!」

ソラは魔力操作を使い、自分の身体全身に魔力を使う。

「う、うぇ!??!!」

すると、ソラの身体は今までとは比べ物にならないくらいの速さになり、リザードンに攻撃を避けさせることなく、剣で全身を切り刻んだ。

「ぐぎゃぁぁああああああああああ!!!!!!!!」







「………………はぁ……はぁ……いっ!?…痛ったぁぁぁぁあああ!!!!!!」

リザードンは大声で叫びながら倒れると、しばらくの間静寂が訪れるも、今度はソラの叫び声で静寂を切り裂いた。

「い、いたいいたいいたいいたいいたい!!!」
イタすぎる!やるんじゃなかった!!成功したけどやるんじゃなかった!!!!!リミッター越えた動きしたから全身の筋肉が叫んでるよ!!!
いや!も、もう無理!!!!限界!!

ソラは全身の痛みに、気を失おうとする中………
「ソラ!!!!」
と言う、ウミの声を聞いて気を失った…

































ソラ………………力を………………目覚めさせて……さい………





















ソラ…………お…て………そ…ら………おき…て!…………おき…てよぉ…………そらぁ!………

「ウミ……ちゃん?……」

ウミちゃんの声で目が覚める………えーっと……何があったんだっけ?……

「……そ…ら………………おき…た………ぐすん…………死んだ…………おもっ………ぐすっ………」

「ウミちゃん………」

そうだ、僕はリザードンと戦って………うっ……まだ身体が痛いや………それにしてもウミちゃんに心配掛けさせて、しまいには泣かせちゃうなんて………やっぱり、もっと強くならないと……

「ごめんね………ウミちゃん……こっちにおいで……」

「………う……………ん…………………ほんと……に……心配……した……………」

「本当にごめんね…心配掛けさせちゃって…これから、誰にも負けないように…頑張るよ……」

そっと、ウミちゃんを抱きしめる……
その身体は震えていた……
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