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黒川と
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それだけ言うと、黒川は先に教室に戻った。考えがわからなくて怖い。今まで2人でなんて遊びに行ったこともないし、積極的に話したこともない。なぜか一緒にいることは多いけど、たいして仲がいい訳じゃないのに…。流石にこのタイミングで「実は今まで喋ってみたくて~」みたいなことではないだろうし…。
過呼吸になってたこと、俺のいない間に他のみんなに言われてたらどうしよう。絶対変に思われた。明日から腫れ物扱いになったらどうしよう…。頭の中でネガティブなことばかり考えてしまう。
「じゃあもうそろそろ戻りましょうか。」
そんなことばかり考えていると、先生から声がかかった。
そういえば黒川に気を取られて、1番大事なことを忘れていた。
「すみません、このことって親に連絡いったりしませんよね…?」
「う~ん。一応入れよかなとは思ったけど、嫌な感じ?」
なにか訳ありか、と先生が探るような目をしてる。
「いえ、もう高校生ですし、親共働きなので変に心配かけたくなくて。」
「そう、じゃあ今回はやめとくわね。」
先生は納得してくれたみたいだ。変な嘘ばかり上手くなっていく。いやだな、戻りたくないななんて子供じみたことは言えなくて、またお礼を言って保健室を出た。
その後、心配してくれてた山田と伊藤に貧血だと誤魔化し、なんとか席についた。過呼吸になったことは知らないようだ。何も言ってはなさそうで少し安心する。なんとか席についたはいいものの、思考はまたネガティブな方に落ちていく。本当に今日はダメな日だな。
ぼーっとしてるといつの間にか手首に爪の跡。長袖の季節でよかった。
そんなことを繰り返していると、ついに放課後になってしまった。
「陽太!俺心配だし最寄りまで着いて行こうか?」
「あ、俺…「葛木は俺と話あるから。」
「そっか!黒川が一緒なら心配ないな!じゃ、俺らの分も陽太のことよろしくな~。」
山田と伊藤が行ってしまう…。黒川、きっと倒れた時の話だよな?迷惑だって怒鳴られたらどうしよう、気持ち悪いって言われる。そう考えているとまた呼吸が苦しくなってくる。
「葛木、大丈夫だから。落ち着いて。行ける?」
俺よりワントーン低いゆったりとした声。黒川は無口で背が高いから高圧的に感じてしまうけど、人に対して声を荒げているところは見たことないな。そう思うと少し落ち着いた。
「とりあえず、ファミレスで大丈夫?」
「うん。ありがとう。」
黒川の声、好きかも。
過呼吸になってたこと、俺のいない間に他のみんなに言われてたらどうしよう。絶対変に思われた。明日から腫れ物扱いになったらどうしよう…。頭の中でネガティブなことばかり考えてしまう。
「じゃあもうそろそろ戻りましょうか。」
そんなことばかり考えていると、先生から声がかかった。
そういえば黒川に気を取られて、1番大事なことを忘れていた。
「すみません、このことって親に連絡いったりしませんよね…?」
「う~ん。一応入れよかなとは思ったけど、嫌な感じ?」
なにか訳ありか、と先生が探るような目をしてる。
「いえ、もう高校生ですし、親共働きなので変に心配かけたくなくて。」
「そう、じゃあ今回はやめとくわね。」
先生は納得してくれたみたいだ。変な嘘ばかり上手くなっていく。いやだな、戻りたくないななんて子供じみたことは言えなくて、またお礼を言って保健室を出た。
その後、心配してくれてた山田と伊藤に貧血だと誤魔化し、なんとか席についた。過呼吸になったことは知らないようだ。何も言ってはなさそうで少し安心する。なんとか席についたはいいものの、思考はまたネガティブな方に落ちていく。本当に今日はダメな日だな。
ぼーっとしてるといつの間にか手首に爪の跡。長袖の季節でよかった。
そんなことを繰り返していると、ついに放課後になってしまった。
「陽太!俺心配だし最寄りまで着いて行こうか?」
「あ、俺…「葛木は俺と話あるから。」
「そっか!黒川が一緒なら心配ないな!じゃ、俺らの分も陽太のことよろしくな~。」
山田と伊藤が行ってしまう…。黒川、きっと倒れた時の話だよな?迷惑だって怒鳴られたらどうしよう、気持ち悪いって言われる。そう考えているとまた呼吸が苦しくなってくる。
「葛木、大丈夫だから。落ち着いて。行ける?」
俺よりワントーン低いゆったりとした声。黒川は無口で背が高いから高圧的に感じてしまうけど、人に対して声を荒げているところは見たことないな。そう思うと少し落ち着いた。
「とりあえず、ファミレスで大丈夫?」
「うん。ありがとう。」
黒川の声、好きかも。
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