上 下
13 / 26

第十二話

しおりを挟む
 今日は白との初デートがある為、俺は待ち合わせ場所の駅前に来ている

 だが少し張り切りすぎて予定よりも三十分も早く来てしまったので、今は脳内で今日一日のデートプランに問題はないかの再確認をしている

 まずは十時半からの映画を見て……それから、


「先輩!遅れてすみません!」

「ああ、俺も今来た所――っ、」

 こちらに慌てて駆け寄って来た白は、淡いカラーのワンピースに締め色カーディガンを身に着けていた

 そのあまりの上品さと可憐さに俺は言葉を失う


「……どうしたんですか?そんなにじろじろと見て……も、もしかして私の服装変でした!?」

「いや、違うんだ。その……あまりの可愛さに見とれて、言葉も出なかった」

「かっ、可愛い!?私が!?」

「ああ、とても可愛い」

「本当ですか!?……先輩にそう思ってもらえるように頑張って良かったぁ……嬉しいっ、」

「おいおい、反応も可愛いな」

「ま、また可愛いって!も、もう……こういう事、私以外の子には言っちゃダメですからね?」

「言うわけないだろ」

「約束ですからねっ、先輩の中身まで魅力的なことを他の子には知られたくないですから」

「白は俺の顔も含めて魅力的だと思ってくれてるんだな」

「勿論です、先輩のお顔は美形の強面で、全体的にバランスがよくて、特に!凛々しい目はいつも私の心をドキドキさせてくれます!あとは」

「白……照れるからその辺にしてくれ、この顔をこんなに褒められたのは初めてだ」

「ふふん、さっきの仕返しです……」

「小悪魔め……今日はとっておきのデートでもっと俺を好きになってもらうからな、覚悟しておけよ」

「もう先輩なしでは生きられない体になってますよ」

「誤解を生むような言い方をするな」

「……では、まず何処にいくんですか?」

「午前中は今話題の恋愛映画を見にいこう」

「はい!……先輩と映画デート、先輩と映画デート、暗闇に乗じて……」

 俺は何かブツブツ言ってるご機嫌?の白と一緒に映画館のあるショッピングモールに向けて歩き出した


「予約チケットは取ってあるから座席の心配はいらないぞ」

「先輩……もしかして私以外の女の子とデートしたことありますか?」

「どうしてだ?」

「そんなに手馴れてるなんて怪しい……まさか他に女が!?」

「いない、そもそもデート自体が初めてだ……俺は白に喜んで貰いたくて、全力で準備をしておいただけだ」

「先輩はいつも私が一番欲しい言葉をくれますよね……どれだけ私を夢中にさせたら気が済むんですか」

「ん?何か言ったか?」

「いいえ、だた……先輩は女たらしだなーって、思っただけですよ」

「そうか……?」

 大通りを歩いていると道の端に相性占いの館と書かれた巨大な看板が目立つ謎に満ち溢れている店が出来ていた


「面白そうな店があるな、時間に余裕があるから寄ってみないか?」

「いいですね、私と先輩なら絶対に相性抜群ですよ!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

冴えない俺と美少女な彼女たちとの関係、複雑につき――― ~助けた小学生の姉たちはどうやらシスコンで、いつの間にかハーレム形成してました~

メディカルト
恋愛
「え……あの小学生のお姉さん……たち?」 俺、九十九恋は特筆して何か言えることもない普通の男子高校生だ。 学校からの帰り道、俺はスーパーの近くで泣く小学生の女の子を見つける。 その女の子は転んでしまったのか、怪我していた様子だったのですぐに応急処置を施したが、実は学校で有名な初風姉妹の末っ子とは知らずに―――。 少女への親切心がきっかけで始まる、コメディ系ハーレムストーリー。 ……どうやら彼は鈍感なようです。 ―――――――――――――――――――――――――――――― 【作者より】 九十九恋の『恋』が、恋愛の『恋』と間違える可能性があるので、彼のことを指すときは『レン』と表記しています。 また、R15は保険です。 毎朝20時投稿! 【3月14日 更新再開 詳細は近況ボードで】

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

陽キャグループを追放されたので、ひとりで気ままに大学生活を送ることにしたんだが……なぜか、ぼっちになってから毎日美女たちが話しかけてくる。

電脳ピエロ
恋愛
藤堂 薫は大学で共に行動している陽キャグループの男子2人、大熊 快児と蜂羽 強太から理不尽に追い出されてしまう。 ひとりで気ままに大学生活を送ることを決める薫だったが、薫が以前関わっていた陽キャグループの女子2人、七瀬 瑠奈と宮波 美緒は男子2人が理不尽に薫を追放した事実を知り、彼らと縁を切って薫と積極的に関わろうとしてくる。 しかも、なぜか今まで関わりのなかった同じ大学の美女たちが寄ってくるようになり……。 薫を上手く追放したはずなのにグループの女子全員から縁を切られる性格最悪な男子2人。彼らは瑠奈や美緒を呼び戻そうとするがことごとく無視され、それからも散々な目にあって行くことになる。 やがて自分たちが女子たちと関われていたのは薫のおかげだと気が付き、グループに戻ってくれと言うがもう遅い。薫は居心地のいいグループで楽しく大学生活を送っているのだから。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

男女比1:10000の貞操逆転世界に転生したんだが、俺だけ前の世界のインターネットにアクセスできるようなので美少女配信者グループを作る

電脳ピエロ
恋愛
男女比1:10000の世界で生きる主人公、新田 純。 女性に襲われる恐怖から引きこもっていた彼はあるとき思い出す。自分が転生者であり、ここが貞操の逆転した世界だということを。 「そうだ……俺は女神様からもらったチートで前にいた世界のネットにアクセスできるはず」 純は彼が元いた世界のインターネットにアクセスできる能力を授かったことを思い出す。そのとき純はあることを閃いた。 「もしも、この世界の美少女たちで配信者グループを作って、俺が元いた世界のネットで配信をしたら……」

処理中です...