いじめから助けた学校一のS級美少女を数合わせで部活に入れただけなのに

森 拓也

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第一話

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「先輩は生でするのが好きという話を聞いたんですけど、……付けていただけませんか?」

 俺が突然出されたゴムに動揺を隠せずにいると、白が口を開いた

 だが、補足説明をされても全く持って意味不明だ……

 とりあえず、勘違いをしているみたいだから否定はしておくか


「……まず、俺はそんなことをするつもりはない」

「?」

「それに、学校でしたことも一度もない」

「……そうでしたか」

「ちなみにだが……その話、誰に聞いた?」

「直接ではありませんが、クラスメート達が話しているのをよく耳にするので」

 偶然耳にした噂を信じたわけか……とにかく、机の上にゴムが置いてあるこの状況はまずいな、

 誰かに見られたらもう否定したって無駄だろう


「それ、早くしまえ」

「はい……では、私は何をすればいいのでしょうか」

「一緒にゲームをするぞ」

「はい」

「ゲームの腕に自信はあるか?」

「……ありません」

「そうか」

 ゲーム部なだけあって、ここには二人で楽しめるゲームも沢山ある

 中でも、操作が簡単なゲームを選んで二人で始める


「好きなキャラを選べ」

「はい」

「ルールはやりながら教える」

「お願いします」

 説明をしながらゲームをする、要領がいいのか白は教えると直ぐに上達した


 そして――

「先輩はどうして、私の見た目のことを何も聞かないんですか……」

 しばらくゲームを続けていると、白が口の端からこぼすようにそう言った

 まあ……正直、気にはなってはいるが


「聞いてほしいのか?」

「いえ、ただ……容姿について聞かれないという経験は始めてでしたので」

「俺も少しは見た目で判断されることの辛さを知っている、部室ここでは気にしなくていい」

「……はい」

 その返事には少しだけ熱がこもっていた……



 ◆◆

「また負けてしまいました」

「筋はいい、経験の差だ」

「負けてばかりで……すみません」

「どうして謝る」

「面白くないかと」

 ああ、俺がこの状況をつまらなく思っていると勘違いしているのか


「たまには一人用以外のゲームも悪くないと思っている」

「そうですか」

 その後も危ない所はあったが、結局ゲームは俺の全勝で終わった


「休日の部活はない、明日と明後日は休みだ」

「はい」

「じゃあな」

「さようなら」

 あ……、そういやゴムの衝撃で忘れていたことがある


「いや、……まて」

 俺は帰ろうとしている白を呼び止めた――
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