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プロローグ
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「これも全部、先輩のおかげですよね……」
「さぁな」
「本当に……ありがとうございました」
――と、白はテーブルに0.01mmのあれを置きながら言った
一日前――
俺は放課後、昨日徹夜で完成させたポスターを新入生のフロアに貼りに来ていた
「……ねぇ、あの人って、」
「女を連れ込んでるって噂の……」
俺を見ながら後輩の女子数人が小声で話をしている
だが、近づくと目をそらして、逃げるようにして帰っていった
「はぁ……」
今日中に新入部員が入らないと廃部なのに、
いつもこうだ……この顔のせいで、声をかけて勧誘することすら出来ない……
俺は暗い気持ちになりながらもポスターを貼り終えた
その後、部室に向かう途中で封鎖されている屋上に向かう生徒が見えたため、追いかけて注意をすることにした
◆◆
「気持ち悪いんだよお前!」
屋上に着くと金髪の女子生徒が白髪の女子生徒を怒鳴りつけて殴ろうとしていた瞬間だった――
俺は金髪の女子生徒の手をつかみ止めに入る
「……何してんだ」
「あぁ!?離せよ!――っ、あ、あんたは……!?」
そいつは俺を睨みながら怒鳴りつけてきた
だが、俺の顔を見るなり直ぐに顔色を変えて手を振り払らい、もう片方の手でつかまれた場所を抑えてから距離をとった
「……この化け物が次の獲物ってわけ?」
「獲物?何の話だか知らねぇが……次、こんな事をしたら……分かってるよな?」
「っ、……!!分かっ……たよ、」
俺が目に力を込めて圧をかけると、金髪は下を向きながら逃げるようにして帰っていった
こういう時だけはこの悪人顔もそんなに悪くないと思える
「……助けていただきありがとうございます」
白髪の少女は深々と頭を下げながら礼を言った
白髪に赤い目、それに傷だらけの体、気になる所は山ほどあるが――
「礼なんて後でいい、来い!」
「……」
傷の手当が最優先なので、俺は白髪の少女の手をつかみ保健室に連れていく
◆◆
保健室に着いたが先生がいなかったため、空いていた椅子に座らせて傷の手当を始めることにした
「一人で出来ます、慣れていますから」
「そういう問題じゃない……少し染みるぞ」
「いっ、……」
「我慢しろ、直ぐに終わる」
「……やっぱり自分でします」
「ケガ人は大人しく手当されてろ」
手当を続けていき、絆創膏を貼り終わると再び頭を深く下げられた
「二度もこんな私に良くしていただき、ありがとうございました……私に出来ることならなんでもさせて下さい」
「何でも、ねぇ……」
「はい、なんでもさせていただきます」
「お前、部活は?」
「入ってません」
「ゲーム部に入れ」
「はい」
「いいのか!?」
「はい」
「……そうか、俺は部長の半田だ……お前は?」
「佐藤 白です」
「白か、入部届出しとくからな」
「自分で出します」
白は自分で出すと言っているが、今日中に新入部員が入らなければゲーム部は廃部になる……
そのため、「いや、俺が出しておく」と言って確実に今日中に俺が入部届を出して白を入部させることにした
「分かりました、では……」
「じゃあな」
白は軽く頭を下げてから保健室を出た
その後俺は白の事を聞きまわり、さっきの金髪女が中学からずっと白をいじめていたことを知った
そして、帰りにたまたま見つけたから軽くわからせておいた
◆◆
「お疲れ様です、先輩」
翌日、部室でゲームをしていると白が来た
相変わらずの無表情で、その表情からは感情を読み取ることはできないが……
「ちゃんと来たみたいだな」
「あの子に……今日は何もされないどころか謝られました」
「良かったな」
「これも全部、先輩のおかげですよね……」
「さぁな」
「本当に……ありがとうございました」
――と、白はテーブルに0.01mmのあれを置きながら言った
「さぁな」
「本当に……ありがとうございました」
――と、白はテーブルに0.01mmのあれを置きながら言った
一日前――
俺は放課後、昨日徹夜で完成させたポスターを新入生のフロアに貼りに来ていた
「……ねぇ、あの人って、」
「女を連れ込んでるって噂の……」
俺を見ながら後輩の女子数人が小声で話をしている
だが、近づくと目をそらして、逃げるようにして帰っていった
「はぁ……」
今日中に新入部員が入らないと廃部なのに、
いつもこうだ……この顔のせいで、声をかけて勧誘することすら出来ない……
俺は暗い気持ちになりながらもポスターを貼り終えた
その後、部室に向かう途中で封鎖されている屋上に向かう生徒が見えたため、追いかけて注意をすることにした
◆◆
「気持ち悪いんだよお前!」
屋上に着くと金髪の女子生徒が白髪の女子生徒を怒鳴りつけて殴ろうとしていた瞬間だった――
俺は金髪の女子生徒の手をつかみ止めに入る
「……何してんだ」
「あぁ!?離せよ!――っ、あ、あんたは……!?」
そいつは俺を睨みながら怒鳴りつけてきた
だが、俺の顔を見るなり直ぐに顔色を変えて手を振り払らい、もう片方の手でつかまれた場所を抑えてから距離をとった
「……この化け物が次の獲物ってわけ?」
「獲物?何の話だか知らねぇが……次、こんな事をしたら……分かってるよな?」
「っ、……!!分かっ……たよ、」
俺が目に力を込めて圧をかけると、金髪は下を向きながら逃げるようにして帰っていった
こういう時だけはこの悪人顔もそんなに悪くないと思える
「……助けていただきありがとうございます」
白髪の少女は深々と頭を下げながら礼を言った
白髪に赤い目、それに傷だらけの体、気になる所は山ほどあるが――
「礼なんて後でいい、来い!」
「……」
傷の手当が最優先なので、俺は白髪の少女の手をつかみ保健室に連れていく
◆◆
保健室に着いたが先生がいなかったため、空いていた椅子に座らせて傷の手当を始めることにした
「一人で出来ます、慣れていますから」
「そういう問題じゃない……少し染みるぞ」
「いっ、……」
「我慢しろ、直ぐに終わる」
「……やっぱり自分でします」
「ケガ人は大人しく手当されてろ」
手当を続けていき、絆創膏を貼り終わると再び頭を深く下げられた
「二度もこんな私に良くしていただき、ありがとうございました……私に出来ることならなんでもさせて下さい」
「何でも、ねぇ……」
「はい、なんでもさせていただきます」
「お前、部活は?」
「入ってません」
「ゲーム部に入れ」
「はい」
「いいのか!?」
「はい」
「……そうか、俺は部長の半田だ……お前は?」
「佐藤 白です」
「白か、入部届出しとくからな」
「自分で出します」
白は自分で出すと言っているが、今日中に新入部員が入らなければゲーム部は廃部になる……
そのため、「いや、俺が出しておく」と言って確実に今日中に俺が入部届を出して白を入部させることにした
「分かりました、では……」
「じゃあな」
白は軽く頭を下げてから保健室を出た
その後俺は白の事を聞きまわり、さっきの金髪女が中学からずっと白をいじめていたことを知った
そして、帰りにたまたま見つけたから軽くわからせておいた
◆◆
「お疲れ様です、先輩」
翌日、部室でゲームをしていると白が来た
相変わらずの無表情で、その表情からは感情を読み取ることはできないが……
「ちゃんと来たみたいだな」
「あの子に……今日は何もされないどころか謝られました」
「良かったな」
「これも全部、先輩のおかげですよね……」
「さぁな」
「本当に……ありがとうございました」
――と、白はテーブルに0.01mmのあれを置きながら言った
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