上 下
1 / 21

部員ゲットだぜ!!

しおりを挟む
 放課後に俺は昨日徹夜で完成させたポスターを新入生のフロアに貼りに来ていた


「……ねぇ、あの人って、」

「女を連れ込んでるっていう……」


 俺を見ている後輩の女子数人が小声で話している

 だが、近づくと目をそらして逃げるようにして帰っていった


「はぁ……」


 いつもこうだ……この顔のせいで、声をかけて勧誘することすら出来ない

 俺は暗い気持ちになりながらもポスターを貼り終えた


 その後、部室に向かう途中で封鎖されている屋上に向かう生徒が見えたため追いかける――




 ◆◆

「気持ち悪いんだよお前!」


 屋上に着くと金髪の女子生徒が白髪の女子生徒を怒鳴りつけて殴ろうとしていた瞬間だった――


 俺は金髪の女子生徒の手をつかみ止めに入る


「何してんだ」

「あぁ!?離せよ!……あんたは――!?」


 そいつは俺を睨みながら怒鳴りつけてきた


 しかし、俺の顔を見るなり直ぐに顔色を変えて手を振り払らって、もう片方の手でつかまれた場所を抑える


「……こいつが次の獲物ってわけ?」

「獲物?何の話だか知らねぇが……次、こんな事をしたら分かってるよな?」

「っ……!!分かっ……たよ、」


 俺が目に力を込めて圧をかけると、金髪は下を向きながらそう言って帰っていった

 こういう時だけはこの悪人顔もそんなに悪くないと思える


「……助けていただきありがとうございます」


 白髪の少女は深々と頭を下げながら礼を言った

 白髪、赤い目、傷だらけの体、気になる所は山ほどあるが――


「礼はいい、来い!」

「……」


 俺は多少強引に腕をつかみ保健室に連れていく

 その途中、白髪の少女は一切抵抗しなかった




 ◆◆

 保健室に着いたが先生がいなかったため、空いていた椅子に座らせて傷の手当を始めることにした


「一人で出来ます、慣れていますから」

「いいから……少し染みるぞ」

「いっ、」

「我慢しろ、直ぐに終わる」


 傷口を消毒すると流石に痛かったのか片目に力が入っていた

 そして絆創膏を貼り終えると再び深く頭を下げられた


「二度もこんな私に良くしていただきありがとうございました……私に出来ることならなんでもさせて下さい」

「何でも、ねぇ……」

「はい、なんでもさせていただきます」

「お前、部活は?」

「入ってません」

「ゲーム部に入れ」

「はい」

「いいのか!?」


 あまりに事がうまくいくから思わず突っ込んでしまった……


「はい」

「そうか、俺は部長の半田だ……お前は?」

「佐藤 白です」

「白か、入部届出しとくからな」

「自分で出します」

「いや、俺が出しておく」


 せっかく捕まえた新入部員だ、絶対に入部させてやる


「分かりました、では」

「じゃあな」


 白は軽く頭下げて保健室から出ていく


 その後俺は白の事を聞きまわり、さっきの金髪女が中学からずっと白をいじめていたことを知った



 そして、帰りにたまたま見つけたから軽くわからせた




 ◆◆

「お疲れ様です、先輩」


 翌日、部室でゲームをしていると白が来た

 相変わらずの無表情だが……


「ちゃんと来たみたいだな」

「……今日は何もされないどころか謝られました」

「良かったな」

「先輩のおかげですよね……全部」

「さぁな」

「本当に……ありがとうございました」


 ――と、白はテーブルに0.01mmのあれを置きながら言った
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

男女比1:10000の貞操逆転世界に転生したんだが、俺だけ前の世界のインターネットにアクセスできるようなので美少女配信者グループを作る

電脳ピエロ
恋愛
男女比1:10000の世界で生きる主人公、新田 純。 女性に襲われる恐怖から引きこもっていた彼はあるとき思い出す。自分が転生者であり、ここが貞操の逆転した世界だということを。 「そうだ……俺は女神様からもらったチートで前にいた世界のネットにアクセスできるはず」 純は彼が元いた世界のインターネットにアクセスできる能力を授かったことを思い出す。そのとき純はあることを閃いた。 「もしも、この世界の美少女たちで配信者グループを作って、俺が元いた世界のネットで配信をしたら……」

シチュボの台本詰め合わせ(女性用)

勇射 支夢
恋愛
書いた台本を適当に置いておきます。 フリーなので好きにお使いください。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

兄貴がイケメンすぎる件

みららぐ
恋愛
義理の兄貴とワケあって二人暮らしをしている主人公の世奈。 しかしその兄貴がイケメンすぎるせいで、何人彼氏が出来ても兄貴に会わせた直後にその都度彼氏にフラれてしまうという事態を繰り返していた。 しかしそんな時、クラス替えの際に世奈は一人の男子生徒、翔太に一目惚れをされてしまう。 「僕と付き合って!」 そしてこれを皮切りに、ずっと冷たかった幼なじみの健からも告白を受ける。 「俺とアイツ、どっちが好きなの?」 兄貴に会わせばまた離れるかもしれない、だけど人より堂々とした性格を持つ翔太か。 それとも、兄貴のことを唯一知っているけど、なかなか素直になれない健か。 世奈が恋人として選ぶのは……どっち?

ブラック企業を退職したら、極上マッサージに蕩ける日々が待ってました。

イセヤ レキ
恋愛
ブラック企業に勤める赤羽(あかばね)陽葵(ひまり)は、ある夜、退職を決意する。 きっかけは、雑居ビルのとあるマッサージ店。 そのマッサージ店の恰幅が良く朗らかな女性オーナーに新たな職場を紹介されるが、そこには無口で無表情な男の店長がいて……? ※ストーリー構成上、導入部だけシリアスです。 ※他サイトにも掲載しています。

人違いラブレターに慣れていたので今回の手紙もスルーしたら、片思いしていた男の子に告白されました。この手紙が、間違いじゃないって本当ですか?

石河 翠
恋愛
クラス内に「ワタナベ」がふたりいるため、「可愛いほうのワタナベさん」宛のラブレターをしょっちゅう受け取ってしまう「そうじゃないほうのワタナベさん」こと主人公の「わたし」。 ある日「わたし」は下駄箱で、万年筆で丁寧に宛名を書いたラブレターを見つける。またかとがっかりした「わたし」は、その手紙をもうひとりの「ワタナベ」の下駄箱へ入れる。 ところが、その話を聞いた隣のクラスのサイトウくんは、「わたし」が驚くほど動揺してしまう。 実はその手紙は本当に彼女宛だったことが判明する。そしてその手紙を書いた「地味なほうのサイトウくん」にも大きな秘密があって……。 「真面目」以外にとりえがないと思っている「わたし」と、そんな彼女を見守るサイトウくんの少女マンガのような恋のおはなし。 小説家になろう及びエブリスタにも投稿しています。 扉絵は汐の音さまに描いていただきました。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

処理中です...