[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件

森 拓也

文字の大きさ
上 下
31 / 48
第四章

第三十一話

しおりを挟む
「貴方は、こことは別の……男女比が5:5の世界から転移してきた男性……だから、経験人数が何人だろうと生きていく事ができるの」




 (こいつは急に、何を言ってるんだ?……確かに、それなら俺がこの世界では異質とされる特異体質である事の説明は付くが……)





「か、仮にそうだったとしても……どうして、沙織がそんな事を知っているんだ?」



「ふふっ、それはね……」


 すると突然、沙織は俺の両肩を掴んだ 


 そしてそのまま体を密着させ、押し倒すようにして壁ドンをしてきた

「ちょっ!何を……///」


 突然の沙織の行動に動揺して慌てふためく俺を尻目に、彼女は妖艶な笑みを浮かべながら囁く

「それは……私が、貴方と同じ異世界から来た人間だからよ」


「なっ!?……」


「ふふっ……驚いた?でも、私が貴方と同じ世界から来たっていうのは本当よ……」


「お、お前、いったい何を言って……うおっ!///」

 動揺する俺を意に返さず、彼女は更に身体を密着させてくる 

 柔らかな胸の感触と、甘い香りが鼻腔をくすぐる 



 そして彼女は耳元で妖艶な笑みを浮かべながら囁き続ける

「ねぇ、緒方くん……私のバディになってよ……」

「バ、バディ……!?」


「そうよ、私とあなたで手を組むの」

 彼女はクスリと笑った後、さらに身体を密着させてきた 


 彼女の身体の柔らかさと良い香りに包まれながら、俺は必死に思考を巡らせる


(俺も沙織も本当に異世界から来た人間なのか……?嘘を言っているようには見えないし……それに、それなら沙織が俺の体質の事を知っている理由もやっぱり説明がつくな……いや、しかし、いきなり異世界とか言われてもな……)



「あのなぁ……そもそも急に異世界とか言われても信じられないし、それにどうして突然今になって、その話を言いだしたんだ?そもそも俺は、いつからこの異世界に転移してきていたんだ?」




 すると彼女は少し考え込んだ後



「そうね……確かにいきなりこんな事を言われても、普通は信じられないでしょうね」


「ああ、だから……」

 しかし彼女は、俺の言葉を遮るように言う


「でも貴方は私を信じて手を組むしかないのよ」

「……?」


「なぜなら……このままだと貴方は、もう藤咲 美羽ふじさき みうを始めとする彼女たちと会うことが出来なくなってしまうんだから」


 (手を組まなければ皆ともう、会えないない……か)


 そして彼女は妖艶な笑みを浮かべながら言った

「元々私は……十七年前にこの男女比1:99の世界に転移してきた貴方を、本来いるはずだった男女比5:5の世界に連れ戻すために、私はこの世界に転移してきたの」


「なっ!?……そ、それはつまり……俺は……もう、この世界には……」


「いえ、最初こそは私もそのつもりで来たのだけれど……貴方を一目見た時から考えが変わったわ……貴方が望むのなら、条件次第でこれからもこの世界に居続けられるようにもできるわ」


「……じょ、条件って……何だ?」


 すると彼女は俺の耳元に口を近づけて囁いた

「それは、貴方がこの世界で不特定多数の女性と性行為を重ねる事によって、貴方と同じ特異体質を持った男を量産して、この世界を救う事よ」

「なん……だと?」



 すると彼女は妖しく微笑んだまま続ける

「私の役割には無数に存在する異なる世界の異常を正すことも含まれているの……その為に今回は貴方の協力を得た方が早いと考えたわ……だから緒方くんがもっと大きなハーレムを築いてくれるなら……貴方がこの世界で幸せに暮らし続けられるように上と交渉してあげてもいいわ」



「……わかった、俺がもっと巨大なハーレムを築いて……この世界の異常を正して見せる……!!」


「流石、既にハーレムを作っているのも納得の決断力だね……それに、私としても無理難題を押し付けられて困っていたからそう言ってもらえると本当に助かるのだけれど……きっと、この世界を変えるほどの子供を作るのは想像を絶する程に困難だと思うわ……」


 彼女はそう言うと俺の両頬に手を当てた 


 そしてじっと俺の瞳を覗き込みながら告げる


「それでも……本当に良いのね?今ならまだ引き返せるけれど……」


「ああ……構わない……!!」


(それで、今まで通り美羽達と一緒に過ごせるのなら……俺はどんな困難でも乗り越えてみせる!!)


しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

こども病院の日常

moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。 18歳以下の子供が通う病院、 診療科はたくさんあります。 内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc… ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。 恋愛要素などは一切ありません。 密着病院24時!的な感じです。 人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。 ※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。 歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます

neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。 松本は新しい世界で会社員となり働くこととなる。 ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。 PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話

家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。 高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。 全く勝ち目がないこの恋。 潔く諦めることにした。

手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない

みずがめ
恋愛
 宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。  葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。  なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。  その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。  そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。  幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。  ……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

処理中です...