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第四章

第三十一話

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「貴方は、こことは別の……男女比が5:5の世界から転移してきた男性……だから、経験人数が何人だろうと生きていく事ができるの」




 (こいつは急に、何を言ってるんだ?……確かに、それなら俺がこの世界では異質とされる特異体質である事の説明は付くが……)





「か、仮にそうだったとしても……どうして、沙織がそんな事を知っているんだ?」



「ふふっ、それはね……」


 すると突然、沙織は俺の両肩を掴んだ 


 そしてそのまま体を密着させ、押し倒すようにして壁ドンをしてきた

「ちょっ!何を……///」


 突然の沙織の行動に動揺して慌てふためく俺を尻目に、彼女は妖艶な笑みを浮かべながら囁く

「それは……私が、貴方と同じ異世界から来た人間だからよ」


「なっ!?……」


「ふふっ……驚いた?でも、私が貴方と同じ世界から来たっていうのは本当よ……」


「お、お前、いったい何を言って……うおっ!///」

 動揺する俺を意に返さず、彼女は更に身体を密着させてくる 

 柔らかな胸の感触と、甘い香りが鼻腔をくすぐる 



 そして彼女は耳元で妖艶な笑みを浮かべながら囁き続ける

「ねぇ、緒方くん……私のバディになってよ……」

「バ、バディ……!?」


「そうよ、私とあなたで手を組むの」

 彼女はクスリと笑った後、さらに身体を密着させてきた 


 彼女の身体の柔らかさと良い香りに包まれながら、俺は必死に思考を巡らせる


(俺も沙織も本当に異世界から来た人間なのか……?嘘を言っているようには見えないし……それに、それなら沙織が俺の体質の事を知っている理由もやっぱり説明がつくな……いや、しかし、いきなり異世界とか言われてもな……)



「あのなぁ……そもそも急に異世界とか言われても信じられないし、それにどうして突然今になって、その話を言いだしたんだ?そもそも俺は、いつからこの異世界に転移してきていたんだ?」




 すると彼女は少し考え込んだ後



「そうね……確かにいきなりこんな事を言われても、普通は信じられないでしょうね」


「ああ、だから……」

 しかし彼女は、俺の言葉を遮るように言う


「でも貴方は私を信じて手を組むしかないのよ」

「……?」


「なぜなら……このままだと貴方は、もう藤咲 美羽ふじさき みうを始めとする彼女たちと会うことが出来なくなってしまうんだから」


 (手を組まなければ皆ともう、会えないない……か)


 そして彼女は妖艶な笑みを浮かべながら言った

「元々私は……十七年前にこの男女比1:99の世界に転移してきた貴方を、本来いるはずだった男女比5:5の世界に連れ戻すために、私はこの世界に転移してきたの」


「なっ!?……そ、それはつまり……俺は……もう、この世界には……」


「いえ、最初こそは私もそのつもりで来たのだけれど……貴方を一目見た時から考えが変わったわ……貴方が望むのなら、条件次第でこれからもこの世界に居続けられるようにもできるわ」


「……じょ、条件って……何だ?」


 すると彼女は俺の耳元に口を近づけて囁いた

「それは、貴方がこの世界で不特定多数の女性と性行為を重ねる事によって、貴方と同じ特異体質を持った男を量産して、この世界を救う事よ」

「なん……だと?」



 すると彼女は妖しく微笑んだまま続ける

「私の役割には無数に存在する異なる世界の異常を正すことも含まれているの……その為に今回は貴方の協力を得た方が早いと考えたわ……だから緒方くんがもっと大きなハーレムを築いてくれるなら……貴方がこの世界で幸せに暮らし続けられるように上と交渉してあげてもいいわ」



「……わかった、俺がもっと巨大なハーレムを築いて……この世界の異常を正して見せる……!!」


「流石、既にハーレムを作っているのも納得の決断力だね……それに、私としても無理難題を押し付けられて困っていたからそう言ってもらえると本当に助かるのだけれど……きっと、この世界を変えるほどの子供を作るのは想像を絶する程に困難だと思うわ……」


 彼女はそう言うと俺の両頬に手を当てた 


 そしてじっと俺の瞳を覗き込みながら告げる


「それでも……本当に良いのね?今ならまだ引き返せるけれど……」


「ああ……構わない……!!」


(それで、今まで通り美羽達と一緒に過ごせるのなら……俺はどんな困難でも乗り越えてみせる!!)


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