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第三章

第二十四話

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「ねぇ、悟……私の事、好き?」




 美月は耳の近くで囁くような声でそう聞いてきた




 俺は戸惑いながらも、素直に自分の気持ちを伝えることにした





「ああ、もちろん……好きだけど」




 俺の言葉を聞いた美月は嬉しそうに笑う




 そしてそのまま、美月がそっと唇を重ねようとしたその瞬間、扉が開いて誰かが入ってきた



 咄嗟に離れた俺たちはその人物に目を向ける




 そこに立っていたのは美羽と結衣と朱莉姉さんと由梨の四人だった




「みんな勢揃いだね……まあ、尾行されてること自体には気づいていたから、驚きはしないけど」



 美月はどこか楽しむような表情をしている




「み、美月ちゃん……えっと、その……美月ちゃんも悟のことが、好きだったの?」



 美羽は動揺しながらも美月に問いかける



「うん、そうだよ」



 美月はあっさりと認めた




「でも、意外ね……まさか美月ちゃんがここまで積極的だったなんて……」



 結衣が意外そうに呟くと、美羽も同意するように頷いてから口を開く



「ほんとよね、普段の美月ちゃんはもっとクールっていうか……落ち着いている印象が強かったから、なおさらね……」






「やっぱり美月ちゃんも、弟くんの事が好きだったんだ……まあ、私はなんとなく察してはいたけどね」



 朱莉姉さんは落ち着いた声でそう言う






「ここで改めて確認しておきたいんだけど、悟の貞操はまだ……失われていないんだよね?」



 どこか不機嫌そうな顔の美月がそう聞くと、美羽が答える



「うん、まあね……まだ誰も、決定的な行為はしてないよ」




「どうして?もしかして、まだ悟が特別だって事……疑ってるの?」



「そんな事は、ないけど……」




「その後の再検査でも、悟がこの世界では特別な体質で、何人と性行為をしても、絶対に死なないって事が分かっているのに……何で誰も悟とヤらないの?」



 美月の言葉を聞いた他の四人はばつが悪そうな顔をしている





「やっぱり、みんなは悟の身体のことを、心から信じてはいないんだね」



 美月が少し怒ったような口調で言うと、美羽がすぐに否定した




「ち、違うよ!もちろん、私たちは悟を信じてるよ!」



「そう……なら、何で悟とセックスしてないの?」



「うぅっ……そ、それは……」




「はぁ、もういいよ……データでいくら示されていても、悟が死ぬ可能性がほんの少しでもあるのなら、リスクになるセックスは後回しにする……そう考えたくなる気持ちは、たしかに私にも分かる……でも、悟が死ぬ可能性は現状、科学的にはゼロでしょ?」




「それは、そうだけど……悟にもしもの事があったらって考えると、わたしっ、……」



 (表情からも痛いほど伝わってくる……美羽は、俺が確実に生き続けることが出来るようにって、もしもの可能性についても、とことん真剣に考えてくれていたんだ……そして、それは美羽だけじゃない……きっと、他のみんなだって……)






「今まで私が悟への気持ちを隠すのしていたのは、悟が誰に一番想いを寄せていたのかを感づいていたから……だから美羽、そのあんたがそのつもりなら……私はもう、我慢しない」




「美月ちゃん……」



 美羽は顔を落として自身の服の端を掴んだ





「私は悟とセックスしたい、この気持ちはもう抑えられるものじゃない……だから、私は決めたの……悟が本当に特別な存在だって私自身が証明してみせるって」



 美月は真剣な眼差しで宣言する




「なるほどね……でも、どうやってその証明をするつもり?」



 朱莉姉さんは鋭い目つきで言葉を発した




「ふふっ、それは簡単でしょ……今から、ここにいる五人全員で悟とセックスすればいい」



 美月の言葉を聞いた他のみんなは一拍置いた後、うなずいた





「それじゃあ、始めよっか……」



 美月はそう言って俺の手を掴んだ




「美月……本当に、今からヤる気なのか?」



「うん、別に悟も嫌じゃないでしょ?その下半身の様子……期待、してるよね?」



 美月は妖艶な笑みを浮かべて聞いてくる




「それは、まあ、期待してないと言ったら……ウソにはなるが……」



 俺は少し照れながら答えた




「だったら、早く奥のベットルームに行こっか…………ふふっ、今から五人の美少女と一人の男が一晩中愛し合うんだよ……こんなことは世界初、楽しみだね」



 美月はそう言うと俺の手を引きながら歩き出した



 俺は覚悟を決めて美月について行った




 そして、俺たちは奥のベッドルームへと移動した
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