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第三章

第二十三話

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 美月と出かける約束をしてから数日後――




 俺と美月は、とあるカフェに来ていた




「へぇ、こんな店があったんだな……」



 普段、休日はあまり外に出歩かない方なので知らなかったが、隠れ家的な穴場スポットなのだろう



 店内は少し薄暗く、落ち着いた雰囲気の内装になっている




 注文した飲み物を飲みながらしばらく雑談していると、ふいに美月が口を開いた




「そういえば、悟はどうして急に私と二人で出かけようって、思ったの?」



「えっ?いや、それは……」



「もしかして、何か特別な理由があるの?……それなら早く言ってよ」



 美月が少し顔を近づけながら聞いてきた



 その綺麗な顔立ちにどきっとするが、なんとか平静を保って答える




「えっと、ほら……美月とは前々から少し距離を感じてたからさ、もっと仲良くなりたいと思って……」




「ふぅーん……そうなんだ」



 美月は俺の答えを聞いて少し考え込むような仕草を見せた後、小さく呟いた




「仲良く、ね……私としては結構距離を縮めてきたつもりだったんだけど、まだまだってことかな?」



「えっ、それって……?」



 俺が疑問に思って聞き返すと、美月は妖しい笑みを浮かべながら答えてくれた




「そう言えば、いま私たちの周りには他のお客さんが一人もいないよね?……これってどういうことなのかな……」



 確かに、言われてみれば不自然だったかもしれないが



 でも、それがどうしたというのだろうか……




「つまりね、悟が私の誘いに乗った時点でこうなることは決まっていたの……だから、悟は私に遠慮しないで、もっと本能のままに私を求めていいんだよ……」




「美月、それってどういう……?」



 俺が困惑していると、美月は少し残念そうにため息をつく




 そして、そのまま立ち上がると、俺の耳元に口を近づけてきた



「ねぇ、悟……私の事、好き?」



 美月は囁くような声でそう聞いてきた




 俺は戸惑いながらも素直に自分の気持ちを伝えることにした



「ああ、もちろん好きだけど」




 俺の言葉を聞いた美月は嬉しそうに笑う



 そしてそのまま、美月がそっと唇を重ねようとしたその瞬間、扉が開いて誰かが入ってきた



 咄嗟に離れた俺たちはその人物に目を向ける



 そこに立っていたのは――

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