いじめから助けた後輩を数合わせで部活に入れただけなのに異常に懐いてきてもはや怖いんだが

森 拓也

文字の大きさ
上 下
1 / 11

部員ゲットだぜ!

しおりを挟む
 放課後に俺は昨日徹夜で完成させたポスターを新入生のフロアに貼りに来ていた



「……ねぇ、あの人って、」



「女を連れ込んでるっていう……」



 俺を見ている後輩の女子数人が小声で話している



 だが、近づくと目をそらして逃げるように帰っていった





 いつもこうだ……この顔のせいで、声をかけて勧誘することすら出来ない





 暗い気持ちになりながらポスターを貼り、部室に向かう




 途中で封鎖されている屋上に向かう生徒が見えたため追いかける――







 ◆◆




「気持ち悪いんだよお前!」




 屋上に着くと金髪の女子生徒が白髪の女子生徒を怒鳴りつけて殴ろうとしていた瞬間だった――





「何してんだ」



 俺は金髪の女子生徒の手をつかみ止めに入る



「あぁ!?離せよ!」



 俺を睨みながら怒鳴りつけてくるが



「……あんたはっ、――!?」



 俺の顔を見るなり



 直ぐに顔色を変えて手を振り払らい、もう片方の手でつかまれた場所を抑える



「……こいつが次の獲物ってわけ?」



 心当たりのない質問をされる




「何の話だか知らねぇが……次、こんな事したら分かってるよな?」




 目に力を込めて言い放つ




「っ、、!分かっ……たよ、」




 下を向きながらそう言って、帰っていった。



 こういう時だけは悪人顔もそんなに悪くないと思える




「……助けていただきありがとうございます」




 白髪の少女は深々と頭を下げながら礼を言った




 白髪、赤い目、傷だらけの体、気になる所は山ほどあるが――




「いいから来い!」




 手をつかみ保健室に連れて行く




「……」







 ◆◆




 保健室に着いたが先生がいなかったため、空いていた椅子に座らせて傷の手当を始めることにした




「一人で出来ます、慣れていますから」




「いいから……少し染みるぞ」




「いっ、」



 傷口を消毒すると流石に痛かったのか片目に力が入っていた



「我慢しろ、直ぐに終わる」



 絆創膏を貼り終えると



「二度もこんな私に良くしていただきありがとうございました」



 再び深く頭を下げられる



「私に出来ることならなんでもさせて下さい」




 なんでも、ねぇ……




「お前、部活は?」



「入ってません」



「ゲーム部に入れ」



「はい」



「いいのか!?」



 あまりに事がうまくいくから思わず突っ込んでしまった



「はい」



「そうか、俺は部長の半田だ……お前は?」



「佐藤 白です」



「白か、入部届出しとくからな」



「自分で出します」



「いや、俺が出しておく」



 せっかく捕まえた新入部員だ、絶対に入部させてやる



「分かりました、では」



「じゃあな」



 白は軽く頭下げて保健室から出ていく




 その後俺は白の事を聞きまわり、さっきの金髪女が中学からずっと白をいじめていたことを知った



 そして、帰りに見つけたから軽くわからせた







 ◆◆



 翌日部室でゲームをしていると白が来た



「こんにちは、先輩」



 相変わらずの無表情だな……



 それでも、



「ちゃんと来たみたいだな」



 隣に座るが浮かない顔をしている



「……今日は何もされないどころか謝られました」



 金髪女の話か



「良かったな」



「先輩のおかげですよね……全部」



「さぁな」



「本当に……ありがとうございました」




 と白はテーブルに0・01mlのあれを置きながら言った



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語

六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

振られた私

詩織
恋愛
告白をして振られた。 そして再会。 毎日が気まづい。

マッサージ

えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。 背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。 僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。

社長室の蜜月

ゆる
恋愛
内容紹介: 若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。 一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。 仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。

処理中です...