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第469話
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歩を進めるたびに霧は深くなっていく。
五里霧中とはこのことで、僕らはわずかな面積の陸地から落ちないように泥の道をたどるのが精一杯だった。
霧の中へと伸びる道の左右は、茶色く濁った沼の水面である。
目を凝らしてみると、水の中には女の髪の毛のような水藻が生い茂り、その合間から白いものが見えた。
沼地にはまって死んだ者の亡骸なのだろう。
それらは完全に白骨化した死骸で、どれもみな、こぞって助けを求めるかのように水面に向け手を伸ばしていた。
「まだかな」
かなり歩いたと思われる頃、僕は心細くなって先を行くブライトに声をかけた。
ブライトは後ろ手で僕のペニスをつかみ、僕は股の間から真後ろに突き出した彼のペニスを握っている。
お互いの性器を外敵から身を守るためだったが、この状況ではさすがにふたりとも勃起は収まりかけていた。
「もう少しの辛抱だ。おそらくあと半分くらいだろう」
早くも音を上げた僕を元気づけるためにブライトが苦笑混じりにそう言った時だった。
ふいに、右側の沼の水面にブクブクと気泡が浮き出してきた。
「止まれ!」
ブライトが叫び、急に足を止めたので、僕はその背中にぶつかって悲鳴を上げた。
「何かいる!」
「え?」
「見ろ!」
気泡に続いて、沼の中から何かが浮かび上がってくる。
ゆらゆらゆれる透明な何か。
言ってみれば、無数の触手のようなものだ。
「あ、あれは…」
触手の束の下で、水を煽るように蠢く影を見つけて、僕はうめいた。
半透明な丸い傘のようなものが、はばたくようにひれ状の傘を動かし、触手たちを繰り出している。
そのさまは、間違いなく、巨大なクラゲだった。
「ブライト、気をつけて!」
とっさに右手を開くと、解放されたブライトのペニスが唸りを上げて跳ね上がり、ペチッと固い下腹を打つ。
それと、
ザバアッ!
水面を割って、無数の触手たちが伸び出すのとが、ほとんど同時だった。
寒天のような触手の群れがあっという間にブライトの両手首と両足首に絡みつき、一気に宙へと持ち上げる。
空中で磔になったブライトの皮の上着が触手に引き裂かれ、ブーメラン型ショーツの横からはみ出たままのペニスに別の触手がするすると巻きついた。
更に二本が伸び出すと、ふたつの乳首に吸いついて、ちゅうちゅう音を立てて乳頭を吸い出したからたまらない。
「アアア・・・アアア・・・」
ブライトが喘いだ。
半開きの口から涎を垂らし、半ば白目をむきかけて。
ブライトったら、魔物の襲撃に、もうおかしくさせられてしまっているのだ。
五里霧中とはこのことで、僕らはわずかな面積の陸地から落ちないように泥の道をたどるのが精一杯だった。
霧の中へと伸びる道の左右は、茶色く濁った沼の水面である。
目を凝らしてみると、水の中には女の髪の毛のような水藻が生い茂り、その合間から白いものが見えた。
沼地にはまって死んだ者の亡骸なのだろう。
それらは完全に白骨化した死骸で、どれもみな、こぞって助けを求めるかのように水面に向け手を伸ばしていた。
「まだかな」
かなり歩いたと思われる頃、僕は心細くなって先を行くブライトに声をかけた。
ブライトは後ろ手で僕のペニスをつかみ、僕は股の間から真後ろに突き出した彼のペニスを握っている。
お互いの性器を外敵から身を守るためだったが、この状況ではさすがにふたりとも勃起は収まりかけていた。
「もう少しの辛抱だ。おそらくあと半分くらいだろう」
早くも音を上げた僕を元気づけるためにブライトが苦笑混じりにそう言った時だった。
ふいに、右側の沼の水面にブクブクと気泡が浮き出してきた。
「止まれ!」
ブライトが叫び、急に足を止めたので、僕はその背中にぶつかって悲鳴を上げた。
「何かいる!」
「え?」
「見ろ!」
気泡に続いて、沼の中から何かが浮かび上がってくる。
ゆらゆらゆれる透明な何か。
言ってみれば、無数の触手のようなものだ。
「あ、あれは…」
触手の束の下で、水を煽るように蠢く影を見つけて、僕はうめいた。
半透明な丸い傘のようなものが、はばたくようにひれ状の傘を動かし、触手たちを繰り出している。
そのさまは、間違いなく、巨大なクラゲだった。
「ブライト、気をつけて!」
とっさに右手を開くと、解放されたブライトのペニスが唸りを上げて跳ね上がり、ペチッと固い下腹を打つ。
それと、
ザバアッ!
水面を割って、無数の触手たちが伸び出すのとが、ほとんど同時だった。
寒天のような触手の群れがあっという間にブライトの両手首と両足首に絡みつき、一気に宙へと持ち上げる。
空中で磔になったブライトの皮の上着が触手に引き裂かれ、ブーメラン型ショーツの横からはみ出たままのペニスに別の触手がするすると巻きついた。
更に二本が伸び出すと、ふたつの乳首に吸いついて、ちゅうちゅう音を立てて乳頭を吸い出したからたまらない。
「アアア・・・アアア・・・」
ブライトが喘いだ。
半開きの口から涎を垂らし、半ば白目をむきかけて。
ブライトったら、魔物の襲撃に、もうおかしくさせられてしまっているのだ。
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