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第438話

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「穴が見たい。穴を見せてくれ」

 ラファエルがブライトにささやいている。

 耳たぶを甘噛みしたり、耳の穴に息を吹き込んだりして、ブライトを昂らせているのだ。

 穴…?

 最初は何のことかわからなかった。

 けれど、ブライトが赤面するのを見るなり、閃いた。

 なんていやらしい…。

 駄目だよ、ブライト、そんなこと、しちゃあ!

 でも、僕の心の叫びは届かなかった。

 頭上の枝々の間からはらりとツタが落ちてくると、まるでそれ自体意志を持つかのようにブライトの右足首にくるくると巻きついたのだ。

「その調子だ。やれ」

 頭上の何者かにラファエルが声をかけた。

 じりじりとブライトの右足が持ち上がる。

 水平からさらに高くなって、あたかもバレエの踊り手でもあるかのように。垂直に足を引き上げた。

 頭より高く足が上がると、当然、股間があらわになる。

 それも、今まで隠れていた、睾丸の後ろからお尻の谷間にかけての会陰部が剥き出しになってしまうのだ。

 ツタがブライトの脚をこじるように回すと桃のようなお尻の肉が片方引っ張られ、谷間の奥が露になる。

 柔らかい肉の表面にフジツボで刻印したような形の、アナルである。

 それは入れ歯をはずした老婆のおちょぼ口にも似ていて、周りより若干色素が濃い。

 息づくようにひくひく蠢く周辺の肉の底に穿たれた小さな穴からは、よく見ると中のピンクの部分が見えた。

 綺麗なサーモンピンクに濡れ光る、ブライトの直腸の一部分である。

「素敵な穴だね」

 ブライトの肛門を正面にする位置に立つと、その息づく穴に顔を近づけ、ラファエルが言った。

「ほほう、これは以外にも処女に近い初々しさだ。ただの排泄器官にしておくのはもったいないな」

 やめて…。

 僕は心の中で叫び声をあげる。

 ブライトのお尻の穴に、触れないで…。

 それは、僕の、この僕だけの、卑猥でよく動く、熱くて狭い、ジューシーな肉穴なのだから…。
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