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第433話

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「ったく、呆れたオメガだな」

 溶け出したブーツを脱ぎ捨て、ラファエルがひとりごちた。

「きさまには、天使の血でも混じってるのか。どちらにせよ、きさまの体液は、僕たち魔族にとってはとんでもない猛毒だってことが、改めてよくわかったよ」

 そうして憎々しげに僕をにらみつけると、

「きさまのように厄介な化け物は、ほら、こうしてやる」

 突き出された剣が、僕の肛門を貫いた。

「あぎゃっ!」
 
 血潮を吹き出し、僕は跳ねた。

「もう1本!」

 二本めが、残酷なまでの正確さで、剥き出しの膣に突き刺さる。

「ぎゃううっ!」

 下半身を血まみれにして、のたうちまわる僕。

「せいぜい苦しみながら死ぬがいい。僕がきさまの恋人といちゃつくさまでも眺めながら、ね」

 それだけ言い捨て、ブライトに向き直る。

 ブライトは、つがいの僕が瀕死の状態にあるというのに、全裸でぼんやり突っ立ったままだ。

 その股間からは、ラファエルの愛撫を受けて欲情の塊と化した男根が、メキメキと聳え立っている。

 ラファエルが背後に回り、ブライトを抱きしめた。

 片手で乳首をいじりながら、もう一方の手で、勃起ペニスの先っちょをぐにゅぐにゅ撫で回し始める。

「アアアアアアアア・・・」

 のけぞり、甘い声を発するブライト。

 細マッチョの裸体がくねり、そこかしこに筋肉の束が浮き上がる。

「僕のこと、好きか?」

 乳首と亀頭を巧みな手つきで愛撫しながら、耳元に口を寄せ、ラファエルがささやいた。

 熱病にかかったようにうるんだ眼をして、かすかにうなずくブライト。

「そ、そんな…」

 僕はうめいた。

 激痛が、一瞬、遠のいたようだった。

 すさまじい嫉妬の炎が、胸の奥からめらめらと音を立てて燃え上がるのがわかった。

「気持ち、いい?」

 ブライトの耳たぶを甘噛みしながら、ラファエルが訊く。

 その手の中で、ブライトの恥ずかしい肉芽と器官が、さらに大きく、固く育っていく。

 またしても、ブライトの頭が上下に動き、僕の心をずたずたに引き裂いた。

「キモチ、イイ・・・」

 聞きたくない!

 思わず大声で叫びそうになった。

 ブライトったら、そんなこと言わないで!

 が、ラファエルの誘惑はまだ始まったばかり。

「いい子だね。ブライト、君は、もしかして、僕にもっといいこと、してほしいんじゃないのかい?」

 その言葉にうなずき、ブライトがぽっと頬を染めるのを見て、

「いやだああっ!」

 僕はついに、そう絶叫してしまっていた。
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