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第421話

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 それだけではなかった。

 予感はしていた。

 ブライトへの凌辱が、その程度で、済んでいいはずがない、と・・・。

 蔦は無限に湧いてくるようだった。

 満を持して、と言った感じだろうか。

 喘ぎ、悶絶するブライトの真下で、下草が散った。

 水平に押し広げられたブライトの両脚。

 その中央にぶら下がるまん丸の睾丸。

 そして、睾丸の少し後ろに口を開いた、つぼみ状のアナルの穴ー。

 そこに向かい、一直線に、新たな蔦が伸び出したのだ。

 ずぼっ!

「ひゃううっ!」

 肛門を貫かれ、ブライトが硬直した。

 ずぶずぶずぶっ!

 ドリルのように回転しながら、蔦がめり込んでいく。

「ひいっ! ひいいいいいっ!」

 ブライトの裸身にさざ波のような痙攣が走った。

 充分に貫通したところで、今度は出し入れが始まった。

 じゅぼっ、じゅぼっ、じゅぼっ。

「ぐふっ、ああっ、アアアアアアアア・・・」

 くちゅくちゅ、くちゅくちゅ・・・。

 ピストン運動が行われているのは、アナルだけではない。

 湾曲して聳え立つ肉バナナの先端の尿道口も、そうだった。

 そしてー。

 最後は、口だった。

 下草の間から、先っぽの部分が亀頭のように膨らんだ蔦が一本、ぐわっと伸びあがったかと思うとー。
 
「ギャアアアアアアッ! ゲホッ! ダヒャアッ!」

 半開きのブライトの口をこじ開けて、喉元深く、一気にめり込んだのである!

 ペニスにしゃぶりつくように、蔦を頬張り、舐め尽くしにかかるブライト。

 わが身に与えられる激烈な快感に、気が狂いかけているのかもしれなかった。

 全身の筋肉が縄を束ねたように張り詰め、二の腕や太腿などにくっきりと腱が浮き上がる。

 腹筋で割れた平らな下腹部は、次々に襲い来る快楽に荒波のごとき烈しい起伏を繰り返している。

 ちゅぷり。

 蔦が突き刺さった亀頭の先っちょからとろみのある白濁した体液がにじみ出て、青臭い匂いを周囲に撒き散らす。

 勢いこそないが、また射精・・・?

 王国一の戦士のくせに、こうなると、もう節度も何もあったものじゃない。

 痙攣を繰り返す美青年の全裸体に、蔦から生え出した細い枝がまといつき、指のような葉で肌を撫で始めた。

「ブライト・・・」

 またぞろ勃起した己が男根を握りしめ、僕はうわ言のようにつぶやいた。

「恥ずかしくないの? たかが魔物に凌辱されたぐらいで、そんなになるなんて・・・」

 その時だった。

「君の言う通りだな」

 笑いを含んだ口調で、誰かが言った。

「あれで魔王を倒すなどと、彼は本気で思っているのかな?」 

 僕は弾かれたように振り向いた。

 そして、意外なほど近くに佇むその人物に、あんぐりと口を開けてしまった。

「そ、そんな・・・ま、まさか、あ、あなたは・・・?」
 

 
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