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第417話

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 魔物を威嚇するかのように急角度で屹立したブライトの勃起ペニスー。

 その先端が種を飛ばす寸前の鳳仙花の実のように急激に膨張したかと思うと、

「あああっ!」

 叫びとともに、ナイフで縦に入れたような切れ込みがぱっくりと開き、多量の白濁液が噴き出したのである!

 どびゅっ!

 どびゅびゅびゅっ!

「ハアアアアアア!」

 肉筒の先端からすさまじい量のザーメンを噴出しながら、ブライトがガクンガクンと痙攣した。

 濃厚なミルクそのままの飛沫は魔物の毛皮を濡らし、ゼリーのごとく粘りながら地面に垂れていく。

 もったいない!

 僕は歯噛みする思いだった。

 ブライトの精液は、つがいである僕にとって、他の何にも代えられない貴重なエネルギー源なのだ。

 その大事な大事なエキスが、あんなふうに無駄に垂れ流されていいはずがない。

「グワアッ!」

 糊のようにべたつく精液を浴びせかけられ、魔物がたたらを踏むように後退した。

 明らかに狼狽しているらしく、躰を濡らす体液の匂いを嗅いでいる。

 やがて、予想外の事態が起こった。

 ブライトの精液の匂いがよほど気に入らなかったのかー。

 魔物は不快そうに盛大に鼻を鳴らすと、ブライトの躰を地面に投げ捨てー。

 いきなり四つん這いの姿勢に戻って、川のほうに向かって駆け出したのだ。

 おそらく水に飛び込んで、躰に付着した臭い液体を洗い流すつもりなのだろう。

 助かった!

 僕は小躍りして喜んだ。

 僕の精液ほどではないにせよ、ブライトのエキスも多少は魔物よけの役割を果たすらしい。

 特に、犬や熊みたいな鼻の利く哺乳類をベースにした魔物には、僕らの性液の匂いはたまらなく不快に感じられるのだ。

「よかった・・・」

 僕はブライトに駆け寄った。

「レム、見るな・・・」

 しどけなく股を開いたままの姿勢で、ブライトが僕から顏を反らした。

 股間の生殖器官は勢いこそ衰えたものの、膨らんだ先っちょからまだ精子ミルクを溢れさせている。

「おまえを守るどころか、魔物に凌辱され、また逝ってしまった・・・。今の俺は、さぞかし、滑稽だろうな・・・」

「そんなことないよ」

 僕はブライトにすがりつこうとした。

 あわよくば、噴き出るミルクを少しでも飲みたかった。

 ところがー。

 あと一歩、というところで、

「うわああああっ!」

 だしぬけに、魂消るような絶叫を残して、ブライトの裸体が僕の視界から消えたのである!



 
 
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