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第325話
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「アガガガガ…」
可愛らしかったレムの顏がいびつに歪んだ。
顔面中の筋肉という筋肉が一斉に弛緩して、頬が緩み、目尻も口の端も垂れ下がる。
そのさまはまるで知性が耳の穴から血液と一緒に流れ出していくかのようだ。
半分開いた口から痴呆のようによだれを垂れ流し、眼窩の中で眼球はせわしく蠢動を繰り返す。
仕方なかった。
レムは今、あろうことか、両耳から侵入した触手に、大脳をなぶりものにされているのである。
「きさま、なんてことを・・・」
俺は歯噛みした。
「そんなことをしたら、レムは・・・」
「おまえらの戦い方はわかっている」
宙吊りになった小さなレムの躰を伸ばした触手で弄びながら、得意げな口調で女が言った。
「この小僧の精液は、我々魔族には猛毒で、おまえら人間にとっては奇跡の薬となる」
「そ、それは・・・」
バレている。
いやむしろ、ここまでレムの精液を駆使してきて、バレない方が不自然だろう。
「だったら、この小僧を再起不能にするまでさ。躰を傷つけても精液で治してしまうというのなら、司令塔である大脳を破壊すればいい。ただそれだけのこと。そうだろう?」
「くそ・・・」
反論の余地もなく、俺は怒りにこぶしを握り締めた。
「離せ・・・レムを、離してくれ・・・」
そうして、意味のない無能な言葉を繰り返すのみだった。
そんな俺に、余裕綽々といった調子で、女が更に言い募る。
「さあ、次はアルファ、おまえの番だ。よく見ると、おまえ、あたし好みのイケメンだねえ。これは、殺す前に、たっぷり可愛がってあげなきゃねえ。きゃはははははは」
言い終わるか終わらないかのうちだった。
レムの腰に巻きついていた触手がほどけ、だしぬけに俺めがけて襲いかかってきた。
可愛らしかったレムの顏がいびつに歪んだ。
顔面中の筋肉という筋肉が一斉に弛緩して、頬が緩み、目尻も口の端も垂れ下がる。
そのさまはまるで知性が耳の穴から血液と一緒に流れ出していくかのようだ。
半分開いた口から痴呆のようによだれを垂れ流し、眼窩の中で眼球はせわしく蠢動を繰り返す。
仕方なかった。
レムは今、あろうことか、両耳から侵入した触手に、大脳をなぶりものにされているのである。
「きさま、なんてことを・・・」
俺は歯噛みした。
「そんなことをしたら、レムは・・・」
「おまえらの戦い方はわかっている」
宙吊りになった小さなレムの躰を伸ばした触手で弄びながら、得意げな口調で女が言った。
「この小僧の精液は、我々魔族には猛毒で、おまえら人間にとっては奇跡の薬となる」
「そ、それは・・・」
バレている。
いやむしろ、ここまでレムの精液を駆使してきて、バレない方が不自然だろう。
「だったら、この小僧を再起不能にするまでさ。躰を傷つけても精液で治してしまうというのなら、司令塔である大脳を破壊すればいい。ただそれだけのこと。そうだろう?」
「くそ・・・」
反論の余地もなく、俺は怒りにこぶしを握り締めた。
「離せ・・・レムを、離してくれ・・・」
そうして、意味のない無能な言葉を繰り返すのみだった。
そんな俺に、余裕綽々といった調子で、女が更に言い募る。
「さあ、次はアルファ、おまえの番だ。よく見ると、おまえ、あたし好みのイケメンだねえ。これは、殺す前に、たっぷり可愛がってあげなきゃねえ。きゃはははははは」
言い終わるか終わらないかのうちだった。
レムの腰に巻きついていた触手がほどけ、だしぬけに俺めがけて襲いかかってきた。
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