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第321話

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 俺は顔を上げた。

 城門の前に、行く手を阻むように全裸の女が立っていた。

 魔族だということは一目瞭然だった。

 女の肉体は、明らかに他生物との融合の跡を示している。

 ふつうなら乳房のあるあたりと陰部に、フジツボのような隆起ができており、その頂には穴が開いているのだ。

 三つの隆起は火山の噴火口にも似ていた。

 その三つの穴から、魔族の女はダラダラと硫黄みたいな黄色い体液を滴らせている。

「くそ、こんな時に」

 俺は腕の中のレムを見た。

 眼を閉じてぐったりとなったレムは、口から血を流し、完全に意識を失ってしまっている。

 しかも最悪なことに、股間の生殖器官はすっかり力を失い、中身を抜いた腸詰みたいに萎びてしまっていた。

「レム、しっかりしろ!」

 乳首を弄りながらキスをする。

 いつもならこれだけで射精するはずだ。

 なのにレムはピクリともしない。

 そもそも乳首自体も柔らかくしぼんでいる。

 仕方なく、もう一度肛門に腕を突っ込んだ。

 レムの肛門は、長時間にわたる俺のフィストファックのせいでもうガバガバだ。

 腕はほとんど抵抗なく肘までずぶずぶ入ってしまう。

 俺にはひとつ、考えがあった。

 レムはオメガだ。

 ヒート期のオメガは第二次性徴が極限まで発達し、一時的に両性具有になる。

 この時期のオメガは、その気になれば、つがいのアルファの仔を孕むことができるようになるのである。

 だから、前立腺がだめでも、ひょっとして・・・。

「はん、おじけづいたか、このゴミクズが!」

 魔族の女が高笑いしながら迫ってくる。

 急がなければ。

 あの穴からしたたる黄色い液は、きっと猛毒に違いない。

 その時、俺の右手がレムの直腸内で分岐を探り当てた。

 あった!

 これだ!
 
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