上 下
315 / 475

第310話

しおりを挟む
 鎧兜に覆われた巨大なサイ。

 その鼻先から伸びたユニコーンのソレを思わせる長く鋭利な角。

 ブライトの脇腹を貫通した”槍”の正体は、犀男の角だったのだ。

「ふん、口ほどにもない」

 鮮血の噴き出るブライトの脇腹から角を抜くなり、魔人が言った。

 犀男のドリル状の角にはブライトの腹の傷口から引きずり出された小腸が絡みついている。

 犀男はその血にまみれた肉のロープのような腸を両手で掴むと、情け容赦なくずるずる引きずり出し始めた。

 小腸をリード代わりにされ、魔人の許にたくり寄せられていくブライト。

 押さえた脇腹の傷口からはドボドボと血の塊が足元に滴り、床に赤い水たまりをつくっていく。

 ズルッ、ズルッ。

 臓物がどんどん引き出されるにつれて、ブライトの腹部が扁平にへこんでいく。

 そのせいで、勃起した陰茎がますます大きく見えるのだ。

「次は、ここだ」

 ブライトが正面まで来たのを見計い、腸から手を離すと、犀男が身をかがめた。

 前傾姿勢から、タックルするように前へ出る。

 水平に伸びた角が狙ったのは、ブライトのへそだった。

「がふっ」

 腹部の中心を貫かれ、ブライトが痙攣した。

「これでもか!」

 突き刺したまま、魔人が巨大な頭部を持ち上げる。

 メキッ。

 ムニュウッ。

「ぎゃああっ」

 ブライトが烈しく痙攣した。

 白眼を剥き、涎を垂らしている。

 その腹部で、縦に広がる傷口から、内圧で溢れ出ようとする脂肪と血でぎらつくナマの臓器たち。

 酷い・・・ひどすぎる・・・。

 僕は思わず目を見張った。

 さっき治したばかりなのに、すぐにまたこのありさまとは、運命って、あまりに残酷すぎるじゃないか。

「おら、おらおらおらあっ!」

 ずぼっ。

 内臓を纏いつかせて引き抜かれる長大な角。

 どぼどぼどぼっ。

 腹に開いた穴から、多量の血液とともにぬらつく肉の袋が互いに絡み合いながらいくつもいくつも床にずり落ちた。

「ぐああ・・・」

 仰向けたブライトの顔が苦痛に歪み、見る間に紙のように白くなる。



 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

RUBBER LADY 屈辱の性奴隷調教

RUBBER LADY
ファンタジー
RUBBER LADYが活躍するストーリーの続編です

【R-18】クリしつけ

蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

処理中です...