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第294話

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 現れたのは、等身大のイボガエル、だった。

 吹き出物だらけの皮膚は膿と粘液でドロドロに濡れ、耳まで裂けた口はだらしなく開いている。

「おいら好みのかわい子ちゃんじゃねーかよォ」

 先の二つに割れた舌で唇のない口の周囲をべろりと舐め、蛙男が言った。

 巨大な顔の両側に突き出た丸い眼球が、逆さ吊りにされた僕をじっと見つめている。

 けど、一番不気味なのは、蛙男の股間からそそり立つ男性器だった。

 太さも長さも成人男性の性器の三倍はありそうな逸品が、申し訳程度の腰布の隙間から反り返っているのである。

 大きい・・・。

 悪寒が背筋を走った。

 あんなの、とても入るとは、おもえない・・・。

 あれで犯されたら、僕の肛門はおそらく裂けてしまうに違いない。

「オヤカタ様・・・」

 コウモリ男の表情が曇った。

 魔族の間にも、身分の違いみたいな格差があるらしい。
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