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第284話
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バスタブを埋めた僕のエキスの中ー。
半透明のゼリー状の液体に浮きつ沈みつするブライトの残骸。
本来ならとっくに死んでいるはずのその躰に、目に見えるほどの速さで変化が起き始めていた。
極小の小人たちの働きで、組織と組織が融合していく。
白濁液をピンク色の染めていた血液の流出がなくなり、神経線維が伸びて、寄生植物の蔦みたいに断面から断面へと入り込んでいく。
変化につれて、バスタブに溜まっていた僕の精液が、すごい勢いで減っていく。
ブライトの躰の修復に、僕のエキスが使われている証拠だった。
「すごいな…。これが、つがいのオメガの力なのか?」
弟の復活を目の当たりにして、感嘆するようにアギト皇子がつぶやいた。
「そうね…。でも、すべてのオメガがこうじゃないと思う。これは、レムとブライトの親和性の高さの証明でもあるのでしょう」
うなずくジュリア皇女。
その時だった。
廊下を駆ける足音が近づいてきたかと思うと、
「ジュリア様、アギト様、大変です!」
泡を食ったような近衛兵の声が響き渡った。
「東の森から、魔族と魔獣の群れが王都に接近中とのことです。おそらく魔王軍の先遣部隊かと」
半透明のゼリー状の液体に浮きつ沈みつするブライトの残骸。
本来ならとっくに死んでいるはずのその躰に、目に見えるほどの速さで変化が起き始めていた。
極小の小人たちの働きで、組織と組織が融合していく。
白濁液をピンク色の染めていた血液の流出がなくなり、神経線維が伸びて、寄生植物の蔦みたいに断面から断面へと入り込んでいく。
変化につれて、バスタブに溜まっていた僕の精液が、すごい勢いで減っていく。
ブライトの躰の修復に、僕のエキスが使われている証拠だった。
「すごいな…。これが、つがいのオメガの力なのか?」
弟の復活を目の当たりにして、感嘆するようにアギト皇子がつぶやいた。
「そうね…。でも、すべてのオメガがこうじゃないと思う。これは、レムとブライトの親和性の高さの証明でもあるのでしょう」
うなずくジュリア皇女。
その時だった。
廊下を駆ける足音が近づいてきたかと思うと、
「ジュリア様、アギト様、大変です!」
泡を食ったような近衛兵の声が響き渡った。
「東の森から、魔族と魔獣の群れが王都に接近中とのことです。おそらく魔王軍の先遣部隊かと」
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