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第261話

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「バスタブだって? そんなもの、どうするんだ?」

 アギト皇子が呆れたような声で言う。

「決まってるでしょう。ネクタルを溜めるのです。バスタブいっぱいに溜めたネクタルの中にブライトを浸ける。そうすれば、まだなんとか助かるかもしれない」

 僕は広間の中央の血だまりと臓物の山に目をやった。

 積み上げられた内臓は、さながらぬるぬるの袋の集積である。

 網の目のように毛細血管で覆われたその大小の肉袋の中に、肩から上のブライトが埋もれている。

 肋骨が剥き出しになり、切断された上半身と、いまだに勃起し続けるペニスを備えた下半身。

 それが沈没船の帆先のように、肉と血の海から斜めに突き出ているのだ。

「でも、できるのか? ネクタルって、要はおまえの精液なんだろ? バスタブいっぱいなんて、そんなに出せるのかよ? 第一おまえ、今さっき、ミノタウロスの肛門に射精したばかりじゃないか」

 信じられないと言った表情で、皇子が訊いてくる。

「わからない…。でも、僕は今ヒート期なんです。刺激さえあれば、やってやれないことはない。そんな気がします…」

 そうなのだ。

 数ヶ月にわたるヒート期の間、オメガはある種の色情狂になる。

 その気になれば、オナニーを覚えた猿みたいに、それこそ、毎日でも・・・。

「メスイキね」

 皇女が横から口を出したのは、僕がそんなことを考え、頬を赤らめた時だった。

「え?」

 皇子が驚きの目で姉を見る。

「こいつをメスイキ状態にさせるのよ。そうすれば、ドライオーガズムで、絶頂が無限にやってきて、エネルギーが涸れ尽くすまで射精が止まらなくなる。ブライトを助けるには、ミネルヴァの総力を挙げて、このオメガをメスイキ状態にするしかないわ」

 そう言い放った皇女の口調は、有無を言わせぬ威厳に満ちていた。
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