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第257話

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 ベキベキッ!

 ブライトが折り畳まれる。

 踵が後頭部につくまで、腰から背中側に真っ二つに折り曲げられたのだ。

 ベシッ!

 腹が破れ、折れた背骨が飛び出した。

 先端がギザギザになった真っ白な棒。

 それがへし折られたブライトの脊柱だった。

 二つ折りに畳まれたブライトは、股間だけを上に向けている。

 その中心から垂直にそびえるペニスは、ミノタウロスの唾液と己の漏らした精液でドロドロに濡れている。

 無理やり二つ折りにされたため、腹腔の皮膚が破れていた。

 ゴムのように伸びた皮が限界に達してブチブチと引きちぎられていくと、

 ドバッ。

 奔流の如き多量の血液とともに、数珠つなぎになった臓物が後から後からあふれ出してきた。

 そのさまは、さっき肛門から消化器官を引きずり出された時の比ではなかった。

 楕円形の腹部の断面から、ドバドバと凄い勢いで中身が溢れ出てくるのである。

 大腸や小腸だけではない。

 肝臓も、腎臓も、膵臓も、果ては、胃や肺や心臓までもが、上半身側と下半身側に分かれて、内圧でどぼどぼと外に押し出されてくるのだ。

 しかも、おびただしい数の寄生虫をまといつかせたままー。

ーアアアアッ! アアアアアッ! アアアアアアアア…-

 逆さまに顏をのけぞらせたブライトが、血反吐を吐き散らしながら、喘いでいる。

 声はだんだん小さくなっていくものの、意識は明らかに快楽の淵に揺蕩っているようだ。

 ブライトの中では、今まさに、生命力がリピドーとして消費されつつあるのだろう。

「ブライト、あなたって人は…ああ…」

 床に積み上がる湯気を上げる臓物の山。

 その惨状に、僕は射精直前にまで、欲情してしまっていた。
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