上 下
260 / 475

第255話

しおりを挟む
 ジュボボボボッ!

 -ウググググッ!-

 ブライトの口から無惨にも吸い出されたモノー。

 それは、舌だった。

 ミノタウロスが口を窄め、ブライトの口腔内から吸いながら舌を引きずりだしたのである。

 -グブブブブッー

 伸びる肉色の舌は、まるでついさっきまでブライトを襲っていたあの蛇や蛭のようだ。

 ミノタウロスは巨大な頭部をのけぞらせて吸引したブライトの舌を引っ張っている。

 その間にもその丸太のように野太い上段の腕はブライトの背中に食い込み、躰を二つにへし折っていく。

 ベキベキッ!

 嫌な音を発して、ブライトの脊柱にひびが入るのが、透明な皮膚を通して見えた。

 締上げられた上半身の内部では、圧力で狭窄した肋骨の先が肺に突き刺さり、鮮血が噴き出している。

 が、胸腔内が血液でいっぱいにならないのは、噴き出た血を寄生虫が飲み乾しているからだ。

 肺や心臓に巻きついた線虫みたいな謎の生物は、臓器の傷口に素早く首を突っ込むと、どくんどくんと細長い躰をを波打たせ、うまそうに生き血を啜っているのである。

 そうしてどんどん肥え太っていくのが、透けた表皮を通して見て取れるというわけだ。

 そのうちにー。

 ブチッ!

 ついに、一番聞きたくない音が響き渡り、容赦なく僕の鼓膜を打った。

 ーアギャッ!ー

 口から真っ赤な血しぶきを噴き上げ、絶叫するブライト。

 首を振り切ったミノタウロスの、耳まで裂けた大口ー。

 その端っこで揺れているのは、鮮血にまみれた太い蚯蚓か蛭のような細長い肉片だ。

 片方の端を咥えられ、空中でびくんびくんとのたうち回るそれは―。

 間違いなく、舌だった。

 ブライトの舌を、怪物が強引に根元から引き千切ったのである。

「ブライト…」

 僕の股間に、落雷のごとき刺激が訪れた。

 メキメキメキッ。

 出したばかりだというのに、主砲が勃っていく。

 つがいのアルファがやられればやられるほど興奮する…。

 それが、落ちこぼれ変態オメガであるこの僕の、醜く悲しい定めなのだったー。

 

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

13歳女子は男友達のためヌードモデルになる

矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

【R-18】クリしつけ

蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

連続寸止めで、イキたくて泣かされちゃう女の子のお話

まゆら
恋愛
投稿を閲覧いただき、ありがとうございます(*ˊᵕˋ*)   「一日中、イかされちゃうのと、イケないままと、どっちが良い?」 久しぶりの恋人とのお休みに、食事中も映画を見ている時も、ずっと気持ち良くされちゃう女の子のお話です。

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

年上彼氏に気持ちよくなってほしいって 伝えたら実は絶倫で連続イキで泣いてもやめてもらえない話

ぴんく
恋愛
いつもえっちの時はイきすぎてバテちゃうのが密かな悩み。年上彼氏に思い切って、気持ちよくなって欲しいと伝えたら、実は絶倫で 泣いてもやめてくれなくて、連続イキ、潮吹き、クリ責め、が止まらなかったお話です。 愛菜まな 初めての相手は悠貴くん。付き合って一年の間にたくさん気持ちいい事を教わり、敏感な身体になってしまった。いつもイきすぎてバテちゃうのが悩み。 悠貴ゆうき 愛菜の事がだいすきで、どろどろに甘やかしたいと思う反面、愛菜の恥ずかしい事とか、イきすぎて泣いちゃう姿を見たいと思っている。

ロリっ子がおじさんに種付けされる話

オニオン太郎
大衆娯楽
なろうにも投稿した奴です

処理中です...