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第237話
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皇子の胸で身をよじりながら叫んでいるのは、アリスと呼ばれたあの人形だった。
「コロセ! コロセ!」
ドレス姿の人形が、顏を真赤にして怒鳴っているのだ。
そのうち人形は皇子の腕を振りほどき、床に飛び降りると、僕のほうを指差して金切り声を張り上げた。
「コイツヲ野放シニスルナ! コイツハ、コイツハ…」
「あ、アリスちゃん…」
「魔王様…」
皇子と皇女の視線が一斉に人形に注がれる。
僕は目をしばたたかせた。
魔王様?
どういうこと?
そう言えば、さっきも・・・。
性的興奮のあまり、聞き流してしまってたけど、皇女はさっきも魔王がどうのと口にしてた…。
「そういうことだったのか」
背後で声がした。
振り向くと、血だまりの中に横たわったブライトが目を輝かせて、地団太踏んで悔しがる人形を見つめていた。
その肩と股間の切断面から無数に生えてきているのは、白い菌糸のようなものである。
菌糸は床に蚯蚓のように伸び広がって、いつのまにか取れた腕や足とつながり、それらを胴のほうへ引き寄せようとしている。
僕の精液に含まれていた夥しい数の精虫が菌糸に進化し、凄い速さでブライトの躰を修復にかかっているのだ。
その証拠に、ブライトの血まみれの股間には、すでにむっくりともち上がる黒い影ができつつあったー。
「コロセ! コロセ!」
ドレス姿の人形が、顏を真赤にして怒鳴っているのだ。
そのうち人形は皇子の腕を振りほどき、床に飛び降りると、僕のほうを指差して金切り声を張り上げた。
「コイツヲ野放シニスルナ! コイツハ、コイツハ…」
「あ、アリスちゃん…」
「魔王様…」
皇子と皇女の視線が一斉に人形に注がれる。
僕は目をしばたたかせた。
魔王様?
どういうこと?
そう言えば、さっきも・・・。
性的興奮のあまり、聞き流してしまってたけど、皇女はさっきも魔王がどうのと口にしてた…。
「そういうことだったのか」
背後で声がした。
振り向くと、血だまりの中に横たわったブライトが目を輝かせて、地団太踏んで悔しがる人形を見つめていた。
その肩と股間の切断面から無数に生えてきているのは、白い菌糸のようなものである。
菌糸は床に蚯蚓のように伸び広がって、いつのまにか取れた腕や足とつながり、それらを胴のほうへ引き寄せようとしている。
僕の精液に含まれていた夥しい数の精虫が菌糸に進化し、凄い速さでブライトの躰を修復にかかっているのだ。
その証拠に、ブライトの血まみれの股間には、すでにむっくりともち上がる黒い影ができつつあったー。
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