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第218話

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 金色をベースに、ところどころ赤い斑点をちりばめた鱗ー。

 ある意味美しいとさえ言えるその鱗を眩い照明にきらめかせながら、二匹の蛇が棒からブライトの脚に移った。

 左右の脚に一匹ずつ絡まると、スムーズな動きで足首から脛、そして太腿へと進んでいく。

「な、何を・・・?」

 僕は目を剥いた。

「まさか、毒蛇じゃあ、ないでしょうね?」

「まあ、見ていなさい」

 白衣を押し上げる豊かな胸の下で腕組みをして、ジュリア皇女が言った。

「弟は、おまえが思っている以上に変態なの。こんなのまだ序の口だわ」

「ブライトが、変態・・・?」

 この人、やはり知っているんだ。

 僕はさっき心の底に芽生えた疑惑が、またぞろ膨らむのに気づいた。

 ブライトとジュリア皇女の関係って、やっぱりただの姉と弟じゃ、ない・・・。

 考えたくないけれど、きわめて”男と女”の関係に近いんじゃ・・・。

 嫉妬で目の前が赤くなる。

 この女は、長い間、ブライトを弄んできたのだ。

 だから、どうすればブライトが苦しみ、どうすれば悦ぶのか、すべて知り尽くしているに違いない・・・。

「アアアッ!」

 切なげなブライトの叫び声に反射的に顏を上げた僕は、次の瞬間、そこでアッと叫んでいた。

 ブライトの太腿のつけ根に尾を巻きつけた二匹の大蛇。

 それが両側からブライトの腰から胴に巻きつき、胸の辺りで鎌首をもたげている。

 そしてー。

 蛇たちは、先が二つに割れた舌を耳まで裂けた口から突き出し、チロチロとブライトの乳首を舐めているのだ。

「イ、イイッ!」

 のけぞり、宙でピクピク痙攣するブライト。

 蛇の舌で舐め回され、みるみるうちに勃起していくふたつの乳首。

「見てなさい。あの子、もうすぐ勃つわよ」

 限界まで広げられたブライトの股間を注視し、熱のこもった口調で、皇女が言った。

 
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