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第186話

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「皇女様に、乳首を弄れと・・・? きさま、正気か?」

 さげすむようにジンが言う。

「正気です。考えてもみてください。この状態のブライトを救えるのは、もはや医療ではありません。奇跡です。つまり、僕の分泌する神の酒、ネクタルしかない。それも、あの傷口を満たすだけの大量のエキスが」

「神の酒、ネクタル・・・。大量の、エキス・・・」

 皇女のエメラルドグリーンの瞳の奥に、理解の光が灯った。

「すなわちそれは、ブライトを救えるのは、オメガ、そなたの精液だけだと、そう申すのだな」

「そうです」

 僕はうなずいた。

「もちろん、今すぐにも射精は可能です。御覧の通り、僕の生殖器官は悲しいほどいきり立っている。でも、全部出すにはまだ足りないのです」

「そこで私に乳首を責めろと・・・そういうわけか」

「はい」

「いいだろう」

 皇女が背筋を伸ばし、僕を見下ろした。

「それにしてもおかしなやつだな。おまえは弟の”つがい”だと聞いた。なのに、愛する弟がこのような悲惨な目に遭っているというのに、なぜ欲情できるのだ?」

「そ、それは・・・」

 耳のつけ根まで真っ赤になった僕を見て、ジンが意地悪く嗤った。

「変態なんですよ、こいつも。ブライト皇子さまとは逆の意味でね」

「言葉を慎め! この反逆者めが!」

 皇女がジンを一喝した。

「ジン、おまえの魂胆はわかっている。大方、魔族の血を引く者に唆されたのだろう。ブライトとその番のオメガを亡き者にして、魔王の復活の下準備をする。そのつもりだったのだろうが、そうは問屋がおろさぬ。カイン、アベル、こやつを牢屋に連れていけ。独房にぶち込んで後で拷問して吐かせるがよい」

「ジュ、ジュリアさま! ああっ!」

 いつのまにか傍に来ていたカインが、いきなりジンの勃起ペニスをつかんだ。

 つかんだまま、小柄なその躰を宙吊りにする。

 その両足首を握って足を開脚させると、剥き出しになった股間にアベルが褌から引きずり出したぶっとい己の性器をぶち込んだ。

「ぐはっ」

 血反吐を吐き、白目を剥くジン。

 絡み合った三人が退場すると、おごそかな口調で皇女が言った。

「では始めよう。急がねば」 
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