187 / 478
第182話
しおりを挟む
秘密部屋の戸口に姿を現したのは、目の覚めるような長身の美女だった。
コルセットを嵌めたくびれた腰。
細身ながらボリュームのある胸。
宝石をちりばめた青いドレスを身に纏った金髪のその女性は、圧倒的なオーラを放っている。
「ジュ、ジュリア様…」
痴呆のようにぽかんと口をあけ、ジンがつぶやいた。
その手から鞭が落ち、床で乾いた音を立てる。
ジュリア、さま?
聞き覚えのある名だ。
もしかしてあの方は、ブライトの姉、第一皇女のジュリア様?
「弟の性癖につけこんでのこの無礼! 王家の一員として、決して許さぬぞ!」
皇女の気の強そうな眼がジンを睨みつけた。
「め、めっそうもございません!」
がばっと床にひれ伏すジン。
「私はただ、このオメガのエキスを抽出しようと・・・。来たる魔王とのいくさのために」
「そのオメガのことは聞いておる。だが、そのためにブライトを、こんな目に・・・。ええい! 下僕ども、早く弟をそのグロテスクな拷問具から下ろさぬか!」
踵の高いヒールを踏み鳴らして皇女が怒る。
その怒声に尻を叩かれたかのように、カインとアベルが瀕死のブライトを抱え上げ、部屋の中央の手術台の上に横たえた。
「姉さん、すまない・・・」
見下ろす皇女に向かって、相変わらずペニスを勃起させた血まみれのブライトが、苦しげにそうささやいた。
コルセットを嵌めたくびれた腰。
細身ながらボリュームのある胸。
宝石をちりばめた青いドレスを身に纏った金髪のその女性は、圧倒的なオーラを放っている。
「ジュ、ジュリア様…」
痴呆のようにぽかんと口をあけ、ジンがつぶやいた。
その手から鞭が落ち、床で乾いた音を立てる。
ジュリア、さま?
聞き覚えのある名だ。
もしかしてあの方は、ブライトの姉、第一皇女のジュリア様?
「弟の性癖につけこんでのこの無礼! 王家の一員として、決して許さぬぞ!」
皇女の気の強そうな眼がジンを睨みつけた。
「め、めっそうもございません!」
がばっと床にひれ伏すジン。
「私はただ、このオメガのエキスを抽出しようと・・・。来たる魔王とのいくさのために」
「そのオメガのことは聞いておる。だが、そのためにブライトを、こんな目に・・・。ええい! 下僕ども、早く弟をそのグロテスクな拷問具から下ろさぬか!」
踵の高いヒールを踏み鳴らして皇女が怒る。
その怒声に尻を叩かれたかのように、カインとアベルが瀕死のブライトを抱え上げ、部屋の中央の手術台の上に横たえた。
「姉さん、すまない・・・」
見下ろす皇女に向かって、相変わらずペニスを勃起させた血まみれのブライトが、苦しげにそうささやいた。
0
お気に入りに追加
121
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/essay.png?id=5ada788558fa89228aea)
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる