上 下
154 / 460

第149話

しおりを挟む
「ほうら、入れちゃうよ~」

 ニタニタ笑いながら、注射器のシリンダーを押すジン。

 シリンダーが筒に押しこまれるのに従い、謎の液体がブライトの肛門に注入されていく。

「ぐああああ」

 右手を床について上半身をよじって躰を開き、端正な顔をゆがめ、うめくブライト。

 彫りの深いその高貴なアルファ顔にはびっしりと汗の玉が浮かび、女のように長い睫毛を濡らしている。

 逆三角形の上半身では、鍛え上げられた胸筋が盛り上がり、その頂で桃色の乳首を痛いほど勃起させている。

「そ、それは・・・?」

 我慢できなくなって、僕はジンに声をかけた。

「その液体は、何なの?」

「なあに、特別なものじゃないさ。ただの石鹸水だよ」

 ニチャアっと破顔し、ジンが親切に教えてくれた。

 よくぞ聞いてくれたといった感じの、得意満面の表情だ。

「石鹸水? どうしてそんなもの・・・?」

 僕が首をひねっている間にも、ブライトの裸体には驚くべき変化が生じ始めていた。

 あれほどかっこよく引き締まっていた下腹が、妊婦のそれのように膨らみ出しているのだ。

「あぐう・・・やめ、やめて…くれえ・・・」

 弱々しくかぶりを振るブライト。

 なのに、不思議なことに、例のビール瓶の中の生殖器官は、またぞろ大きくなり始めている。

 ついさっき、半ば強制的に二度目の射精を敢行し、あれほどの量の液を出したばかりだというのに・・・。

 ペニスがビール瓶いっぱいに怒張し始めたのを目に留めて、アベルがシコシコを再開する。

 横から手を伸ばし、ビール瓶ごと、ブライトの陰茎を扱き始めたのだ。

「ああ・・・ち、ちん、ちんが・・・」

 はしたなく喘ぐブライトの浅ましい姿に、呆気にとられる僕。

 そんなふうに茫然とする僕に、愉しそうな口調でジンが言った。

「おや、知らないのかい? 注射器の中の石鹸水といえば、当然、浣腸だろう?」 
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

快楽短編集②

BL / 連載中 24h.ポイント:830pt お気に入り:53

?かつて善人だった悪役令嬢は、復讐の道を突き進む

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:23

婚約は失敗しましたが幸せになれました。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:241pt お気に入り:75

【完結】そして、誰もいなくなった

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:28pt お気に入り:279

もふもふと異世界で温泉旅館はじめました〜のんびりスローライフ〜

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:43

(完結)私の夫を奪う姉

恋愛 / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:809

散歩がてら

BL / 完結 24h.ポイント:63pt お気に入り:3

処理中です...