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第132話
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最初は何が起こったのか、わからなかった。
鞭が肉を打つ音とともに、
「うっ」
ブライトが呻いて、空中で体勢を崩したのだ。
ジンの足元に落下して、尻餅をつくブライト。
裸の上半身に、斜めに赤い蚯蚓腫れが走っている。
「ほら見ろ」
ジンの眼に再び狂気の光が宿った。
バシッ。
バシッ。
縦横無尽に振るわれる鞭が、ブライトの白い肌に無惨にも赤い筋を刻んでいく。
「く、くう…」
なのになぜかブライトは抵抗しようとしない。
長い足を伸ばして蹴り上げれば小柄なジンなんて一発なのに、どうしてか打擲されるがままになっているのだ。
「ブ、ブライト、しっかりしてよ!」
僕は叫んだ。
「あなたなら、そんなやつ、簡単にやっつけられるでしょ?」
「それがそうでもないんだよ。まあ、見ててごらんよ、このできそこないのオメガ君」
無抵抗のブライトを打ち据えながら、ジンが言う。
「アベル、いい加減目を覚まして、僕を手伝わないか」
と、床に伸びていた牛頭の巨漢がむくりと身を起こし、二、三度巨大な頭を振ったかと思うと、ふと我に返ったように、丸太のように太い両腕で目の前のブライトを後ろからガバッと抱きしめた。
鞭が肉を打つ音とともに、
「うっ」
ブライトが呻いて、空中で体勢を崩したのだ。
ジンの足元に落下して、尻餅をつくブライト。
裸の上半身に、斜めに赤い蚯蚓腫れが走っている。
「ほら見ろ」
ジンの眼に再び狂気の光が宿った。
バシッ。
バシッ。
縦横無尽に振るわれる鞭が、ブライトの白い肌に無惨にも赤い筋を刻んでいく。
「く、くう…」
なのになぜかブライトは抵抗しようとしない。
長い足を伸ばして蹴り上げれば小柄なジンなんて一発なのに、どうしてか打擲されるがままになっているのだ。
「ブ、ブライト、しっかりしてよ!」
僕は叫んだ。
「あなたなら、そんなやつ、簡単にやっつけられるでしょ?」
「それがそうでもないんだよ。まあ、見ててごらんよ、このできそこないのオメガ君」
無抵抗のブライトを打ち据えながら、ジンが言う。
「アベル、いい加減目を覚まして、僕を手伝わないか」
と、床に伸びていた牛頭の巨漢がむくりと身を起こし、二、三度巨大な頭を振ったかと思うと、ふと我に返ったように、丸太のように太い両腕で目の前のブライトを後ろからガバッと抱きしめた。
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