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第130話
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「ブライト…」
一気に目の前が明るくなる思いだった。
戸口に立っているのは、正装をしたブライトだ。
白に金色と赤のラインが入った皇族の宮廷着がその長身に良く似合っている。
「邪魔はさせないぞ。アベル、そいつをやっつけろ!」
ジンの命令に、廊下から巨漢がブライトにつかみかかった。
頭に水牛のはく製をかぶったあの男である。
が、ブライトのほうが一瞬速かった。
ハンマーのように振り下ろされた両腕を軽くかわすと、男の足に己の足を絡ませ、一気に前へと引き倒す。
「ぐわあっ!」
もんどり打って部屋の中に転がり込む巨漢。
間髪を入れず跳躍したブライトが、その裸の胸に落下の加速度を利用して強烈な膝の一撃を食らわせた。
「ぐへっ、ぐぶぶぶぶ」
口から白い泡を吹き、気絶する水牛男を尻目に、ブライトがジンに歩み寄る。
「おおよそ、こんなことだろうと思ったよ。さっさとレムから離れるんだ。この変態科学者めが」
「う、うるさい!」
憎々し気にブライトを睨みつけ、壁際に後退するジン。
「僕に向かってそんな偉そうな口をきいていいと思ってるのか? すぐに後悔させてやるからな!」
「できるならやってみろ」
せせら笑いながら、ブライトが鋼鉄のハンドルを握り、万力の顎をゆるめ始めた。
一気に目の前が明るくなる思いだった。
戸口に立っているのは、正装をしたブライトだ。
白に金色と赤のラインが入った皇族の宮廷着がその長身に良く似合っている。
「邪魔はさせないぞ。アベル、そいつをやっつけろ!」
ジンの命令に、廊下から巨漢がブライトにつかみかかった。
頭に水牛のはく製をかぶったあの男である。
が、ブライトのほうが一瞬速かった。
ハンマーのように振り下ろされた両腕を軽くかわすと、男の足に己の足を絡ませ、一気に前へと引き倒す。
「ぐわあっ!」
もんどり打って部屋の中に転がり込む巨漢。
間髪を入れず跳躍したブライトが、その裸の胸に落下の加速度を利用して強烈な膝の一撃を食らわせた。
「ぐへっ、ぐぶぶぶぶ」
口から白い泡を吹き、気絶する水牛男を尻目に、ブライトがジンに歩み寄る。
「おおよそ、こんなことだろうと思ったよ。さっさとレムから離れるんだ。この変態科学者めが」
「う、うるさい!」
憎々し気にブライトを睨みつけ、壁際に後退するジン。
「僕に向かってそんな偉そうな口をきいていいと思ってるのか? すぐに後悔させてやるからな!」
「できるならやってみろ」
せせら笑いながら、ブライトが鋼鉄のハンドルを握り、万力の顎をゆるめ始めた。
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