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第86話
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「魔族・・・。やはりな」
獣人族の屍の山を見渡して、ブライトがつぶやいた。
「獣人族は醜い。だから殺した。旅団の失踪も、魔獣の跋扈も、みな、おまえたちの仕業というわけか」
「まあな。この地方には、魔王の塔を建てる計画がある。真っ先に掃除せよとの仰せなのでな。先発隊が仕事中というわけさ」
のんきな口調で、魔族が言った。
とても獣人族を惨殺した直後とは思えない、余裕に満ちた態度である。
「魔王の塔? そんなもの、この世に必要ない!」
ブライトがレイピアを構え直す。
「ちょうどいい。こっちも魔王の痕跡を追っていたところだ。まずはおまえから叩き切ってやる!」
「ハッ。あたしを叩き切る? たかがアルファのおまえが?」
気の利いたジョークを耳にしたかのように、女が哄笑した。
「いいさ、相手になってやるよ。あたしも腹がくちくなって、そろそろ”したく”なってきてたとこだからさ。ふふふ、それに、よく見ると、あんた、なかなかイイ男じゃないか」
そう言い放った瞬間ー。
めりめりめりっ!
異音が轟き、女が本体を現した。
獣人族の屍の山を見渡して、ブライトがつぶやいた。
「獣人族は醜い。だから殺した。旅団の失踪も、魔獣の跋扈も、みな、おまえたちの仕業というわけか」
「まあな。この地方には、魔王の塔を建てる計画がある。真っ先に掃除せよとの仰せなのでな。先発隊が仕事中というわけさ」
のんきな口調で、魔族が言った。
とても獣人族を惨殺した直後とは思えない、余裕に満ちた態度である。
「魔王の塔? そんなもの、この世に必要ない!」
ブライトがレイピアを構え直す。
「ちょうどいい。こっちも魔王の痕跡を追っていたところだ。まずはおまえから叩き切ってやる!」
「ハッ。あたしを叩き切る? たかがアルファのおまえが?」
気の利いたジョークを耳にしたかのように、女が哄笑した。
「いいさ、相手になってやるよ。あたしも腹がくちくなって、そろそろ”したく”なってきてたとこだからさ。ふふふ、それに、よく見ると、あんた、なかなかイイ男じゃないか」
そう言い放った瞬間ー。
めりめりめりっ!
異音が轟き、女が本体を現した。
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